乙女ゲームの世界に転生したけど推しのルートじゃなかった件

夜摘

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第4話 屋上での秘め事

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 昔遊んだ乙女ゲームの世界に入ってしまったかも知れないと言うだけでも大変なのに、さらにそれが推しじゃないキャラの確定ルートだった上に、自分なりの誠意として彼とは結ばれないように立ち回ろうとしたら、何故かゲームにはなかった展開に突入してしまったりして…。
 卒業式後の学校の屋上にて。今、私は、昔遊んだ乙女ゲームの攻略キャラクターの一人である水嶋雪人みずしまゆきとによって、いわゆる"壁ドン"をされた状態で、濃厚なキスをされてしまっていた。
 しかも、それはキスだけでは終わらなかった。
 片手はまだ押さえつけられたままだったけれど、いつの間にか水嶋くんの片手は私の制服のブレザーのボタンを外し、ブラウスのボタンを外してしまっていた。ブラススの前が開かれ、薄いピンク色のブラジャーが見えてしまっている。
 リアル恋愛の経験は少ない私だって、さすがにこれがどういう意味なのかわからないはずがない。

「…っっ…!……だめっ、水嶋く…、…待っ…て…」

 少し肌寒さを覚えるような素肌が空気に晒される感覚に、慌てて水嶋くんの手を制止しようと片手で掴むけれど、私の手よりもずっと大きくてゴツゴツとした男の人の手は、少しも止められない。

「…待たない。…むしろ、もうずっと待ったくらいだ」

 言葉だけなら淡々とした…素っ気なくて、冷たいような言い方なのに、その声には切羽詰まったような余裕のなさと、興奮しているような熱が籠っている気がして、少し戸惑ってしまう。

「…え…。…あっ…」

 思わず動揺する私を無視して、水嶋くんの手はブラジャーの中へと差し込まれ、直に私の胸を揉み始める。

「…っあ、…やっ……ダメ…だってばっ…!」

「駄目じゃない」

 私は、もぞもぞと自分の胸元で動く水嶋くんの手と、そのくすぐったいような刺激から少しでも逃れようと思わず身を捩るけれど、そんな些細な抵抗すら許さないと言わんばかりに、水嶋くんは再び無理やりに唇を重ね、貪るような激しいキスで私の思考を奪ってしまう。

「んっ…!…んぅ……」

 水嶋くんの舌の動きに口内を犯されて、自分の意思とは関係なしに身体がびくびくと跳ねる。

「っぁ、っ…やぁっ…ぁんっ…!」

 胸を弄る水嶋くんの手は、最初はやわやわと優しく乳房を揉んでいたけれど、その指先が胸の先端に触れた瞬間に、私の身体に痺れるような刺激が全身を走って、口からは無意識に恥ずかしい声が零れてしまった。
 それは自分でも信じられないくらいに甘ったるい声で、自分でも驚いてしまう。

「っっっ……」

 そんな声を出してしまったこと、水嶋くんに聞かれてしまったことに自分の顔が羞恥で赤く染まるのがわかった。
 体中が熱くて、むずむずして仕方がないのに、それ以上に顔が熱い…!!

「そんなヤらしい声出したら、余計に止められなくなるだろ」

 水嶋くんは、私の耳元でそう囁くように言いながら、指で私の乳首をピンピンっと弾いた。

「ひゃんッ!!」  

「乳首、感じるんだな」 

「…っ、か…感じてなんて……」 

 私の弱点を見つけたとでも言うように、水嶋くんの手は止まらない。
 そのままこすこすと乳首を擦ったり、くにくにとこねくり回してくる。

「…やっ、…あ、…んっ…んんっ…!」

 だんだんと乳首が硬くなって行くのが自分でもわかるし、そうなる程に触れられて身体に走る刺激も強くなっている気がする…!
 恥ずかしい声が我慢できなくなってしまい、私は必死で唇を噛んで声を殺そうとしているのに、水嶋くんの指はどんどん激しくなっていく。

「声、我慢しなくていいから」

 もうすっかり抵抗なんて出来なくなってしまっている私を見透かしているみたいに、水嶋くんはもう両手で私の乳首を虐め始めてしまった。
 ブラジャーはずるりとずり下ろされ、露出した乳房を彼に凝視されてしまう。
 水嶋くんは熱っぽい眼差しで私を見て、ごくりと息を飲んだみたいだった。
 何かを言われてもきっと恥ずかしくて困ってしまうけれど、何も言わないのも何だか怖いよ…!

「…っ……見ちゃだめっ…!」

 こんな姿を誰かに見られたことなんて当然これまでなかったし、何より彼の愛撫とキスにとろけさせられたせいでピンっと立ち上がって自己主張する乳首が恥ずかしくて、逃げ出してしまいたくなる。

「だめっ…だめだってばぁっ…!…みずしま、く…っ……こんなとこ、誰かに見られちゃったら……」

 いくら今日が卒業式の後で校内に人は多くないとは言え、教員だって生徒だっていない訳ではない。ゲームではそりゃあ、ゲームだから都合よく二人きりだったけれど、今の私にとってはこの世界は夢でもゲームでもなく現実と変わらないもので…。
 いつ誰が屋上に上がってきてしまうかわからない。
 学校の屋上なんて場所で、こんなえっちなことをされてしまっているところを見られてしまったら…なんて考えると背筋が寒くなってしまう…。
 なのに…。

「…そうだな…。萌黄が俺のモノだって、他のやつにも見せつけられるなら…それも良いかもな?」

「…!?……そっ…そんなめちゃくちゃな……」

 水嶋くんがそんな風にとんでもないことを言いだしてしまったものだから、私はさらに慌ててしまう。
 水嶋くん、もう完全に冷静じゃないよね????これ!?
 いくら卒業した後だからって、こんな場所でこんなことしてたら大問題になっちゃうよぉ!?

「待ってっ…水嶋くんっ……ほんとにっ…落ち着いて…っ」

「お前さ…そう言うの、逆効果だってさっきも言ったろ…」

 水嶋くんは真っ直ぐな視線でまた私を見つめながら、ぺろりと舌なめずりをした。
 その仕草が妙に色っぽくて、思わずドキっとしてしまった私のその一瞬の隙をつくように、水嶋くんの私への責めは再び再開されてしまう。

「きゃうっ…!!!…あっ、やぁんっ…!…だ、ダメだってばっ…ふぁっ…!」

 水嶋くんは今度は私の胸に顔を近づけ、乳首に唇を寄せるとちゅうっと強く吸い上げて来た。
 しかもそれだけではなく、舌先でちろちろと乳首を舐めたり、舌でぐにぐにと押しつぶすように圧迫したり、時折カリっと歯を立てて甘噛みしたりしてくる…!

「ひにゃっ!!…あっ!…やっ!…らめっ……むねっ…、そんなに…やらぁっ…」

 片方の乳首は唇と舌で、反対側の乳首は指でくりくりくにくにと虐められる。
 ひたすらに激しくねちっこい乳首責めに、私は立っていられないくらいに感じてしまう。
 弄られているのは胸だけで下半身なんて触られても居ないのに下腹部の奥がジンジン熱くて、脚をもじもじとさせてしまう。
 刺激から逃れようと必死に体を反らすけれど、背後は壁だから逃げる事なんて出来ずに、ただただどんどん激しくなる水嶋くんの愛撫に身悶え、甘ったるい喘ぎ声を漏らすことしか出来なかった。
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