理不尽な転生システムがあるようです

青い墨汁

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第二話

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あらすじ
ニートが死んだらなんか白い工場っぽい建物の前に転生した!
「警報うるせぇ」ってなってたら足音も聞こえてくるよ!怖いね!
意識失ってたら神社の前に来たよ!とっても綺麗なんだ!
綺麗ついでに神社の中に綺麗な女の子が!やったね!
でも幽霊だったよ!畜生!





それからはしばらくお互いの事を確認しあった。
俺が死んだこと。ニートだったこと。そして先程の空間のことも。

煉は黒い髪の映える、肌の白い少女だった。まぁ本人は大人だとか言っていたが。
赤黒い着物とぱっつんの前髪のせいか、まるで座敷童のような見た目だった。


「だからワシはここに数十年前から住んでおるんじゃ!何度言えば分かる!」


「それは分かったんだけど....なんでここにいるの?」


「それは知らん、そもそもここがどこなのかも知らん!」


煉は自信ありげなドヤ顔。いやなんでだよ。

「まぁとりあえずさ...俺ここに住みたいわけじゃないしさ、元の世界?に
帰りたいんだけど...」


「.....分からん」

「え?」

「それが分からんのじゃ。ワシもここに長い事おるが、未だに出口に繫がった
試しがない。正直言って、ここに来たのはワシ以外にお主だけじゃ」

煉は俯きながら言った。

まさか帰る方法がないなんてことは....そんな一抹の不安を覚える。
だがその疑問はすぐに払拭した。

「じゃがワシがお主に取り憑けばいい話じゃろうな」

「...ん?取り憑く??」

「そうじゃ。確かお主は意識が消えてここに来たと言っておったの?」

「ああ、そうだが」

「ならば元の場所にまだ体があろうて。ワシがお主に取り憑けばお主の意識を
無理にでも起こすことが出来よう」

「...どういう事だ?」

「...要はワシがお主の元の体に入って操る。ワシには麻酔や催眠の類は
効かんからお主は復活!ついでにワシもお主に取り憑いて現世帰り出来る!
という寸法じゃ!どうじゃ!?どうじゃ!!?」

「いや、そんなキラキラした目で言われても...まぁやるしかないだろうなぁ」

もはや諦めの域。しかしその方法しかないのなら、そうするしかないだろう。

「分かった...頼むよ。痛くないように頼む。」

「心配せずともこのワシがちょちょいのちょいでやっちゃるわ!」

意気込んでいるのはいいがどこか空回りしている気がした。
まぁ話が本当なら数十年ぶりの外出になるからそれも仕方のない事なのだろう。

「じゃあそろそろ準備体操でもしようかな、どのくらいで戻れるんだ?」

そう言うとレンは不思議そうな顔をする。

「何を言う。もう既にやっておるわい」

「...え?」

僕が言いかけた時には既に僕の体は白く輝いていた。

「すぐ出来るなら言えよ!まだ心の準備が出来てn」

そこまで言って完全に意識が消える。というよりかは眠気に負けた時のような
脱力感。


こうして僕はまたあの空間へと送り込まれる事となる。
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