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sideA~秋月秋風編~

再会

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「冬馬君、お久しぶり、秋月です。覚えてますか?」


「あれ~、秋月さんこんな所でどうしたんですか?」

「私は、ジョギングがてら、散歩かな。冬馬君は、どうしたの?」

「俺も、散歩ですよ。ここの公園の景色好きで、夕焼け観に来ました。」

「私も、ここの夕焼けの景色好きだけど、どちらかと言うと、目的は、この。石垣かな。」


「そうなんですか。お話ししたいので隣良いですか?」
「どうぞ。」


 二人で、日が沈んで行くのを見つめる。


 雲などで隠れる事なく、夕陽は、まん丸と燃えるように沈んで行く。

  雲に隠れたりしながら、段々と沈んで行く。


次に、雲から、姿を見せた時には、半分位、小岩の街中に埋もれていた。



 そして、あっという間に、夕陽が消える。しばらく、雲がオレンジに輝き、やがて、すみれ色のパーブルに変わる。そして、紺色に変わり、時間をかけて、夜になって行く。


しばらく、二人で、その暮れて行く空を眺めてる。


ふと、気付くと、二人の距離が近い事に気付く、横長のベンチは、何も障壁がなく、太ももが、触れ合うか触れ合わないかの距離だった。


 外の解放感と、薄暗闇で、顔が良く見えないことから、恥ずかしがらずに、ぶっちゃけた話をした。


「あの時は、ありがとうね。」

   「え?」

「申し送りノートの事、あの時冬馬君が、私の疑いを晴らしてくれて、嬉しかった。」

「ああ、あれっすか。だって、秋月さん、何にも悪い事してないでしょ。正しい事している人が、痛い目に合うの許せないんですよ。」


 私は、島と不倫をしていた。道徳から反していた。決して、正しくない、ゲスな女である。冬馬夏翔は私と島の関係を知らないのだろうか?


「何か、あの病院、みんなで、秋月さんの事を寄ってたかって苛めて、雰囲気悪かったですよね。」


私が苦笑いしている事に、冬馬君は気付いて


「秋月さんが、島先生と不倫してたのも知ってましたよ。でも、俺は思うんですよ。たまたま、好きになった人が結婚してた。ただ、それだけだと思います」



芸能人で、好感度の、高かった女性タレントが、男が結婚してないのを知らないで、男を愛してしまい、その男の歌手はグループ名からゲスと呼ばれるようになった。ゲスノート、色々な言葉が生まれた

冬馬君の言葉から、何かその事を思い出していた。


 11月の夜の寒さが二人の距離を近くする。太ももと太ももは、深く触れ合い、肩と肩も触れ合うか触れ合わないかの距離。


 人肌に触れたくなり、私の方から、冬馬君に近づいて行く。ふと、横を見ると、身長差から、目線は彼の顎のラインあたりだった。喉仏が見事で、首筋がsexy だった。


   首筋に見とれていると

 彼は目線を私の高さまで、下ろしてくれる。


 そして、私の瞳を茶色い瞳が見つめる。


 私も、彼の瞳をじっと、見つめる。


 茶色い瞳の奥の黒い部分、瞳に映った私


 それらを見つめていると


   「目を閉じて」



 彼の甘い囁きが、静かな夜に響きわたる。


私は、彼に従い、目を閉じる。


 

  唇と唇が優しく重なりあう。






















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