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『ヒール204』

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『ヒール204』


 シシリエンヌの考えに注目していたが、精霊神にヒールするのは俺には予想していなかったからか、不明かな。
 ただ面白い結果になるかも知れないが、勝手にヒールは無理だ。

 怒られる可能性もあるし、怒らせたくはない
 せっかく竜神様の不機嫌がおさまったのだから、ここで精霊神を怒らせたら意味がないだろう。

「ヒールするのはトレイルなのだから、やってみたらいい」

「おいパピアナ、俺が怒られたらどうするよ?」

「トレイルが怒られる」

「そりゃない」

「精霊神とはここで別れるでしょう、もう会うこともない。ヒールするなら今しかない」

「今しかないですね」

「シシリエンヌ、ローズ、パピアナとミヤマも俺が精霊神にヒールするのを賛成でいいな。後からなぜヒールしたのかと言い出すのはなしだぞ」

 一応みんなに確認しておくのは、ヒールするのは神様だから。

「わかりました」

「わかった」

「わかったぴょん」

「わかった、早くヒールしよう」

「よし、精霊神に今の件を相談してみる。もちろん断られると思うけどな。それでも残念がるなよ」

「はい、ぴょん」

 みんなの同意を得て精霊神に話しかけてみて、

「精霊神、俺から少し相談があるのですが、いいかな?」

「トレイルが私に相談、別に構わないが」

 精霊神は竜神様の隣にいる。
 竜神様の方は、何かなて感じで聞いていて、興味あるのか。

「精霊神に魔王竜ヒールをしたいのです」

「ええ、私に魔王竜ヒールを、どうぞしてい、、、、魔王竜? ゲオルギウスのヒール回復魔法を私にするて言ったああああああ!」

「はい、言いました」

「私は神様よ、神に向かって魔王の魔力のヒールを打つて、神に対するぼうとくですよ!」

 精霊神は俺の思った以上に怒り出したな。
 優しく言ったから、怒り出されると、俺も引くしかない。
 これ以上は言わないのがいいな。
 あまり言って精霊神を敵にまわすのは良くない。

「すみませんでした。確かに俺のヒールは魔王竜ヒールです。神に対して魔王の魔法を使うのは、間違いでした。謝ります」

「ぬぬぬ、謝れば済むとかの問題じゃないのトレイル。神を怒らせると怖いのよ」

「わかっています。謝りますから」

 丁寧に謝り、他にローズとパピアナとシシリエンヌとミヤマも頭を下げる。
 精霊神を怒らせて何もメリットはないからな。
 単に俺たちのを大損でしかないからだ。

「トレイル、あなたね、サリオスに勝ったからって少しばかり調子に乗ってます。人族の存在で神に背く行為です。サリオスに勝ったのはいいでしょう。次に私が相手になりましょうか?」

「いやいや、戦いませんし、俺は精霊神をぼうとくするつもりはなかった。わかってください」

「トレイル、どうする、精霊神は怒ってます。私が精霊神にヒールしたらとか言ったから、こんな事態になった。どうしようぴょん」

「慌てなくていい」

「そうよ、大丈夫よ。最悪はトレイルが泉にいればいいから、シシリエンヌは落ち着いていい」

「おいおいっ、パピアナ、なぜ俺だけ精霊の泉に入るのだ。入る時はパピアナも一緒だ」

「トレイルがどうしてもは入りたいそうなので、どうぞ譲ります」

「誰が入りたい! そんな奴いるかよ」

「トレイルが入りたくなくても、精霊神が入れるかも」

「ローズまで!」

「心配するなトレイル。竜の守りは残りのみんなで継続する」

「ミヤマ、そんな継続は要らない」

 完全に俺が精霊神にたてついた形じゃないか、マズいよな。
 それに言い出したのシシリエンヌなのだ。

「あはははははははは」

 そこへ竜神様が再び笑いだした。
 なんだ、精霊神が怒るのを楽しんでいるのか。
 サリオスが負けて楽しそうにしていたくらいだ、またか。

「竜神様、笑ってないで、トレイルを助けてあげて!!」

 ローズが助けを竜神様に言うと、精霊神は、

「竜神様、笑うところありましたか?」

「あった」

「どこを?」

「精霊神に魔王竜ゲオルギウスの魔力でヒールするのは、大変に面白いぞ」

「ええっ、竜神様よ、何を言い出す。私も、仮にも神様の手前、魔王のヒールを受け入れるなんてしませんし、嫌です。たとえ竜神様が言っても」

 なんも竜神様は、精霊神とは逆に楽しそうで、精霊神は困っているな。
 神様でも違うようだ。
 ありがたいことに竜神様は、精霊神よりも俺達の方に近い考えだった。
 竜神様が味方になれば、いい流れになるかな。

「面白そうだから、トレイルよ、精霊神に魔王竜ヒーしてみなさい。私もどうなるか見てみたいのだ」

「ちょっと竜神様!!!!」

「まぁ竜神様がやれと言うのならヒールしますよ。でも精霊神は怒りそうです」

 そこが心配で、本気で怒りそうだ。

「大丈夫、大丈夫。私が精霊神を押さえている、気にするな。さぁ魔王竜ヒールをしなさい」

 精霊神を後ろから押さえつけた。
 精霊神は動けなくなると、

「ちょっと、竜神様、何をします!!!!!!」

「ちょっとの辛抱だ」

「トレイル、竜神様がやれと言っている。早くヒールしなさい!」

「パピアナ、竜神様が言ったら態度変えるな」

「変えてない。私はトレイルを信じる」

「私も応援する」

「頑張れトレイル」

「頑張れぴょん」

 みんなから応援された。
 竜神様も、ヒールしろと。
 ここはヒールするチャンスであるか。

「トレイル、やめなさい、やめなさい、怒るわよ!!!!!」

「ごめんなさい精霊神。我慢してください。魔王竜ヒールします!」

「やめろおおおおおおおおおおおおおおおお!」

 精霊神は必死に抵抗するところへ魔王竜ヒールをした。
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