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第1章
悪役令息(幼少期)に出会う
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中学生2年生の時、僕は珍しく音楽以外のことにハマった。
それがこの世界が舞台の小説だ。
この頃から曲作りに挑戦していて、何か歌詞の参考にならないかと、学校の図書室に行って本を読み漁っていた。
ある日、新刊コーナーを見に行くと、その小説が置いてあった。少し読んでみると、BLの物語だった。もともとBLには興味はなかったが、中学校の図書室に置いてあるのは珍しいと思って、読み進めることにした。
内容は、ベタな話で、中世ヨーロッパをモデルにした、学園ラブストーリーだった。悪役令息とやらも出てきていた。ベタな物語はあまり読んだことがなかったので、自分にとっては珍しく、結構ハマって読んでいた。挿絵もとても綺麗で、けっこう見惚れることが多かった。
(待てよ、エウテル・キタラって悪役令息の取り巻きじゃないか!)
悪役令息の最後って、なんだったっけ。
確か、悪役令息である侯爵令息イル・ヴァディエは、婚約者であるウィール王国の第一王子バトラ・ドゥ・ウィールを心の底から愛していたが、ウィール国立学園に入学してから、小説の主人公である平民のメニル・リードレにイルは、平民だからという理由で嫌がらせをするようになった。そんな噂を聞きつけたエウテルは、とある個人的な理由でイルの側につき、一緒になってメニルのことをいじめるようになった。
(個人的な理由って、なんだっけ?)
何故か物語の節々が思い出せない。
今の僕にとってすごく大事なことなのに!!
それを見かねて、バトラがメニルを守るようになり、その2人は愛を育んでいく...
それに怒ったイルは、エウテルと共に嫌がらせのヒートアップ、卒業間近には、僕のものにならないのならと、2人を暗殺しようとしたところで捕まり、殺そうとした相手がこの国の王子だったこともあり、死刑で終わる...。
エウテルもイルの計画に参加してて、監禁とかじゃなかったっけ、、
(これは、やばいのでは、、)
「あの、、、」
「落ち着きましたか?」
ビクッ
「ぅあ」
びっっ...くりした、、
そういえば、この少年と目が合って頭痛になったんだっけ、
それにしても美少年だ。
「うわああああ」
「?!」
まてよ...もしかして、この子...
イルじゃね?!!!!
こんなに純粋そうな子が?!
挿絵ではもうヤンデレ中のヤンデレだったよ..
でも、特徴そのままだし、この人見て記憶蘇ったし(?)、
「まじか」
「あの...」
「はひっ」
「す、すみません!先ほどはキタラさんなどと..
エウテル・キタラ様で間違い無いでしょうか?」
「そうですけど、、」
なんでそんなこと聞くんだ?というか、学園に入学する前に取り巻きと出会ってなかったよな?ここの世界は学園は15歳から入学だから、あと3年くらいあるし..
「よかったあ!!」
胸を撫で下ろすイル。すごく可愛らしい..。
「あの、もしよかったら、僕と友人になってくれませんか!!」
「僕と...?」
なんか展開早くないですか...まあ、今さらしょうがないか、、
「だめ...ですか?」
「うっ、、」
そんなうるうるした目で見られたら断れるはずがない...!流石美少年、恐るべし
というか、身分としてはイルの方が上だし、もともと断れないよな。
「申し訳ございません。申し遅れました。キタラ伯爵次男エウテル・キタラと申します。イル・ヴァディエ様からのお誘いとても嬉しく思います。
ぜひよろしければ、僕の方から、友人になってくださいませんか」
貴族社会なんて経験したことないので、敬語は至らないところあっても許してください。
反応がないので、恐る恐る顔を上げると、
「あれ?なんか、違う」
と言いながら首を傾げていた。
「違う、、?」
やばい、やはり敬語が間違っていたのだろうか、もう死刑か!!?
「あっ、、すみませんなんでもないです!
とても嬉しいです!ぜひ僕のことはイルと呼んでください!」
よかった、怒ってないみたいだ。
「ではイル様と」
急に呼び捨てで言ったら「不敬だ!!」なんて言われて死刑になったらたまったもんじゃない。
「えぇ、イルと呼んでくれませんか、、?」
「身分というものがありまするゆえ。」
イル自身が良くても、周りの人が怒ってまた死刑!!なんてなりたくないんで。とにかくもう死にたくありません。
「むぅ。」
めっちゃかわいい..
本当にヤンデレ化するのか、、?
「まあ、どうせ呼んでもらうことになるしいいや。」
意外と強引なところもおありで。
「とりあえず、今から僕とルテは友だちね!」
イルはそう言って笑って、颯爽と去って行った。
る...ルテ?あだ名か..もうあだ名をつけられてしまった...。コミュ力が、凄い。
小説を読んでた頃は推しはできなかったけど、今はイルが推しになりそう...めっちゃ印象が良い。
このかわいい笑顔を守るためにも、モブであることを利用して、コソコソ破滅フラグを折っていくぞ!
そういえば、すぐに中学校卒業しちゃったから読めなかったけど、あの小説卒業後編も出てたな..
まあ、エウテルやイルには関係ないけどね。もう死んでるし。
でも、エウテルが僕になった今、絶対に2人とも死なせずに、平和な日々を過ごしたい!!そして僕はずっと音楽に付きっきりでいたい!!(これが一番大事)この世界の音楽文化がどれくらい進んでいるのかわからないけど..まあ、流石に大丈夫でしょ!
...あれ。
冷静になって考えると、なんでイルは僕と友だちになろうって言ったんだろう。
たしかエウテルがイルと出会うのは学園に入ってからでは?
(もしかして)
イルも転生者だったりする?
小説のイルと性格が全然違うのも納得だし、顔つき(性格が滲み出るとかいう)とかよくみたらなんか違うし。
え...僕悪役令息の代わりにされないよね..?
もし彼が転生者で、あの小説を知っていたら、、?
(僕、危ないのでは......?)
自分が死刑にならないように、僕に悪役の代わりになってもらうために、今近づいたとか?
だったらやばくないか?あの仕草全部猫被りだっかのか?
(うわああああ)
今日いろいろありすぎて、頭が混乱してきた..
このまま僕は騙されて死ぬ運命なのだろうか。
いや!諦めるのはまだ早い!まだ12歳。猶予はたっぷりとある!僕の音楽ハッピーライフを手に入れるためにも、学園卒業までに死なないように頑張るぞ!!
それがこの世界が舞台の小説だ。
この頃から曲作りに挑戦していて、何か歌詞の参考にならないかと、学校の図書室に行って本を読み漁っていた。
ある日、新刊コーナーを見に行くと、その小説が置いてあった。少し読んでみると、BLの物語だった。もともとBLには興味はなかったが、中学校の図書室に置いてあるのは珍しいと思って、読み進めることにした。
内容は、ベタな話で、中世ヨーロッパをモデルにした、学園ラブストーリーだった。悪役令息とやらも出てきていた。ベタな物語はあまり読んだことがなかったので、自分にとっては珍しく、結構ハマって読んでいた。挿絵もとても綺麗で、けっこう見惚れることが多かった。
(待てよ、エウテル・キタラって悪役令息の取り巻きじゃないか!)
悪役令息の最後って、なんだったっけ。
確か、悪役令息である侯爵令息イル・ヴァディエは、婚約者であるウィール王国の第一王子バトラ・ドゥ・ウィールを心の底から愛していたが、ウィール国立学園に入学してから、小説の主人公である平民のメニル・リードレにイルは、平民だからという理由で嫌がらせをするようになった。そんな噂を聞きつけたエウテルは、とある個人的な理由でイルの側につき、一緒になってメニルのことをいじめるようになった。
(個人的な理由って、なんだっけ?)
何故か物語の節々が思い出せない。
今の僕にとってすごく大事なことなのに!!
それを見かねて、バトラがメニルを守るようになり、その2人は愛を育んでいく...
それに怒ったイルは、エウテルと共に嫌がらせのヒートアップ、卒業間近には、僕のものにならないのならと、2人を暗殺しようとしたところで捕まり、殺そうとした相手がこの国の王子だったこともあり、死刑で終わる...。
エウテルもイルの計画に参加してて、監禁とかじゃなかったっけ、、
(これは、やばいのでは、、)
「あの、、、」
「落ち着きましたか?」
ビクッ
「ぅあ」
びっっ...くりした、、
そういえば、この少年と目が合って頭痛になったんだっけ、
それにしても美少年だ。
「うわああああ」
「?!」
まてよ...もしかして、この子...
イルじゃね?!!!!
こんなに純粋そうな子が?!
挿絵ではもうヤンデレ中のヤンデレだったよ..
でも、特徴そのままだし、この人見て記憶蘇ったし(?)、
「まじか」
「あの...」
「はひっ」
「す、すみません!先ほどはキタラさんなどと..
エウテル・キタラ様で間違い無いでしょうか?」
「そうですけど、、」
なんでそんなこと聞くんだ?というか、学園に入学する前に取り巻きと出会ってなかったよな?ここの世界は学園は15歳から入学だから、あと3年くらいあるし..
「よかったあ!!」
胸を撫で下ろすイル。すごく可愛らしい..。
「あの、もしよかったら、僕と友人になってくれませんか!!」
「僕と...?」
なんか展開早くないですか...まあ、今さらしょうがないか、、
「だめ...ですか?」
「うっ、、」
そんなうるうるした目で見られたら断れるはずがない...!流石美少年、恐るべし
というか、身分としてはイルの方が上だし、もともと断れないよな。
「申し訳ございません。申し遅れました。キタラ伯爵次男エウテル・キタラと申します。イル・ヴァディエ様からのお誘いとても嬉しく思います。
ぜひよろしければ、僕の方から、友人になってくださいませんか」
貴族社会なんて経験したことないので、敬語は至らないところあっても許してください。
反応がないので、恐る恐る顔を上げると、
「あれ?なんか、違う」
と言いながら首を傾げていた。
「違う、、?」
やばい、やはり敬語が間違っていたのだろうか、もう死刑か!!?
「あっ、、すみませんなんでもないです!
とても嬉しいです!ぜひ僕のことはイルと呼んでください!」
よかった、怒ってないみたいだ。
「ではイル様と」
急に呼び捨てで言ったら「不敬だ!!」なんて言われて死刑になったらたまったもんじゃない。
「えぇ、イルと呼んでくれませんか、、?」
「身分というものがありまするゆえ。」
イル自身が良くても、周りの人が怒ってまた死刑!!なんてなりたくないんで。とにかくもう死にたくありません。
「むぅ。」
めっちゃかわいい..
本当にヤンデレ化するのか、、?
「まあ、どうせ呼んでもらうことになるしいいや。」
意外と強引なところもおありで。
「とりあえず、今から僕とルテは友だちね!」
イルはそう言って笑って、颯爽と去って行った。
る...ルテ?あだ名か..もうあだ名をつけられてしまった...。コミュ力が、凄い。
小説を読んでた頃は推しはできなかったけど、今はイルが推しになりそう...めっちゃ印象が良い。
このかわいい笑顔を守るためにも、モブであることを利用して、コソコソ破滅フラグを折っていくぞ!
そういえば、すぐに中学校卒業しちゃったから読めなかったけど、あの小説卒業後編も出てたな..
まあ、エウテルやイルには関係ないけどね。もう死んでるし。
でも、エウテルが僕になった今、絶対に2人とも死なせずに、平和な日々を過ごしたい!!そして僕はずっと音楽に付きっきりでいたい!!(これが一番大事)この世界の音楽文化がどれくらい進んでいるのかわからないけど..まあ、流石に大丈夫でしょ!
...あれ。
冷静になって考えると、なんでイルは僕と友だちになろうって言ったんだろう。
たしかエウテルがイルと出会うのは学園に入ってからでは?
(もしかして)
イルも転生者だったりする?
小説のイルと性格が全然違うのも納得だし、顔つき(性格が滲み出るとかいう)とかよくみたらなんか違うし。
え...僕悪役令息の代わりにされないよね..?
もし彼が転生者で、あの小説を知っていたら、、?
(僕、危ないのでは......?)
自分が死刑にならないように、僕に悪役の代わりになってもらうために、今近づいたとか?
だったらやばくないか?あの仕草全部猫被りだっかのか?
(うわああああ)
今日いろいろありすぎて、頭が混乱してきた..
このまま僕は騙されて死ぬ運命なのだろうか。
いや!諦めるのはまだ早い!まだ12歳。猶予はたっぷりとある!僕の音楽ハッピーライフを手に入れるためにも、学園卒業までに死なないように頑張るぞ!!
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