俺の家には学校一の美少女がいる！

高校生

第1話 学校イチ美少女の好きな人

　俺、小鳥遊隼人はこれまで日々を平和に生きていた。 
　だが、今は違う。
　俺の家には学校イチの美少女こと夏川六花が住んでいる。
　今日もクラスの奴らから睨まれるのだろうなと自室で憂鬱になっていた朝のこと。

　「隼人、朝ご飯できたよー！早く来てー」

　「うん、わかった。先に食べてていいよ」

　六花が来てからは家事を分担しており、六花がご飯と洗濯で俺が掃除だ。
　俺はリビングに向かい、朝食を食べ終わったあと、速やかに身支度をし、六花と一緒に学校へ向かったのだった。
　
　登校中、ふと六花が立ち止まった。
　俺は何事かと六花の方を見た。

　「六花、急に立ち止まってどうしたんだ？」

　六花は少し顔を紅潮させ、上目遣いで俺を見た。
　ドキドキ。
　やっばい！超可愛い！と、思っているときにだった。

　「……は、隼人はさ……す、す好きな人とかいるの…？」

　「……え？！急にどうしたの？！」

　「い、いや……ちょっと気になっちゃったから…」

　六花は俯いたまま、手をモジモジさせていた。
　俺は今、特に好きな人とかいなかったため、そのことを伝えると、

　「ほ、本当に？！」

　となぜか嬉しそうに顔を上げて言った。
　なんだったんだろ？俺の好きな人を聞いて何か得でもあるのだろうか？
　一応、俺も六花に好きな人がいるのか聞いてみた。

　「六花には好きな人いないのか？」

　「ひぇっ？！」

　瞬間、六花は肩をビクリと震わし、また、俯いてしまった。
　そして、耳まで真っ赤になった六花はギリギリ聞こえる声で言った。

　「……い、いいるよ……」

　「へぇー、その好きな人は誰なの？」

　ますます耳が赤くなったように見えた。
　そして、顔を上げ...

　「ないしょ！！！」

　めっちゃ顔が赤かった。俺は一瞬熱でもあるんじゃないか？と思い、

　「そのまえに顔が真っ赤かだけど、熱でもあるんじゃ……」

　「隼人のバカー！！！」

　なぜか怒られた。
　そして、六花は逃げるように走っていった。

　「俺、なんか悪いことでも言ったかな？」

　考えてはみたが、どうにも思い当たる節が見つからなかった。ふと、スマホの時計を見たら、やばい！遅刻する！
　俺は急いで学校に向かった。