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『ヒール209』

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『ヒール209』



 精霊神 視点


 竜神様はドラゴンに乗って去った。
 ドラゴンに乗る竜神様を見たのも何十年ぶりか。
 勇者のサリオスは竜神様を起こしたので、竜神様に殺されなくて良かったと思いなさいよ。

 たまたまトレイルがゲオルギウスのヒールをサリオスにした。
 そのせいで私の加護は消えてしまい、こうして精霊神の姿になった。
 サリオスとムジカ、ジェンティルは、そのことをせめていた。

 加護がなくなったのを、トレイルをせめていた。
 バカね。
 本当にバカね、サリオス。
 もしトレイルと戦いになってなくて、私の精霊の加護のまま、竜神様と戦っていたら、どうなっていたかおわかり?

 竜神様を甘く見過ぎでしょ。
 あんまり竜神様を低くみていたら、死ぬよ。
 竜神様が相手なら、精霊の加護していたサリオス、ムジカ、ジェンティル3人が相手しても死ぬよ。

 確実に死んでいたのだから、逆に加護がなくなり、竜神様と戦っていなくて、生きてるのだから良かっただろ。
 竜神様の怒りだした時を知っているからな。
 過去の話になるが、本当に竜神様が怒った時は、こんなものじゃ済まないよ。

 城が半壊しただけで済んだなら、良かったと思った方がいい。
 暴れたら、この国ごとなくなるからね。
 町ではなくて国が一つは消えるからね。
 事実、私は過去に見たから。

 竜神様の伝説は残っているはずです。
 冒険者が竜神様から竜人の剣として力を借りるのは、まだ早いみたいだ。
 サリオスには借りる価値はなかっただけ。

 私が精霊の加護をしたから強くなっただけで、加護がなければBランク冒険者。
 それもそこが限界レベルだった。
 Aランク冒険者にもなれない程度だった。
 そんなサリオスらに竜神様が力を貸すわけもないか。

 サリオスよりもトレイルには興味あるみたいだけどね。
 あの冒険者は、ゲオルギウスの加護を受けた。
 そこは驚いたし、冒険者レベルが7131あると言った。

 つまりはサリオスが限界レベル45なのに、トレイルはレベル7131にもなったのは、トレイルは本来は潜在能力はサリオスよりも遥かに高いことを意味している。

 面白いわね。
 最初は弱かったみたいだけど、限界レベルはまだ上がる。
 Aランク冒険者の限界レベルも軽く超えている。

 トレイルはAランク冒険者の限界を超えているし、Sランク級のレベルですら超えてしまったわけだ。
 それを知って竜神様はニコニコしていたのだな。

 トレイルを面白い逸材として見たのだ。
 怒りの不機嫌が直ったのはトレイルが理由だ。

 トレイルがいたから、竜神様の怒りがおさまったのだ。
 もしトレイルがいなかったらと考えると不気味のを、トレイルやサリオスもわかっていないのよ。

 城だけでなくて、この国は今頃、火の海になっているの。
 一つ国を火にしてしまう力があるのよ。
 トレイルの潜在能力の高さを知ったのは、私だけでなく、竜神様だけでなく、ゲオルギウスもかも。

 話を聞いたら、サリオス達のパーティーがゲオルギウスの討伐に行ったと。
 そこでゲオルギウスを討伐したとして、トレイルもパーティーにいたらしいな。
 トレイルとゲオルギウスはそこで出会ったと。

 その時のトレイルは雑用係で、Fランク冒険者程度だったと聞いた。
 もしかしたらゲオルギウスは、サリオスが気づかないでいるトレイルの潜在能力を気づいたのかもな。

 死ぬ前にトレイルになら加護になってもいいと思ったのかもな。

 今となってはゲオルギウスに聞くことはできないから、わからないが、ゲオルギウスが竜神様みたいに面白いと感じとり、トレイルに加護したなら、いったいどうなるのだ?

 魔王の加護を得たのだ、世界を守る人物になり得るのかな?
 どうなるか精霊の森に帰ってから考えよう。
 ちょっと竜神様が面白いてのが、わかってきた気もする。
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