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前編

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秋の夕暮れの空に透き通る声が大気に金平糖のように溶けていく。爽やかな甘さはゆっくりと広がっていく。そして、誰もが押し黙った。

たった一人、ステージに立つことすら許されなかったレイチェル。嫌われ者のレイチェル。怒らせれば世にも恐ろしい目に遭う神様との決まり事を破ったレイチェル。それでもその不満にただただ今だけは共感する。

なんという技術、なんという感性。このような乙女が舞台に立つことが出来ないという理不尽が許されるだろうか。今ここでその高慢は気高さとなった。

最後の音が奏でられる。名残惜しく、でも完璧に。今この時に立ち会ったことを誰もが誇りに思うだろう。誰もが高慢だったのが、見下していたのが自分自身だと気がついた。彼女はあんなにも尊く、貴い公爵令嬢。

人の心を浄化し正しく導く精霊の福音。その霊威を前にして、生きとし生けるものは誰もが膝をついた。

光が降りてくる。煌めく光が、

遥か

高き

空の

彼方から

天上より差し伸べられし神の御手にただ一人立ち尽くすレイチェル。

支配者が去った後、頭を上げた人々は見るだろう。正しく生まれ変わった、新しいレイチェルを。



恨み辛み憎しみ。私のゆく道を歪めるありとあらゆるものを神は引き取って下さった。今はただ軽くなった体を動かすことが楽しくて仕方がない。

可愛いあの子の手を取って、踊ってあげるのも私の自由。

曾祖母と同じストロベリーブロンドの髪をなびかせて、愛しい娘と愛を交わす。

ママ、という声が聞こえた気がした。振り返るとミッシェルがいた。

あの子もまた私と同じくあの愚鈍で狡猾かつ卑怯で無責任な親の元に生まれた可哀想な子だと思う。

私は大切なものを奪われた、育っための力も。
彼らの快楽のために。

あの子は辛く苦しい運命を負った。
彼らの快楽のために。

ライオンの食べ残しをジャッカルがハゲタカが狙っている。私は、人間だ。だから、妹がそれらに傷つけられることを見過ごすなんて、決してしない。

「あなたも一緒に行こう、可愛い妹。」

鈴のなるような、という声を私はこれまで聞いたことがなかった。伸びやかなそれは騒がしくなった広場に不思議な程に響き渡った。

周りを振り払おうと暴れるミッシェル。余程強く掴まれたのだろう。その顔は苦く歪んでいる。仕方の無い子だ。

私は彼女を、、、



ーーーーーーーーーーー

ここまで書いて、キャラ設定と自分の感情が矛盾して続きが書けない。
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