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第6話 二人のそれからそれから…
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こんなことを言うと、夢見がちって思われちゃうかも知れないけど、処女を喪失する時って言うのは、もっとロマンチックなものなんだと思っていた。
大好きな人に愛を囁かれながら、雰囲気のあるシチュエーションで、最初はちょっと怖かったり痛かったりしながらも、相手に気遣われて、愛される満足感に満たされた気持ちで段々と身体が快感を感じるようになって…みたいな…。
…けれど、私の"初めて"…は、処女喪失は、全然そんな感じではなかったんだ…。
「…可愛いね。大好きだよ。もっともっと沢山可愛い声、聴かせて…?」
愛を囁かれていない訳ではない…けど……。その状況はあまりにもあんまりで特殊過ぎた。
アイザックに、怪しいお薬を飲まされ前後不覚にさせられた私は、頭の中はふわふわに、身体はむずむず疼くように火照らされてしまって、訳が分からない状態で、訳が分からないまま"初めて"を奪われてしまったのだ…!
そんな状態での"初めて"は、痛みなんてものは何にもなく、ただただ頭がおかしくなるくらいに気持ちが良かったことだけが頭に残っている。
どうして彼がそんなことをしたのかと問い詰めた所、薬と快楽ですっかり蕩け切った私に、アイザックは自分が知りたいことをあれやこれやと問いかけ、異世界の情報を収集していた…と言うことだったのである。
「飲ませた薬が自白剤みたいなものなら、それで前後不覚にして話を聞き出せばいいんだし…、えっちなことをする必要はなかったよね!?」
その後、少しだけ冷静になった私がそんな風にアイザックに食ってかかると、アイザックは「ああ、それね」なんて軽い調子で答えた。
「僕がキミを気に入ってるのは本当だしさ。気に入った相手のことは何でも知りたくなるものだろ?だから、確かめたかっただけだよ」
「た、確かめ……!?」
「ほら、触り心地とか…匂いとか…味とか…」
言ってることはとんでもないのに、余りにも大真面目に言うものだから、こっちの方が恥ずかしくなってしまう…!!
「本当は最後まではする気はなかったんだけど、キミのこと見てたら歯止めが利かなくなっちゃったんだよね」
良い歳をした大人の癖に「えへへ」みたいな顔をしてくる。
「か、可愛く言っても駄目!!!そんなの犯罪だからね!?」
「でも最終的にはキミから求めて来てたし合意だよね?何の問題もないでしょ」
「私、最初に薬盛られてるんだけど!!!!?」
アイザックは全く悪びれる様子もなく、私の頭をぽんぽんと撫でて片目を閉じた。
やってることは間違いなく犯罪者なのに、そんな仕草に思わずときめいてしまう自分のチョロさが恨めしくなってしまう…。
研究以外には無頓着なキャラらしいちょっとボサついた髪も、けだるげなジト目なのにちょっとツリ目気味なとこも、傍若無人でマイペース過ぎる性格も、終わってる倫理観…………はさておき、やっぱり私が大好きだったキャラクター本人なんだもんなぁ…!!
乙女ゲーム『黄昏のソルシエール』は全年齢対象のゲームだからエッチシーンなんてなかったのだけれど、もし18禁ゲームだったらこんな展開だったかも知れない…と思ってしまうくらいには、解釈が一致してしまうのも悔しい。
そして、そんな風に彼が私にしていたことを知ってしまった後、"普通"とは到底言えないまでも、お互いの好意を確認し合った私たちは恋人同士としてお付き合いをすることになった。
薬を盛られて、犯された上に、丸め込まれて付き合うことになるなんてどうかしてるって言われたら確かにそう…。私の方が頭がおかしい人扱いされそうだとは思う……。私もそう思う…。
(でも、仕方ないじゃない…。もともと好きだったキャラクターなんだもん……。好きとか愛してるなんて言われたら、嬉しくないわけないよ!)
アイザックは、私の前世の世界に相変わらず興味津々で、彼がこのまま魔法と科学の研究を続けていけば、いずれあっちの世界とこちらの世界で行き来出来る魔法…なんてものも開発してしまうかも知れない!
そうなったら彼の好奇心が次にどんな風になってしまうのか、私には想像も出来ない…けれど……。もうしばらくは、このハチャメチャな彼に振り回される日々を楽しんで行こうって思う。
ゲームにはなかった18禁恋愛ルート。私には刺激的過ぎる展開の連続なのは確かだけど、原作ゲームで見たことがないようなアイザックの色んな表情や姿を見られるなら、私だってもっと見て見たいんだもん!
そう考えれば、これから先に待ち受けているだろう波乱万丈な日々も、ちょっと楽しみになっているチョロい私がいるのだった。
大好きな人に愛を囁かれながら、雰囲気のあるシチュエーションで、最初はちょっと怖かったり痛かったりしながらも、相手に気遣われて、愛される満足感に満たされた気持ちで段々と身体が快感を感じるようになって…みたいな…。
…けれど、私の"初めて"…は、処女喪失は、全然そんな感じではなかったんだ…。
「…可愛いね。大好きだよ。もっともっと沢山可愛い声、聴かせて…?」
愛を囁かれていない訳ではない…けど……。その状況はあまりにもあんまりで特殊過ぎた。
アイザックに、怪しいお薬を飲まされ前後不覚にさせられた私は、頭の中はふわふわに、身体はむずむず疼くように火照らされてしまって、訳が分からない状態で、訳が分からないまま"初めて"を奪われてしまったのだ…!
そんな状態での"初めて"は、痛みなんてものは何にもなく、ただただ頭がおかしくなるくらいに気持ちが良かったことだけが頭に残っている。
どうして彼がそんなことをしたのかと問い詰めた所、薬と快楽ですっかり蕩け切った私に、アイザックは自分が知りたいことをあれやこれやと問いかけ、異世界の情報を収集していた…と言うことだったのである。
「飲ませた薬が自白剤みたいなものなら、それで前後不覚にして話を聞き出せばいいんだし…、えっちなことをする必要はなかったよね!?」
その後、少しだけ冷静になった私がそんな風にアイザックに食ってかかると、アイザックは「ああ、それね」なんて軽い調子で答えた。
「僕がキミを気に入ってるのは本当だしさ。気に入った相手のことは何でも知りたくなるものだろ?だから、確かめたかっただけだよ」
「た、確かめ……!?」
「ほら、触り心地とか…匂いとか…味とか…」
言ってることはとんでもないのに、余りにも大真面目に言うものだから、こっちの方が恥ずかしくなってしまう…!!
「本当は最後まではする気はなかったんだけど、キミのこと見てたら歯止めが利かなくなっちゃったんだよね」
良い歳をした大人の癖に「えへへ」みたいな顔をしてくる。
「か、可愛く言っても駄目!!!そんなの犯罪だからね!?」
「でも最終的にはキミから求めて来てたし合意だよね?何の問題もないでしょ」
「私、最初に薬盛られてるんだけど!!!!?」
アイザックは全く悪びれる様子もなく、私の頭をぽんぽんと撫でて片目を閉じた。
やってることは間違いなく犯罪者なのに、そんな仕草に思わずときめいてしまう自分のチョロさが恨めしくなってしまう…。
研究以外には無頓着なキャラらしいちょっとボサついた髪も、けだるげなジト目なのにちょっとツリ目気味なとこも、傍若無人でマイペース過ぎる性格も、終わってる倫理観…………はさておき、やっぱり私が大好きだったキャラクター本人なんだもんなぁ…!!
乙女ゲーム『黄昏のソルシエール』は全年齢対象のゲームだからエッチシーンなんてなかったのだけれど、もし18禁ゲームだったらこんな展開だったかも知れない…と思ってしまうくらいには、解釈が一致してしまうのも悔しい。
そして、そんな風に彼が私にしていたことを知ってしまった後、"普通"とは到底言えないまでも、お互いの好意を確認し合った私たちは恋人同士としてお付き合いをすることになった。
薬を盛られて、犯された上に、丸め込まれて付き合うことになるなんてどうかしてるって言われたら確かにそう…。私の方が頭がおかしい人扱いされそうだとは思う……。私もそう思う…。
(でも、仕方ないじゃない…。もともと好きだったキャラクターなんだもん……。好きとか愛してるなんて言われたら、嬉しくないわけないよ!)
アイザックは、私の前世の世界に相変わらず興味津々で、彼がこのまま魔法と科学の研究を続けていけば、いずれあっちの世界とこちらの世界で行き来出来る魔法…なんてものも開発してしまうかも知れない!
そうなったら彼の好奇心が次にどんな風になってしまうのか、私には想像も出来ない…けれど……。もうしばらくは、このハチャメチャな彼に振り回される日々を楽しんで行こうって思う。
ゲームにはなかった18禁恋愛ルート。私には刺激的過ぎる展開の連続なのは確かだけど、原作ゲームで見たことがないようなアイザックの色んな表情や姿を見られるなら、私だってもっと見て見たいんだもん!
そう考えれば、これから先に待ち受けているだろう波乱万丈な日々も、ちょっと楽しみになっているチョロい私がいるのだった。
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