47 / 84
高校1年生
第46話 風邪の看病?
しおりを挟む
アイスバケツチャレンジから翌日。
「ゴホンゴホン……」
「ゲホゲホ……」
「何が体調の面は心配ないだよ……まったく」
六花とユキは案の定、風邪を引いてしまった。
二人とも熱は三十八度以上あり、苦しそうだ。
今日は幸いなことに土曜日。病院は午前中に連れて行って薬を貰ってきた。
「なんか……ゴメンね……ゴホンゴホン」
「謝るくらいなら、もう二度とあんなことするな!」
俺はそう言い、二人の額にかけているタオルを取った。
そのタオルを触れた瞬間、ついさっき替えたばかりなのにもう温くなっていることに驚く。
――熱上がってんじゃないか?
俺は六花、ユキの順で額と額をくっつけると……急にものすごく体温が上がったことに気づいた。
「お、おい、お前ら大丈夫か?!急に体温が上がったけど」
そう言い、二人の表情を見ると、先ほどよりも顔が赤くなっていた。
「た、体温が上がったのは…………しょーくんのせい……なんだからね」
六花は布団を頭部まで被り、そう言ったが最後の言葉は聞き取れなかった。
「お兄ちゃんてば……お、女の子にそんなことしちゃダメだよ?特にウチ以外」
ユキは布団を口ぐらいまで被り、そう言ったが……そんなことってどんなこと?
「うーん……よく分かんないが、とりあえず俺は自分の部屋に行くよ。何かあったら呼べよ?」
そう言いながら、二人に再び冷水に漬けて絞ったタオルを額にかけてやる。
その時の二人の反応が「ぁ……ん」だったり「ぅ……」だったりで可愛くて、ちょっとエロかったが。
俺は六花たちの部屋を出ようとした時、ユキに呼び止められた。
「ね……お兄ちゃん……行かないで?」
「……え?」
ユキがベッドから身を起こし、まるで捨てられた犬のようなうるうるした瞳でそう言った。
――え……俺はどうすればいいんだ?
長時間女の子の部屋にいていいのだろうか?
まぁ、ユキは義理とはいえ兄妹だが、六花は違う。
俺は六花の方に視線をやると……なぜか目を逸らされた。
――え、なんで?
別に構わないという意味なのだろうか?
「分かった……けど、ちゃんと寝ろよ?」
「うん、ありがと!お兄ちゃん!」
ユキはパッと花が咲いたように笑顔を見せた。
え、何これ?最近、ラノベとかで義理の妹もののラブコメが多いけど……義理の妹ってサイコーだな!
俺の中で新たなジャンルが開拓された時、六花は射殺せるのではないかと思うぐらいの目で睨んでいた。
「変なこと……しないでよね!」
「するか!」
俺のこと信用してないのかよ!
お前と一緒に暮らし始めて半年以上の間、信用できないこと何かやったか?
やってねぇーだろ?!
本当に……まったく……。
そこら辺のレイプ魔じゃねぇんだよ!
「そこまで言わなくても……グスン」
気がつけば、六花は泣いていた。
お得意の読心術でも使って俺の心を読んだのだろう。
「ああ……悪かった。ゴメンな」
俺は反射的に謝ったのだが、よくよく考えてみれば……謝るのは六花の方だよな?
「と、とにかく安静にしろよ。俺は隅っこの方で読書でもしとくから」
それからというもの、俺は一生懸命看病した。
タオルを替えるのはもちろんのこと、夕食時になれば二人のためにおかゆを作ってあげたり、汗をかいた時は……これはさすがに無理なのでタオルを持ってきてやったり……。
そんなこんなで一日が過ぎ、朝になっていた。
俺は気がつけば、壁に体育座りをしながら壁にもたれかかった状態で眠っていた。
「しょーくん」
「お兄ちゃん」
体を揺すられる感覚で起きてみると、六花とユキが元気そうに微笑んでいた。
「おはよう、しょーくん」
「おはよう、お兄ちゃん」
「ああ……おはよう……もう大丈夫なのか?」
俺は眠たい目を擦りながら、そう聞くと二人とも首を縦に降った。
「そうか良かった……ハックション!」
二人の体調の回復に喜んでいるのも束の間。
なぜか体がとても怠くて重い。
立ち上がろうとしても力が入らず、ふらついてしまう。
――これは……もしかして……
「私たちのが伝染ってしまったのかもね」
六花が俺の様子を見てそう言った。
「……マジか……」
まさか伝染ってしまうとは……。
一応、伝染らないように手洗いうがいをこまめにしていたんだけどなぁ。
「ゴホンゴホン……」
「ゲホゲホ……」
「何が体調の面は心配ないだよ……まったく」
六花とユキは案の定、風邪を引いてしまった。
二人とも熱は三十八度以上あり、苦しそうだ。
今日は幸いなことに土曜日。病院は午前中に連れて行って薬を貰ってきた。
「なんか……ゴメンね……ゴホンゴホン」
「謝るくらいなら、もう二度とあんなことするな!」
俺はそう言い、二人の額にかけているタオルを取った。
そのタオルを触れた瞬間、ついさっき替えたばかりなのにもう温くなっていることに驚く。
――熱上がってんじゃないか?
俺は六花、ユキの順で額と額をくっつけると……急にものすごく体温が上がったことに気づいた。
「お、おい、お前ら大丈夫か?!急に体温が上がったけど」
そう言い、二人の表情を見ると、先ほどよりも顔が赤くなっていた。
「た、体温が上がったのは…………しょーくんのせい……なんだからね」
六花は布団を頭部まで被り、そう言ったが最後の言葉は聞き取れなかった。
「お兄ちゃんてば……お、女の子にそんなことしちゃダメだよ?特にウチ以外」
ユキは布団を口ぐらいまで被り、そう言ったが……そんなことってどんなこと?
「うーん……よく分かんないが、とりあえず俺は自分の部屋に行くよ。何かあったら呼べよ?」
そう言いながら、二人に再び冷水に漬けて絞ったタオルを額にかけてやる。
その時の二人の反応が「ぁ……ん」だったり「ぅ……」だったりで可愛くて、ちょっとエロかったが。
俺は六花たちの部屋を出ようとした時、ユキに呼び止められた。
「ね……お兄ちゃん……行かないで?」
「……え?」
ユキがベッドから身を起こし、まるで捨てられた犬のようなうるうるした瞳でそう言った。
――え……俺はどうすればいいんだ?
長時間女の子の部屋にいていいのだろうか?
まぁ、ユキは義理とはいえ兄妹だが、六花は違う。
俺は六花の方に視線をやると……なぜか目を逸らされた。
――え、なんで?
別に構わないという意味なのだろうか?
「分かった……けど、ちゃんと寝ろよ?」
「うん、ありがと!お兄ちゃん!」
ユキはパッと花が咲いたように笑顔を見せた。
え、何これ?最近、ラノベとかで義理の妹もののラブコメが多いけど……義理の妹ってサイコーだな!
俺の中で新たなジャンルが開拓された時、六花は射殺せるのではないかと思うぐらいの目で睨んでいた。
「変なこと……しないでよね!」
「するか!」
俺のこと信用してないのかよ!
お前と一緒に暮らし始めて半年以上の間、信用できないこと何かやったか?
やってねぇーだろ?!
本当に……まったく……。
そこら辺のレイプ魔じゃねぇんだよ!
「そこまで言わなくても……グスン」
気がつけば、六花は泣いていた。
お得意の読心術でも使って俺の心を読んだのだろう。
「ああ……悪かった。ゴメンな」
俺は反射的に謝ったのだが、よくよく考えてみれば……謝るのは六花の方だよな?
「と、とにかく安静にしろよ。俺は隅っこの方で読書でもしとくから」
それからというもの、俺は一生懸命看病した。
タオルを替えるのはもちろんのこと、夕食時になれば二人のためにおかゆを作ってあげたり、汗をかいた時は……これはさすがに無理なのでタオルを持ってきてやったり……。
そんなこんなで一日が過ぎ、朝になっていた。
俺は気がつけば、壁に体育座りをしながら壁にもたれかかった状態で眠っていた。
「しょーくん」
「お兄ちゃん」
体を揺すられる感覚で起きてみると、六花とユキが元気そうに微笑んでいた。
「おはよう、しょーくん」
「おはよう、お兄ちゃん」
「ああ……おはよう……もう大丈夫なのか?」
俺は眠たい目を擦りながら、そう聞くと二人とも首を縦に降った。
「そうか良かった……ハックション!」
二人の体調の回復に喜んでいるのも束の間。
なぜか体がとても怠くて重い。
立ち上がろうとしても力が入らず、ふらついてしまう。
――これは……もしかして……
「私たちのが伝染ってしまったのかもね」
六花が俺の様子を見てそう言った。
「……マジか……」
まさか伝染ってしまうとは……。
一応、伝染らないように手洗いうがいをこまめにしていたんだけどなぁ。
0
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
家政婦さんは同級生のメイド女子高生
coche
青春
祖母から習った家事で主婦力抜群の女子高生、彩香(さいか)。高校入学と同時に小説家の家で家政婦のアルバイトを始めた。実はその家は・・・彩香たちの成長を描く青春ラブコメです。
貞操観念が逆転した世界に転生した俺が全部活の共有マネージャーになるようです
卯ノ花
恋愛
少子化により男女比が変わって貞操概念が逆転した世界で俺「佐川幸太郎」は通っている高校、東昴女子高等学校で部活共有のマネージャーをする話
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる