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第八話
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あらすじ
扉を抜けたら巨人が!でけぇww
あたふたしてたら煉が体を動けるようにしてくれたよ!急ごう!
扉の中に戻るとそこは要塞の中!え?白い部屋は??
白い部屋は消えるし、兵士は武器構えてるし、兵士にどっか連れてかれるし...。
もう踏んだり蹴ったりだね!
どうやらここは何かの要塞らしい。ぐるりと囲む城壁には、所々に梯子や見張り台、
後詰の小屋らしき建物もあった。
城壁の上にある大砲は絶え間なく火を噴いており、巨人に砲弾の雨を降らせている。
『ほぉー、まるで西洋の城のような場所じゃな。まぁこれはこれで趣があるのぉ」
煉は呑気にも観光気分で辺りを見回す。僕はそれどころじゃないんだよ!この兵士、
どこに連れて行く気だよ!
『まぁええじゃろ。もしこ奴らが敵じゃったら、お主の命はもう無かろうて』
...確かに、そうだな。
「貴様が城門を押し開けて外に飛び出したせいで、城門の鍵が破損した!お前、それが
どれだけ愚かなことなのか、分かるか!?」
この兵士は俺を連れて歩きながら怒鳴り散らす。どうやら僕は突然発狂して門を開け、
外に飛び出したことになっているらしい。僕には身に覚えの無いことなのだが。
「幸い城門は破られなかったが...お前は、一度我らが英雄にお叱りを受けろ!」
そう言うと彼はこの要塞の一番高い所、塔の上に俺を連れてくる。
「閣下!失礼します!」
兵士はドアを手早くノックすると、扉を開ける。
中には、壮麗な鎧を身に纏った巨漢が、一人窓から外を眺めていた。
巨漢は、こちらを振り返って俺の目を見る。その眼はとても勇ましく、まさに歴戦の戦士の
眼光を放っていた。
彼はゆっくりと口を開く。
「...何の用だ」
地に響くような、太い声。俺の虚勢を張った威圧など霞んでしまう程の力強さだ。
「は!この者が勝手に扉を開き、巨人を中に入れようとしておりました!」
ちょ、それは違うだろ!
心の中で突っ込みを入れるが、巨漢の威圧感に飲まれて声が出ない。
「....ほう」
彼は感嘆符を口にすると僕の顔をまじまじと見つめる。
「...貴公、こいつを残して退室せよ。あとは私がやっておこう」
「は!!では、持ち場に戻らせて頂きます!!」
僕は兵士に取り残され、巨漢の前にポツンと佇んでいた。
「...さて、貴公。何か言いたいことはあるかね?」
巨漢は威圧感を緩ませることなく言う。
おかげで、むしろ言いたいことだらけだ!という僕の主張は口を出ることは無かった。
煉はと言えば、そんな威圧感ももろともせず、『怖い奴じゃのぉ』などと言う。
「あの....僕、ここに来たばかりで...」
「....貴公、ここの人間ではないな。この場所に来た事はあるか?私の顔に見覚えは?」
「ぼ、僕にも分かりません...」
もはや曖昧な返答しか出来ない始末。だって僕にも分からないんだもの。
巨漢は多少悩んだ様子を見せていたが、やがて何かを察したように言った。
「お前.....転生の試練者か?」
「は、はい...そんな感じだと思います....」
「.......なるほど......」
巨漢は少し悩んだようにしていたが、フッと息を漏らして、言った。
「やッッッと仲間が来たかぁぁ!!」
「!?」
巨漢は見るからに安堵したかのように顔を歪め、威圧感は消え去った。
扉を抜けたら巨人が!でけぇww
あたふたしてたら煉が体を動けるようにしてくれたよ!急ごう!
扉の中に戻るとそこは要塞の中!え?白い部屋は??
白い部屋は消えるし、兵士は武器構えてるし、兵士にどっか連れてかれるし...。
もう踏んだり蹴ったりだね!
どうやらここは何かの要塞らしい。ぐるりと囲む城壁には、所々に梯子や見張り台、
後詰の小屋らしき建物もあった。
城壁の上にある大砲は絶え間なく火を噴いており、巨人に砲弾の雨を降らせている。
『ほぉー、まるで西洋の城のような場所じゃな。まぁこれはこれで趣があるのぉ」
煉は呑気にも観光気分で辺りを見回す。僕はそれどころじゃないんだよ!この兵士、
どこに連れて行く気だよ!
『まぁええじゃろ。もしこ奴らが敵じゃったら、お主の命はもう無かろうて』
...確かに、そうだな。
「貴様が城門を押し開けて外に飛び出したせいで、城門の鍵が破損した!お前、それが
どれだけ愚かなことなのか、分かるか!?」
この兵士は俺を連れて歩きながら怒鳴り散らす。どうやら僕は突然発狂して門を開け、
外に飛び出したことになっているらしい。僕には身に覚えの無いことなのだが。
「幸い城門は破られなかったが...お前は、一度我らが英雄にお叱りを受けろ!」
そう言うと彼はこの要塞の一番高い所、塔の上に俺を連れてくる。
「閣下!失礼します!」
兵士はドアを手早くノックすると、扉を開ける。
中には、壮麗な鎧を身に纏った巨漢が、一人窓から外を眺めていた。
巨漢は、こちらを振り返って俺の目を見る。その眼はとても勇ましく、まさに歴戦の戦士の
眼光を放っていた。
彼はゆっくりと口を開く。
「...何の用だ」
地に響くような、太い声。俺の虚勢を張った威圧など霞んでしまう程の力強さだ。
「は!この者が勝手に扉を開き、巨人を中に入れようとしておりました!」
ちょ、それは違うだろ!
心の中で突っ込みを入れるが、巨漢の威圧感に飲まれて声が出ない。
「....ほう」
彼は感嘆符を口にすると僕の顔をまじまじと見つめる。
「...貴公、こいつを残して退室せよ。あとは私がやっておこう」
「は!!では、持ち場に戻らせて頂きます!!」
僕は兵士に取り残され、巨漢の前にポツンと佇んでいた。
「...さて、貴公。何か言いたいことはあるかね?」
巨漢は威圧感を緩ませることなく言う。
おかげで、むしろ言いたいことだらけだ!という僕の主張は口を出ることは無かった。
煉はと言えば、そんな威圧感ももろともせず、『怖い奴じゃのぉ』などと言う。
「あの....僕、ここに来たばかりで...」
「....貴公、ここの人間ではないな。この場所に来た事はあるか?私の顔に見覚えは?」
「ぼ、僕にも分かりません...」
もはや曖昧な返答しか出来ない始末。だって僕にも分からないんだもの。
巨漢は多少悩んだ様子を見せていたが、やがて何かを察したように言った。
「お前.....転生の試練者か?」
「は、はい...そんな感じだと思います....」
「.......なるほど......」
巨漢は少し悩んだようにしていたが、フッと息を漏らして、言った。
「やッッッと仲間が来たかぁぁ!!」
「!?」
巨漢は見るからに安堵したかのように顔を歪め、威圧感は消え去った。
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