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『ヒール160』

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『ヒール160』



「トレイル、ヒールをお願いする。私のハンマーも通用していない……」

「わかってるみんなにヒールする。魔王竜ヒール」

 パーティーでは一番の怪力であるミヤマですら攻撃は簡単に見切られていた。

 怪力とは本人には直接は言わないが、俺よりも力はあるだろう。

 みんなの体力が減少したタイミングでヒールを使っておく。

 この人数でも魔王竜ヒールなら全員一度に可能だ。

 詠唱して直ぐに効果はあったらしい。

 シシリエンヌは元気に俺に、

「回復したぴょん」

「雷鳴のみんなにもヒールしておいたからな」

「凄い。トレイルのヒールは凄いです。雷鳴は助かります」




体力を4520回復しました。
経験値を4520獲得しました。
 
レベルが4072にアップしました。
レベルが4073にアップしました。
レベルが4074にアップしました。
レベルが4075にアップしました。



レベルが4301にアップしました。
レベルが4302にアップしました。
レベルが4303にアップしました。





 ヒールは竜の守りと雷鳴の悪魔パーティーにも同じく効果はある。

 直ぐに回復したら、クールキャットからは感謝された。

 回復するメンバーが多いのもあり、レベルは一気に114から119にアップ。

 こちらこそお礼をいいたい。

 体力は回復し、レベルアップしても、あとは戦うだけだが、はたして勝てるのかな神様に。

「むむ……今のは回復魔法だ。しかも全員に同時に魔法したな?」

「回復させた。良く回復させたのわかったな。さすがに神様てとこか」

「当たり前だ。神様だぞ。その程度わからなくて神様て言えるか」

 竜神様は多少怒り気味に言う。

 人にバカにされたと感じたらしく、俺はそんなバカにしたつもりはないのだが、怒らせるのは良い状況ではない。

 いかに冷静に竜神様をさせられるかも大事になる。

 神殿に戻ってもらいたいからだ。

 竜神様は体力が回復したのを知り、いっそう激しく攻撃してくる。

 見た目は少女なのに相手の人数関係なく強かった。

 強さはサリオスよりも上なのだうろと考えてみると、余計に戦いたくはなくなる。

「トレイル、竜神様が強すぎます。異常な強さです」

「俺の剣ですら傷つけられないからな。打つ手がないよな」

「このまま戦ったらいつかは全員が殺られてしまう。サリオスよりと強いのかしら?」

「会話からするとサリオスを軽く倒したっぽいな。そのサリオスも今はどこにいるのやら」

「そんな……勇者よりも強かったら、私達には限界もある……」

 ローズが戦いながら俺に言ったのは、あまりにも強いからで、言わざるを得なかった。

 普段は自信あるパピアナでさえ苦しい顔をしている。

「サリオスてのは負けたのか?」

「負けたみたいぴょん」

「それじゃ勇者よりも強いてことか。どうせなら勇者を殺してくれたら良かったのに」

「あの勇者サリオスは、相手によって態度を変えるのかもね。私達とは違い、相手が強いと逃げるのかもよ」

「サリオスよりも今は竜神様に集中して。死ぬぞ!」

 ミヤマに激励されて集中を戻すパピアナとシシリエンヌ達。

 サリオスは気になるのは俺もわかるが、ここでみんな死んだら意味ない話だ。

「魔王竜ヒール」



体力を3410回復しました。
経験値を3410獲得しました。
 
レベルが4304にアップしました。
レベルが4305にアップしました。
レベルが4306にアップしました。
レベルが4307にアップしました。



レベルが4497にアップしました。
レベルが4498にアップしました。
レベルが4499にアップしました。


 ヒールによるレベルアップを達成した。

 ライの仲間もかなりの体力を減少させているのが経験値からわかる。

 特にタンク役のリルキスは最も消耗が激しいので、一番気をつけておく。


「助かるぜトレイル!」

 彼が盾役になっているので、まだ状況は酷くないから。

 次にタップアウトも消耗は多い気がする。

 竜神様を恐れずに向かっていく性格からか、彼も死ぬ可能性が高いので、体力を回復は必須だろう。

「またも回復したか。体力を減らしても減らしてもトレイルが居ると回復させる戦い方か。持久戦を仕掛けてきたのは頭が悪いな。私はまだ本気を出していないのでね。持久戦よりも短期決戦といこう。魔法のレベルを上げる。フレアよりも上位のメガフレアでね! メガフレア」

 まだ本気じゃないらしい。

 これで本気じゃないて、おかしいだろうが、さらに上位魔法のメガフレアを使用した。

 これで俺たちを終わりにする気だろうが、確かに炎の力は格段に凄い。

「メガフレアって……ちょっとヤバいよトレイル」

「ヤバいかもな」

 俺はそう返事したけど、悔しいがそう言うしかなかった。

 炎の大きさと熱が異常だ。

 さっきまでのは何だったんだと思うくらいに強大だった。

「リルキス、下がれ。危ない!」

「下がれない。みんなが危険になる」

 タンク役なので常に全員の中で一番竜神様に近い位置を取る。

 竜神様からの攻撃を受けることで、後ろに居るみんなの体力減少が弱くなっていて、全てリルキスの防御力であった。

 しかしローズから指摘されるように、メガフレアは危険過ぎる。

 もはや耐えられないだろうと判断して言ったけど、リルキスはまだタンク役を続ける覚悟だ。

 メガフレアの炎がリルキスに迫る。

 ちょっとこれは危ない。

 いや危ないてレベルを遥かに超えているし、防御できるわけない。

 しかしリルキスは責任感が強いのかタンク役を最後まで行う考えらしい。

「リルキスを助けないと危なくない?」

「俺も思った。でもリルキスは最後までタンクするつもりだろう」

「一緒に戦う仲間でしょ、このまま見捨てるのは嫌だ」

「助けるぴょん!」

「危ないシシリエンヌ戻れ!」

 シシリエンヌに戻れと伝えたのにも彼女はリルキスの所に行った。

 跳躍力が優れたシシリエンヌらしいジャンプだけでリルキスのいる地点に着地した。

「なんて高い跳躍力!」

「兎人族は跳躍力が人の2、3倍はあるぞ!」

 普段のシシリエンヌを知らない雷鳴の人は、リルキスのところまで到達して声を出していた。

 みんなシシリエンヌとリルキスの様子を遠目に見ている。

 リルキスに戻るように説得中。

 シシリエンヌの突然来てリルキスは戸惑っているが、目の間までメガフレアが来たら危険だと伝わったと思える。

 リルキスは必死の説得に応じてシシリエンヌに捕まると、シシリエンヌはそこから再び高く跳躍した。

 最初よりかリルキスを持った分だけ重さはある。

 重い分ジャンプは低くて遅いので、メガフレアの勢いが迫った。

 シシリエンヌの背中までフレアの炎が迫ったのは見えるから、不安感でたまらない。

 跳躍力がメガフレアを上回ると、俺の前に着地した。

「大丈夫かい?」

「こんなの大丈夫。大丈夫。間に合って良かったぴょん」

「ありがとう、シシリエンヌ」

 リルキスは運んでもらったお礼をする。
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