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本編
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どうして、私ばっかりこんな理不尽な目に遭うの?
なぜ、私の手柄がミッシェルのものになるの?なぜ、私はお父様やお母様に愛してもらえないの? そんなことばかり考えてしまう。
私には妹がいる。
私と違って、優秀な妹だ。
勉強も運動もできて、容姿端麗で性格もいい完璧な妹。両親と同じ獣人族として生まれてきた妹。
両親からも愛されている。
それに比べて、意味があるとは思えない。
お姉ちゃんだからって妹より優秀でなければいけないだなんて誰かがいった。
自分の過去を見ているようで不快だと女は言った。
自分の子とは思えないと男は言った。
自分の血を確かに次ぐ子供を王家に嫁がせたくない?知ったこっちゃない。そもそも、この婚約だって妹のわがままだ。
あの子が「お兄様のお嫁さんになりたい」とか言うから、、、。
私がどれだけ努力したと思っているんだろう。
私がどれだけ我慢していると思っているんだろうか。
私はずっと前からお父様とお母様と話がしたいと思っていた。
でも、できなかった。
私は妹が嫌いだった。
可愛くないし、わがままだし、人の気持ちを考えられないような子だ。
そんな子と姉妹だと思うだけで吐き気がする。
私は、レイチェル・アルダートン公爵令嬢。
アルダートンの次期当主。
でも、かくあれかしと望まれるのはいつだってミッシェルだ。
もう全部見捨ててしまおうかと思うこともある。
でも、世の中そんなに甘くない。一度ついた悪評はなかなか消えてくれないし、それに、ここで逃げたら本当に何もかも嫌になって自暴自棄になってしまいそうだ。
だから、まだ頑張れる。
「おはようございます!お姉様!」
朝起きて着替えている最中、勢いよく部屋の扉が開かれた。
ノックくらいしたらどうなのかしら?
そう思いながら振り返るとそこには妹のミッシェルがいた。
その後ろに侍女もいるけれど、彼女は苦笑いを浮かべていた。
「おはよう、ミッシェル。いきなり部屋に入るのは失礼よ?」
「あら、ごめんなさい。でも、今日はお姉さまにいいお話があるの。」
この手のいい話が本当にいい話であったためしはない。大体ろくでもないことだ。
例えば、
「私ね、婚約者ができたの! しかも、それが王子様なんだよ!」
大した問題じゃない、むしろ名誉なことではないかと思うかもしれない。
両親と領内で会う人会う人に言われるのだ、悪女がいるから聖女様が故郷に居つかないと。でも、それは仕方ないことだと私は思っている。
だって、彼女がそういう行動を取っているから。
彼女の行いが悪いからこうなっている。
それをわかっていてなお、彼女を擁護する人が多いことが理解できない。
「へえ……よかったわね……」
それだけ言って私は部屋を出た。
おめでとうとは言えなかった。
今度は何を言い出すのだろう?
「お姉さま、今日から王宮に住み込みすることになったわ。」
「そう、、、」
「私頑張るから、結婚式には絶対来てね。ドレスが無くても装飾品が無くても私が用意するから。」
いつからこんなことを言うようになったのだろうか。そういえば、先日王宮から新しい家庭教師が送られてきた。婚約者に最高の教育をと言っていたが本気だったとは。有難い話だ。
「レオナルド王子と家庭教師、レイブンとおっしゃっていたかしら?にくれぐれもよろしくね。いい?ちゃんとお勉強して自分の力で幸せをつかむのよミッシェル。」
なりたて淑女の微笑みとともに妹は了承し去っていった。きっと彼女はもう大丈夫。
「お幸せに!」
部屋から飛び出し思い切り叫んだ。振り返った彼女の目が今にも零れ落ちそうだ。そばについていた侍女、よく見れば彼女もまた王子がよこしたのだろう、も信じられないようなものを見るような目でみている。
さわやかな朝の光が差し込む廊下で私たちはただ見つめ合った。
「いってまいります。」
そういって今度こそミッシェルは我が家を立ち去った。
仲良くなれそうな矢先にお別れか、寂しい話。まあ、でもこれでようやく終わるのかしら?
いいや、むしろこれからが始まりだったことを私はのちに知ることになる。
なぜ、私の手柄がミッシェルのものになるの?なぜ、私はお父様やお母様に愛してもらえないの? そんなことばかり考えてしまう。
私には妹がいる。
私と違って、優秀な妹だ。
勉強も運動もできて、容姿端麗で性格もいい完璧な妹。両親と同じ獣人族として生まれてきた妹。
両親からも愛されている。
それに比べて、意味があるとは思えない。
お姉ちゃんだからって妹より優秀でなければいけないだなんて誰かがいった。
自分の過去を見ているようで不快だと女は言った。
自分の子とは思えないと男は言った。
自分の血を確かに次ぐ子供を王家に嫁がせたくない?知ったこっちゃない。そもそも、この婚約だって妹のわがままだ。
あの子が「お兄様のお嫁さんになりたい」とか言うから、、、。
私がどれだけ努力したと思っているんだろう。
私がどれだけ我慢していると思っているんだろうか。
私はずっと前からお父様とお母様と話がしたいと思っていた。
でも、できなかった。
私は妹が嫌いだった。
可愛くないし、わがままだし、人の気持ちを考えられないような子だ。
そんな子と姉妹だと思うだけで吐き気がする。
私は、レイチェル・アルダートン公爵令嬢。
アルダートンの次期当主。
でも、かくあれかしと望まれるのはいつだってミッシェルだ。
もう全部見捨ててしまおうかと思うこともある。
でも、世の中そんなに甘くない。一度ついた悪評はなかなか消えてくれないし、それに、ここで逃げたら本当に何もかも嫌になって自暴自棄になってしまいそうだ。
だから、まだ頑張れる。
「おはようございます!お姉様!」
朝起きて着替えている最中、勢いよく部屋の扉が開かれた。
ノックくらいしたらどうなのかしら?
そう思いながら振り返るとそこには妹のミッシェルがいた。
その後ろに侍女もいるけれど、彼女は苦笑いを浮かべていた。
「おはよう、ミッシェル。いきなり部屋に入るのは失礼よ?」
「あら、ごめんなさい。でも、今日はお姉さまにいいお話があるの。」
この手のいい話が本当にいい話であったためしはない。大体ろくでもないことだ。
例えば、
「私ね、婚約者ができたの! しかも、それが王子様なんだよ!」
大した問題じゃない、むしろ名誉なことではないかと思うかもしれない。
両親と領内で会う人会う人に言われるのだ、悪女がいるから聖女様が故郷に居つかないと。でも、それは仕方ないことだと私は思っている。
だって、彼女がそういう行動を取っているから。
彼女の行いが悪いからこうなっている。
それをわかっていてなお、彼女を擁護する人が多いことが理解できない。
「へえ……よかったわね……」
それだけ言って私は部屋を出た。
おめでとうとは言えなかった。
今度は何を言い出すのだろう?
「お姉さま、今日から王宮に住み込みすることになったわ。」
「そう、、、」
「私頑張るから、結婚式には絶対来てね。ドレスが無くても装飾品が無くても私が用意するから。」
いつからこんなことを言うようになったのだろうか。そういえば、先日王宮から新しい家庭教師が送られてきた。婚約者に最高の教育をと言っていたが本気だったとは。有難い話だ。
「レオナルド王子と家庭教師、レイブンとおっしゃっていたかしら?にくれぐれもよろしくね。いい?ちゃんとお勉強して自分の力で幸せをつかむのよミッシェル。」
なりたて淑女の微笑みとともに妹は了承し去っていった。きっと彼女はもう大丈夫。
「お幸せに!」
部屋から飛び出し思い切り叫んだ。振り返った彼女の目が今にも零れ落ちそうだ。そばについていた侍女、よく見れば彼女もまた王子がよこしたのだろう、も信じられないようなものを見るような目でみている。
さわやかな朝の光が差し込む廊下で私たちはただ見つめ合った。
「いってまいります。」
そういって今度こそミッシェルは我が家を立ち去った。
仲良くなれそうな矢先にお別れか、寂しい話。まあ、でもこれでようやく終わるのかしら?
いいや、むしろこれからが始まりだったことを私はのちに知ることになる。
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