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高校生
第47話 修学旅行のあと……
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3泊4日の修学旅行は終わり、次の日の金曜日は休みになった。
修学旅行の間、少しぎこちなかった亜美とは関係が戻り……というか、それ以上の関係になり、それと引き換えというわけではないが、六花との関係は悪化した。
修学旅行から帰った日は1度も話を聞いてくれなかったし、まるで俺が存在しないような扱いだった。
「なぁ、六花。話を聞いてくれよ」
「…………」
朝からずっとこんな感じである。
そもそもなんで怒っているのか分からない。
美月が言ってたことだって本当のことなのか分からない。
「お前……なんで怒ってんだよ」
ふいに口から言ってはいけないであろう言葉が出てしまった。
俺はすぐに口を紡ぎ、六花の方を見ると、ちょうど昼食の準備をしていたのだろう。
エプロン姿の六花は俺の目を鋭い眼光で睨みつけていた。
そして、手には包丁……。
怖いよ!何その手に持った包丁は?!そして、なんで俺を睨みつけながら豚肉をぶっ刺しているの?!
俺はとっさに土下座して謝った。
「も、申し訳ございませんでした!」
これは……六花が喋ってくれない限りダメだな。
六花も今はほっといて欲しいのかもしれないし。
時間は過ぎ、午後10時になった。
昼間は予想通り、何も喋ってくれなかったし、目も合わせてくれなかった。
合わせてくれたといえば、あのナマハゲ事件ぐらいだ。
俺は疲れたので、今日は早めに寝ようかと思い、自室に向かう途中、六花から声をかけられた。
「ね、ねぇ……ちょっと話あるんだけど……」
なんか久しぶりに聞いたような思いになり、つい涙が……。
「なに泣いてんの?バカなの?」
六花ちゃんてば、反抗期なのかしらん。すごく冷たくなったね!
まぁ、だいたいの原因は俺にあるのだが…。
「それで話って何?」
「あ、あのさ……なんで亜美ちゃんと付き合ったの?」
六花の様子が少しおかしい。
どこがおかしいか分からないが……やはりおかしい。
「なんでって……好きだからに決まってるだろ」
「……」
俺がそう当たり前のことを言った瞬間、六花は顔を伏せ、肩をプルプルと震わせている。
「な、なぁ。本当にどうしたんだよ」
「隼人のバカ……」
六花はそう言うと、自分の部屋に走って向かい、閉じこもってしまった。
なんか、泣いていたような気がする。
やっぱり美月が言っていたとおり、六花は俺のことを……。
それを今考えたところで意味もないので、俺は自室で寝ることにした。
修学旅行の間、少しぎこちなかった亜美とは関係が戻り……というか、それ以上の関係になり、それと引き換えというわけではないが、六花との関係は悪化した。
修学旅行から帰った日は1度も話を聞いてくれなかったし、まるで俺が存在しないような扱いだった。
「なぁ、六花。話を聞いてくれよ」
「…………」
朝からずっとこんな感じである。
そもそもなんで怒っているのか分からない。
美月が言ってたことだって本当のことなのか分からない。
「お前……なんで怒ってんだよ」
ふいに口から言ってはいけないであろう言葉が出てしまった。
俺はすぐに口を紡ぎ、六花の方を見ると、ちょうど昼食の準備をしていたのだろう。
エプロン姿の六花は俺の目を鋭い眼光で睨みつけていた。
そして、手には包丁……。
怖いよ!何その手に持った包丁は?!そして、なんで俺を睨みつけながら豚肉をぶっ刺しているの?!
俺はとっさに土下座して謝った。
「も、申し訳ございませんでした!」
これは……六花が喋ってくれない限りダメだな。
六花も今はほっといて欲しいのかもしれないし。
時間は過ぎ、午後10時になった。
昼間は予想通り、何も喋ってくれなかったし、目も合わせてくれなかった。
合わせてくれたといえば、あのナマハゲ事件ぐらいだ。
俺は疲れたので、今日は早めに寝ようかと思い、自室に向かう途中、六花から声をかけられた。
「ね、ねぇ……ちょっと話あるんだけど……」
なんか久しぶりに聞いたような思いになり、つい涙が……。
「なに泣いてんの?バカなの?」
六花ちゃんてば、反抗期なのかしらん。すごく冷たくなったね!
まぁ、だいたいの原因は俺にあるのだが…。
「それで話って何?」
「あ、あのさ……なんで亜美ちゃんと付き合ったの?」
六花の様子が少しおかしい。
どこがおかしいか分からないが……やはりおかしい。
「なんでって……好きだからに決まってるだろ」
「……」
俺がそう当たり前のことを言った瞬間、六花は顔を伏せ、肩をプルプルと震わせている。
「な、なぁ。本当にどうしたんだよ」
「隼人のバカ……」
六花はそう言うと、自分の部屋に走って向かい、閉じこもってしまった。
なんか、泣いていたような気がする。
やっぱり美月が言っていたとおり、六花は俺のことを……。
それを今考えたところで意味もないので、俺は自室で寝ることにした。
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