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『ヒール211』

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『ヒール211』


「竜神様は、人族が誇る森の王の強さを知らないのです。我々にとってはとても期待されたパーティーであるし、尊敬されているパーティーなのです」

「森の王はトレイルに負けたのは見た。サリオスはトレイルに負けたし、ムジカはエルフとドワーフの子に負けたし、魔道士は猫人と兎人に負け、つまりは3人とも負けた。完敗だったよ、とても面白い戦いであって、不機嫌がなおったのさ。それで神殿に帰るとなったのだ」

「ま、ま、ま、ま負けた。あの勇者サリオスにムジカに大魔道士ジェンティルさえも負けた……。信じるも信じないも、どうしていいかわからない……」

 竜神様からはありのまま説明してくれて俺の説明は要らないと思えるが、ミュートエアーらは、全く信用できないでいた。

 困っているミュートエアーにローズが話して、

「証拠があるのよ。困っているなら私たちのパーティーが森の王を下した証拠をお見せします」

「証拠とは?」

 ミュートエアーらは、みんなして理解していないところにローズは、

「さぁ、サリオス、ここに来なさい。みんなの前に来て全てが真実だと言いなさい」

 ローズは拘束してあったサリオスを引き連れて、皆が見てる前に出した。
 サリオスは下を向いている。
 勇者のプライドが、まだあるからだろう。
 顔を見られるのを嫌がるものの、ローズが無理に歩かせたのだ。
 ローズも結構やるよな。

 ミヤマが強引なキャラではあったが、ミヤマが顔負けくらいに感じる。

「えええええええ、サリオス!」

「サリオス本人か!」

「答えなさい」

「やめろおおおおお」

「答えなさい」

「サリオスだ」

 本物かどうか信じない空気だったのを、本人に認めさせた。

「サリオスが拘束されているなら、トレイルのいう、森の王を負かしたとなる。サリオス本人を見てもまだ信じられないですけど」

 それは当然だろうな、俺だって信じられないからな。

「ミュートエアーや皆さんは信じられないのはわかります。もっとお見せします。ムジカ、ジェンティルも来なさい」

 サリオスに続いてムジカとジェンティルも引き連れて出した。
 サリオスと同じく顔を下に向けたまま、黙っている。
 あの人を上から見ているジェンティルとは別人のようだな。

「えええええええ、ムジカとジェンティルまでいる!」

「まさか、あの大魔道士だよな!」

 ジェンティルにはサリオス以上に驚いていた。

「ジェンティルは人に頭を下げないことで有名でしたから、まさかです」

「本人ですか?」

「答えなさい」

「ムジカだ」

「ジェンティルです」

「やっぱり!」

「どうやって3人を拘束させたの。それになぜ戦うことになったのかも、わからないし。説明してトレイル」

 意味がわからないとなったので、俺が詳しく話すと、

「俺は竜神様を追っていったろ、そこまではミュートエアーもクールキャットも見送りしてくれたからわかるだろ。ドラゴンを追って馬車で町に着いた。すでに竜神様が暴れていた。俺は竜神様を静かにさせるつもりだった。するとそこへサリオス達が現れて、竜神様を倒すのを協力すると言い出した。俺は目的が一緒ならいいと思った」

「サリオスはなぜ竜神様を。竜人の剣?」

「そうだよ、オレの剣だ。竜人の剣はオレのものだ」

「まだ言ってる」

「サリオス達でも竜神様には勝てずに体力を消耗したんだ」

「勇者相手にも強いですね竜神様は」

「当たり前だ。神様だぞ」

 自慢げに話すのは竜神様の話し方だった。
 そこからは俺が魔王竜ヒールをした、精霊の加護が元に戻ったこと、精霊神が現れたのを話した。
 サリオスが加護によって強かったと判明下のを知るミュートエアーは、

「それではサリオスはトレイルのヒールで元の強さに戻ったと」

「Bランクよ、サリオスは」

「Bランク冒険者に。確かにギルドの記録ではサリオスたち森の王はBランクだった。それがある日から、突然に強くなったとありますし、異常な速度で強くなり、Aランク認定も受けた。さらに活躍していき、Sランクパーティーになったと聞きました。加護のおかげだったのは初めて聞きました、ショックです!」

 ミュートエアーだけでなく、騎士団の兵士、雷鳴の悪魔パーティーも初めて聞いたようだったから衝撃を受けていた。

「これが勇者かよって感じだなサリオスよ」

「うるせえ、竜神様が早くオレに剣になり力を貸してくれたら良かったのだ」

「もう遅いだろ」

「ひどい神様だぜ」

「神様は人族の味方とは限らないのだ」

「変な神様だ」

「証拠があります」

「また証拠?」

 ローズが再び証拠を呼ぶ。
 騎士団支部の外にいる人たちだ。
 外にいるのをローズが呼ぶと支部の中にずらずらと入ってくる。

「うあああああ、何これ?」

「凄い数の冒険者だ!」

「でも、なぜか見覚えある人もいるな?」

 クールキャットは50人の冒険者の中に顔見知りがいたらしい。
 Bランク冒険者だったので、ギルドで出会っていたも不思議はないからな
 ただ半信半疑のようだ。

「オラたちはBランク冒険者だ。サリオスに泉に沈められたのだ」

「やめろ、話すなああああああああ」

「うるさい黙れサリオス」

「あああああああああああああああああああああああああああああああ」

 うるさいサリオスの後頭部をミヤマが殴った。

 あまり殴ると気絶するよな。

「話しを続けて」

 ミヤマは冒険者に促したところ、冒険者はかなりビビっていた。

 ミヤマが強烈な蹴りを入れたからだ。
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