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第一人格シンシア(改稿)

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皆様申し訳ございません人格の名前を取り違えました。
変わったのは名前だけでないように変更はございません。
申し訳ありませんでした。
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突き抜けるような青空も、眩しい太陽も、爽やかな風も私を慰めることはできない。
私は、
目の前にいるかつて同級生だった女達はわざわざ私を探し出して侮辱しに来たのだ。
私のことなんてどうでもいいくせに、なんの価値もないくせに。

「あら、貴女の目は赤ね?まるで血のようだわ。気持ち悪い。もしかして、何か呪いを受けているのかしら?」



この女は、自分の目と髪の色のことを言っているのだろうか? 今更すぎる。確かに、この国では珍しい色だけれど…… でも、だからといってこんな風に言われる筋合いはないはずだ。

「そういえば貴女の本当のお母さまって、あの"魔女狩り"で処刑されたんでしょう?それも、異端審問官に拷問されて殺されたんですって!ねぇ、一体どんな気分なのかしら!?」

ミリアの隣から声がとんだ。
私は思わず息を呑んだ。
アレッサだ。
今は辺境伯夫人として北にいるはずだけどどうして。
モスグリーンの露出の少ないドレスは他に紛れて気がつくことが出来なかった。何せパッと見20はうるさい虫がいるもので。
すっかり平凡な貴族のご婦人である。

"魔女狩り" それはこの国の歴史において最も忌むべき出来事の一つだ。
私が生まれる10年前から魔物が急増しじわじわと人間の生活圏が犯される状況になった。
なんてことは無い自然現象だが、人間はそれに理由を求めた。
そして、賢いからムカつく邪魔な女がひとひ、またひとりと様々な町で、村で惨たらしく殺された。
私が生まれた頃にはついに王都内でと魔女裁判が行われていたという。

それが妹の誕生と共に終結したというのだから崇められるのも納得である。あの金髪碧眼のビスクドールは精霊様のお気に入りだ。

私の母はその犠牲になった。
異端審問官達に捕らえられ、拷問の末に命を落としたのだという。

だが、それはまったくもって事実ではない。成人の際に縁を切ったメアリー・レオナルド=ジュブァの腹から生まれてきたことをわたしははっきりと覚えている。

この話が出たのはいつ頃だっただろうか?
そんなことはどうでもいい。今はこの状況にどう対処するかが大切だ。

ちなみにこの赤い瞳は今は亡き祖母の遺伝だそうだ。
祖母は遠い国の姫君だったが傲慢な性格が祟って追い出されるようにこの国に嫁がされたという。知性ある女性はこの国では嫌われ者だ。

私はただただ微笑んで、曖昧に受け流すことに専念することにした。習った通り、片手で赤ワインを弄びながら。

そうするとしばらくして、何を思ったのか
「まぁ!!それじゃあ今の状況は地獄でしょうね!魔女が生んだ女悪魔であるあなたが神聖なる精霊師に囲まれているのですから!!」
そう述べるものまで現れた。多分こいつは男爵夫人。
「でも、貴女が悪いのよ!私の大切な婚約者を奪った貴女が悪いの!」………… 私は黙っていた。既婚者じゃなかったっけ。
この人たちと最後に会話・・をしたのはいつだったか。ら

だって、何を言ってもこの人達は聞く耳をもたないもの。それにしても婚約者を奪ったというのは誰の話をしているんだろうか。
私の婚約者だった人は一人余っていたシルヴァン辺境伯の三男坊。あのケダモノが恋人と結婚するために婚約破棄されていた。
ちなみに、こいつは元婚約者の恋人ですらない。

面倒に巻き込まれ損ね。まあ、あいつの孤独を癒してくれるやつが現れたのは喜ばしい事だったのかもしれない。

「ちょっと無視しないでもらえるかしら!これじゃあ私が一方的に悪いみたいじゃない!!」……これは少し面倒臭いことになってきた。これ以上刺激するべきではないだろうけど、向こうはまだこちらに対して優位に立っており、このままだと物理的に手出しをされる危険がある。
そうすると王宮からの脱出が遠のく。
ここは思い切って反撃に出ることにしたほうが良さそうだ。
私は手に持ったグラスを傾ける。すると、王女側の令嬢の1人が私に手を伸ばし、グラスを掴んだ。

「何をする!!!」
「ワインの香りを楽しんでいただけでしてよ。」

「いいえ。あなたは私たちにワインをかけようとしていたわ」

「まさか!」

少し煽ればすぐぼろを出す。あとは適切に可哀想なご令嬢を演じるだけ。
でも騒ぎを聞きつけたのだろう公爵様が止めに来たので大した反撃もできなかった。残念。お茶会はまだまだこれからなのに、
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