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ヒール9』

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『ヒール9』


 ギルドに帰ると、ギルド内は酔っぱらいが増えていた。
 なぜか冒険者ギルドにはお酒を飲ませるお店が並列してあるのだ。
 これは冒険者が酒好きなのも影響しているのは、見てわかるほどだ。

「飲んでいる人が多い。トレイルは酒あまり飲まないもんね」
「うん、少ししか飲めないしな。報酬をいただこうか」

 受付嬢にホーリーの魔石五個と素材も渡した。
 受付嬢は丁寧に鑑定をしていく。

「鑑定します。間違いなくホーリー、それも五匹もある!」
「同時に五匹出現したから、倒すの大変でしたよ。あれでクエストランクはEなのか。先は遠いな」
「いえいえ、違います。普通は一匹しか出現しません。多くても二匹までです。五匹と言うのは異例ですし、しかもパーティーメンバーが二名なら無理なクエストでした」

 受付嬢の話しからすると、普通は二匹なのを俺とローズは五匹まとめて倒してしまったとなる。
 受付嬢はかなり驚いています。

「珍しいことなのか。ローズが頑張ったならか」
「トレイルのヒールのおかげもある」
「そんな余裕な話ではなくて、お二人が死んでいても不思議はないのでした。よくご無事で帰られました。すくなくてもパーティーメンバーが10人以上はいて、受付けるクエストでした」
「そうでしたか、まあ生きて帰れて良かった」

 ラッキーなのかも知れなかったらしい。
 確かに途中は危険があったのはあった。
 ローズが冷静に対応してくれたのが大きいだろうな。

「俺だけなら死んでいた、ローズに頼ったもんな」
「報酬は得たけど、100万に足りる?」

 ホーリーを五匹ではまだ100万バルには達してしていなかった。

「まだ足りないかな。もう少しクエストを頑張る必要がある。ローズとなら頑張れそうだ」
「私もクエストしたい。トレイルと一緒にクエストするの楽しいのよね不思議と」
「楽しいのか。ローズは戦い向きなんだろうな」

 ローズの言葉に心が打たれた気分だった。
 何しろサリオスからは裏切られた身だけに、ローズからそんな言葉を聞くと嬉しくなる。
 ローズは楽しいのだから、この勢いでクエストをしていけると思う。

「ねぇ見て、ギルドには傷をついた人がいる。クエストから返ってきた人よ」

 ギルド内には酒場だけてなく、ベッドもいくつか置いてあった。
 寝ている人が見て、苦しそうにしているな。
 魔物の攻撃を受けたのであろう。

「怪我してますね。大丈夫ですか?」
「ダンジョンに入り魔物に襲われたんだ……痛てて」
「回復魔法士が治癒したらいいのに、どうして寝たままかな」

 ローズが疑問点を言う。
 俺も同じことを考えていた。
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