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第五話

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 ――恐ろしい夢を見た。ぷよぷよした水色のスライムが、身体中にぴょんぴょん飛びついて来るのだ。足掻いても足掻いても次から次へと引っ付いて来る。そして、びにょ~んと伸びたスライムが口の中にまで侵入してきて口内を犯す。歯列をなぞられ舌を絡め取られ、まるでディープキスをされているようだった。

 「んっ……ふぁっ!やめ……」

 えずくギリギリのところまで奥をうごめき、ジュルジュルと唾液を吸収されていく。そうしている間にも、体にへばり付いたスライムは、ウニョウニョと身体中を這い回り、ついには抵抗虚しく服の中にまで入り込んできた。肌を直接撫でられる感覚に、嫌でも性感が刺激される。

 「……あ、あぁ……いや……ひっ!」

 柔らかいまろみを下から持ち上げられ、そこから小さく分離したスライムの一部が尖りに到達すると、まるで餅をこねるかのように揉みしだかれた。いやらしい愛撫はやめることを知らず触手のように伸びたスライムは、全身を這い回りながら下着の中にまで侵入してきた。
 スライムは既に濡れた秘部を上から下へ、下から上へと撫でていく。クチュクチュと音を立てる愛液とスライムが混ざり合う。そして捉えられた足首が左右に引っ張られ、大きく股を開く体勢にさせられた。

 「そ、そんなっ、やぁぁ!……」

 丸見えとなったあそこに、スライムはぴたりと棒状に変形したモノをあてがい、ゆっくりと侵入していく。浅く出しては入れてを繰り返しながら慎重に挿入していく。それと同時に、再び分離したスライムの一部が赤く勃起した花芯にまとわりつく。クニクニと刺激され、甲高い声で鳴かされた。

 「あぁぁぁんっ!!」 

 ずぷぷぷ……ずぷん!!ついに最奥まで侵入を許してしまった……!挿入の際、良いところを擦られて、私は軽くイッてしまう。
 そんな……!スライムにイカされるなんて!!でもどうしてなの、すごく気持ちいい……。ああん、もっと擦って!!

 ずん、ずん、ずん、ずん

 力強い律動は、上下左右にと腰を使ってあらゆる方向から穿たれる。ペトリと花芯にくっついたままのスライムが、キュッと収縮してさらなる高みへと突き動かす。

 「だめっ、イッちゃう!!……あ、あ、あぁ」

 絶頂を目前に首の下から全身をスライムで覆われてしまい、完全に身動きが取れなくなってしまった。

 「あ、あ、ひあぁぁぁっ~!!」

 飛び起きた私は、辺りを見回してようやく夢だということに気がついた。はぁはぁ、怖かったよぅ~。なんて淫猥な夢なの。きっと不安な気持ちが夢に現れたんだろう。やっぱりエドムンドのいう通り、奴隷を買った方が今後のためにも良いのかもしれない。でもなぁ……

 ぐちぐちと考えながらベッドから起きた私は、着替えて一階で軽く朝食を済ませると、気分を変えたくて朝市に行ってみることにした。



 青空の下、今日も街の大通りはたくさんの人で賑わっていた。どこからか漂ってくる美味しそうな匂いに誘われて進んで行くと、一つの屋台でお饅頭のようなものが蒸し焼きされているのを見つけた。

 「すみません、これ一個ください!」
 「はい、銅貨四枚だよ」

 店頭に昨日見た水晶玉が置いてあったので、腕輪をそこに当ててみる。すると赤い色だった水晶が青に変わって、それを見たお店の人が「まいどあり」と言ってお饅頭をくれた。
 なるほど、こういう仕組みになっているのか。私は湯気が立っているお饅頭をもらって早速一口齧った。

 「おいひ~!」

 中身は細かくしたミンチ肉と野菜が練り込まれた肉まんだった。朝食がボウル一杯のオートミールみたいなものしか食べなかったからか、こういう地球の味に似たものを食べられてとても嬉しかった。
 ペロリと平らげた私は、飲み物が売っている屋台でレミンジュースを買ってゴクゴク飲んだ。これが本当に美味しくて、何杯でもいける気がする。

 お腹が満たされたところで、今日はこれから必需品を買うため服飾店に行こうと思っている。いろんなものを売っている出店を見ながらしばらく道を歩いていると雑貨屋さんがあったので中に入っていろいろ揃えることにした。

 「え~と、下着と服が三セットずつと、歯磨き粉に歯ブラシ……あ、アメニティがある!」

 昨日、応急処置で使った香油も悪くはなかったけど、混合肌の私としてはサッパリ系の化粧品の方が使い心地が良い。生理用品もあったのでそれも購入した。支払いになるころには買い物かご一杯で結構な量になってしまったけれど、この世界にはお金以外何も持って来れなかったから仕方がない。私は水晶に腕輪をかざしてお会計を済ませると、大きな袋をよいしょと持って旅館に戻った。

 「ふぅ~、やっと着いた~!重かった~!!」

 サンタクロースみたいに袋を背負って歩いたせいで肩と腰がバキバキだ。とほほ、これで明日は筋肉痛だな……。こうして、転移して三日目は無事に終わったのだった。

 翌日は土砂降りの雨だった。翌々日も雨が続いて、傘を持っていない私は部屋の窓から外の様子をぼんやりと眺めていた。
 人に会わないのでフードを被らなくてもいいから楽ちんだけど、手持ち無沙汰で暇を持て余していた。
 ベッドに寝転がって天井をぼーっと眺める。
 多分だけど、このまま元の世界には戻れない気がした。両親が心配してるだろうなと思うと申し訳なく思うけど、再び社畜に戻る生活は絶対に嫌だった。
 けれど、この魔法とかモンスターがいる世界で、一人やっていけるのだろうか。いや、どう考えても無理でしょ。全くもって自信がない。せめて魔法がバンバン使えたら話は違っただろうけど、十五じゃぁねぇ……。

 結局、四日間悶々と考えあぐねた結果、私は奴隷商に足を運ぶことに決めた。


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