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『ヒール214』

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『ヒール214』



 サリオス視点


 トレイルの野郎のせいだ。
 世界最強のパーティーであるオレを騎士団に送った、ふざけるな。
 ゲオルギウスの町や竜人族の町は、アルタグラシア国にある。
 その国の中心都市が王都と呼ばれており、最大の都市。

 王都にある騎士団本部、国中にある騎士団支部をまとめる総本部だ。
 今は騎士団の団長と調査員が来ると。
 オレやムジカとジェンティルに厳しい質問をするらしい。
 椅子に座らされる。
 テーブルがあり、反対側に騎士団団長と調査員の男だ。

 オレに質問をしてきて、まずはゲオルギウスの町の領主だった。
 領主かよ、今さら知らないと言い張ればいいだろう。
 領主は単なる支配欲のある小さな人間だ。

 自分が町で一番偉いのだと思うことで、カタルシスを得る。
 町の人を自分よりも地位の低い人だと思うのが、なによりも好きな男だ。
 オレも領主ライゴッドは使ったな。
 領主は自分よりも弱い人には強く出るが、自分よりも強いオレには逆らわないからだ。

 オレは勇者だからな。
 だから領主の立場を利用して、貴重なアイテムを好きに手にしたし、ギルドにも圧力を加えられた。
 多少の面倒なこと、例えば雑用係が不満を追放したりした時、雑用係の口封じも頼んだ。

 他にも色々と領主は使ったが、すべてはオレが最強の勇者になるためのもの。
 領主も理解していだろう。
 調査員は領主ライゴッドについて聞いてくるが、オレは全ての質問を無視しておいた。

 別に答えることもないのは、領主ライゴッドが口を割ることはないと断言できるからな。
 当然だ、口を割るということは、奴はオレを敵にまわすことを意味する。
 そんなバカな奴ではない。
 心配は要らない、領主は大丈夫だ。

 オレを裏切る真似はしない。
 えええええっ、待てよ、領主か?
 お前はライゴッドだよな、なぜここに来たんだ?
 来る必要ないだろ。
 ライゴッドはオレが後ろにいるから、安心して領主をしろと言った。

 バカか!
 なぜ正直に話すのか、お前を領主にしてやったのはオレだが、それを話したらオレを裏切るのだぞ。
 領主ライゴッドは、オレを見ているが、オレを恐れていないように見えた。

 バカか、オレのことを話すのは、何も利益がないぞとオレは、領主に向かって言った。
 奴は今の一言でビビるだろう。
 当然だ、勇者のオレにケンカを売ったら、ただで済むわけないのは誰でもわかる。

 じゃあなぜ領主はオレに支持されて領主になれたし、オレから命令されていたなんて話したのか?
 裏切るのでなくて、騎士団から脅されたのだな。
 オレに命令されて、後ろから動かされていたと、脅されたのだ。

 あはははははははは、領主よ、恐れずにしたらいい、騎士団なんて信じるな。
 オレを信じろよ、騎士団と勇者のオレをどちらが強いかと考えたらわかるだろ。
 オレは今は精霊の加護はなくなったのは確か。

 しかしそれは今の話であり、直ぐに別の方法もある。
 精霊以外の神の加護だってあり得る。
 トレイルだって魔王の加護を受けたのだからな。
 領主ライゴッド、オレを信じて、騎士団に言ってやれ。

 騎士団こそ気をつけろとな!
 ええっ?
 オレを牢獄に入れる?
 待てよ団長。
 領主になんて命令した?
 何も命令してない、領主はすべて話したと。

 オレが全てを後ろから操っていたと。
 バカなっ、オレよりも騎士団を信じたのかよ領主!
 ええっ、サリオスはもう怖くないだと!
 Bランク冒険者だから。

 Bランク冒険者なら、けっこういる、珍しくはない冒険者だと!
 領主はオレに対して、軽蔑する目で、勇者からBランク冒険者になった目でオレを見て去った。

 続けてオレに対する質問は続けられて、商人ハルキストンが入って来た。
 オレた目が会うと目をそらした。
 こいつは大丈夫だ、ハルキストンは、オレの知る限り最も金に従う人間だからだ。

 商人は、全てにおいて金を優先させる。
 オレが国が管理する野草が欲しくて、商人と一緒になり、得ていた。
 さらに闇市でボロ儲けもした。
 商人が他の商人と争いなになった時は、オレが後ろにまわり、脅した。

 当然に脅された商人は手を引くだろう。
 勇者を敵にまわして何も利益がないからな。
 だから商人ハルキストンは、町の中で一番の商人に成り上がれた。
 国の中でも有数の商人に数えされるまでな。

 だから奴はオレを裏切れない。
 領主とは違い、計算高いし、頭も領主よりキレる。
 その点、領主は頭が悪かったのが欠点だったのは、オレは見逃していた。

 商人ハルキストンは安全だ。
 あはははははははは、団長よ、今度こそ、騎士団がヤバイよ。
 騎士団こそ、オレにこんなことして、後悔するぞ!!!!
 ええっ、待てよ商人ハルキストン。

 オレに騙されただって?
 何を言っているのだ、ハルキストン!
 本当はしたくもない汚い商売をさせられただと!
 よくもオレをおとしめるのを平気で言えるな。

 団長は、牢獄にいくのは確実だと言った。
 うるせええええええええええ!
 オレは勇者サリオスだぞ!
 最強の冒険者になる人物だぞ!
 覚えてろ、領主ライゴッドと商人ハルキストン。

 さらに騎士団の幹部が呼ばれた。
 正確には元幹部だった。
 奴は幹部でフォルコメンだった。
 今は騎士団を首になった人物だった。
 するとフォルコメンは、オレが領主と商人を後ろで動かして、騎士団までも操作していたと発言した。

 だから領主ライゴッドが不正をしても、騎士団は見てみぬふりをしたと。
 それもサリオスの力が影響したと言った。
 てめえ、フォルコメンよ、オレに対してその発言は、死ぬことを意味するぞおおおおおおおおお!
 商人ハルキストンと幹部フォルコメンは冷たい視線で去った。

 さらに部屋に入って来たのは、女の騎士。
 名前はミュートエアーだったか?
 トレイルとなかの良い女だ。
 するとミュートエアーは、オレがある日に精霊の泉で、Bランク冒険者50人をだまして精霊神に捧げたと言った。

 50人の証言を得ているとも。
 その精霊神の加護によって、急激に強くなり、Sランク冒険者になったと言った。
 やめろ、それは言うな、頼むから、それ以上話すな。

 もし話されると、オレの立場は危うい。
 最悪のことになり得る。
 牢獄行きでは済まないだろ。
 50人もの冒険者を精霊神に吸い取ららせたわけだから、世界中のBランク冒険者が50人も行方不明者になった。

 それは事件か何かのトラブルに巻き込まれたのではと、疑われた。
 もちろん誰もサリオスのせいだとは気づかない。
 結局は理由はわからぬまま、Bランク冒険者は行方不明者て終わった。

 そしてオレは勇者になった。
 それをすべて話した、ミュートエアー。
 やめろ、やめろ、もうやめてくれえええええええええ。
 牢獄だけじゃない?
 まさか死刑とか?

 トレイル、トレイルだ、全部トレイルが悪い、トレイルがオレを落としたのだ、このままトレイルに負けたまま済むかよ!
 必ずトレイルに仕返しするからな!
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