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022 『二人で寝る夜』

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 眼鏡を取ったアリシアは、そっとベッドの中で王子の手を取った。





「ルーイ様、先程の体勢にならなくて良いのですか?」





「……ならなくていい」





 そう言って、手だけを繋いでベッドに横たわる。





「今日から寝室を一緒にしますか?」



「……そうだな」



「週に何回?」



「……毎日」



「毎日ですか?」



「……夜は暗いから毎日。昼は明るいが毎日。そうやって毎日毎日を過ごして行く」



「分かりました。穏やかそうな日々ですね」



「そうだな」



「王都に戻るその日までですか?」



「……王都には戻らぬ」



「戻りませんか」



「辺境で過ごし、辺境で朽ちる」



「そうですか。ではその日々にお付き合いをいたしましょう」



「金貨を貰って、森の奥で隠居するのではなかったか?」



「それはお仕事を全うした後です。やるべき事は全てやろうと思っています」



「お前は外から見ると、辺境伯の遠縁の家庭教師兼夜の相手という立場だぞ」



「……今までにない、色っぽい立場ですね?」



「内から見ると、ただの教師バカだな」



「本望ですね」







 王子が静かに寝息を立て始めると、アリシアはその金色の髪をそっと撫でた。

 殺され掛けた人間が、生きることと戦っている。

 アリシアはそんな人の杖になりたかった。





 生きる事を諦めるのは、人間の特権のように言われているけれど。

 犬も猫の時には蛇にも、そんな時はある。





 悪意を向けられた時。

 親しい人が死んでしまった時。

 病気になった時。





 苦しい時、人も動物も爬虫類でさえ、生きる事を諦めてしまう。

 哀しい瞬間だと思う。





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感想 2

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みんなの感想(2件)

スパークノークス

お気に入りに登録しました~

解除
音歌
2021.07.28 音歌

これは承認してくださらなくていいです。

今日見つけて、一気読みしてしまいました!
主人公がこれからどうやって王子に幸せを教えるのか気になります。
続きが楽しみです!((o(´∀`)o))ワクワク

7話と9話が同じ物が投稿されているようなので、確認お願いします。(_ _)

解除

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