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メイランの古い洋館
屋敷に棲む少女
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その日の晩のこと。トイレに行こうと俺は寝袋から抜け出して教会の裏手へ向かっていた。
……その時外に何かの気配を感じて窓の方を振り向く。まさかとは思うが淫魔か!?
ぱっと見窓の外に影はない。が、スライム系の可能性も充分に考えられる。
一人で戦ったのではどうなるか分からないからな……慎重に窓を開け首だけ出して辺りを見回す。……うーん、何もいない、か?
「勇者様、だよね」
「っ!??」
突然死角から話しかけられて思わず窓から転げ落ちそうになる。冷や汗をかきながら振り向くと、そこには女の子が一人立っていた。
……いや、直前にそこも見ているはずなんだけどな……黒い服を着てたから見逃した……のか? まだ心臓がドクドク言っている。
「な、何をしてるんだキミは……こんな夜中に……というか外で!」
「それは大丈夫。人のいない夜は淫魔も活動を停止しているから」
少女はあっけらかんとして言う。だからって外にいるのはどうかと思うが……。
「それより勇者様なんでしょ。さっき戦ってるの見てた」
「あ、ああ……そうだけど……。見てた……ってことはやっぱり昼間も外にいるんじゃないか!?」
「私は安全な場所を知っているの。大丈夫だから今ここにいるんでしょう?」
それはそうだけども……なんなんだこの子は……全然つかみどころがない……。ツノや尻尾もないし上級淫魔というわけでもなさそうだし。
「それで勇者様にお願いなんだけど……おじいちゃんのうちにある淫魔石を破壊してほしいの」
「……へ?」
淫魔石のありかを知っているのか! それはまた話が変わってくる。
「おじいちゃんのうち……ってもしかして空き家になってるっていう屋敷のことか?」
「空き家……ううん、私が住んでたの。私があまり外に出ないからみんなは空き家だと思ってたみたいだけど」
住んでた……? 人が住んでる家を空き家と勘違いするかね……いやでもまあここで嘘つく必要もないし実際この子は住んでいたんだろうけど……。
「そしたら、ある日急に奥の部屋に淫魔石が現れて。なんとかしようとしたんだけど部屋の鍵が開かなくなって、しばらくしたら家の中から淫魔が溢れ出てくるようになっちゃって……」
「なるほど、屋敷の奥の部屋にあるんだな」
「うん。玄関を入って、目の前の狭い廊下を抜けた先の部屋にある。もともとはおじいちゃんの書斎だったんだけど」
有力な情報が手に入ったぞ。これで迷うことなく淫魔石破壊を目指すことができる。
「情報サンキューな! おかげで討伐が楽になりそうだ」
「それで、なんだけど……私も勇者様と一緒に戦わせてくれない?」
「え……別にダメじゃないけど……キミが??」
女の子は見た感じクララと同じくらいの歳の華奢な子で、胸くらいまである長い黒髪を綺麗に切り揃え、少し丈の長い黒パーカーを着ている。かなり普通の子だ。
「私ね、淫魔がどこにいるか分かるの」
「えっ」
「分かるというより感じる? 生まれつきの能力なのか分からないけど、分かるの。だから外にいても別に大丈夫だし、多分勇者様の役にも立つと思う」
それは確かに便利な能力だな……というかこの世界には勇者に与えられる能力以外にもパッシブスキル的なのが存在するのか。それもまた研究のしがいがありそうだ。
「いや、俺はいいんだけど、キミはそれでいいのか? 仲間になるってことはつまり……」
と俺が言い終わる前に、女の子はパーカーの前のチャックをすーっと下まで下ろした。その下には……成長途中の小さな膨らみ二つと先端に朱い蕾が一つずつ、そして下にはムダ毛一つないつるんとした丘がぼんやりとした灯りに浮かび上がっていた。
「準備はできてる」
……その時外に何かの気配を感じて窓の方を振り向く。まさかとは思うが淫魔か!?
ぱっと見窓の外に影はない。が、スライム系の可能性も充分に考えられる。
一人で戦ったのではどうなるか分からないからな……慎重に窓を開け首だけ出して辺りを見回す。……うーん、何もいない、か?
「勇者様、だよね」
「っ!??」
突然死角から話しかけられて思わず窓から転げ落ちそうになる。冷や汗をかきながら振り向くと、そこには女の子が一人立っていた。
……いや、直前にそこも見ているはずなんだけどな……黒い服を着てたから見逃した……のか? まだ心臓がドクドク言っている。
「な、何をしてるんだキミは……こんな夜中に……というか外で!」
「それは大丈夫。人のいない夜は淫魔も活動を停止しているから」
少女はあっけらかんとして言う。だからって外にいるのはどうかと思うが……。
「それより勇者様なんでしょ。さっき戦ってるの見てた」
「あ、ああ……そうだけど……。見てた……ってことはやっぱり昼間も外にいるんじゃないか!?」
「私は安全な場所を知っているの。大丈夫だから今ここにいるんでしょう?」
それはそうだけども……なんなんだこの子は……全然つかみどころがない……。ツノや尻尾もないし上級淫魔というわけでもなさそうだし。
「それで勇者様にお願いなんだけど……おじいちゃんのうちにある淫魔石を破壊してほしいの」
「……へ?」
淫魔石のありかを知っているのか! それはまた話が変わってくる。
「おじいちゃんのうち……ってもしかして空き家になってるっていう屋敷のことか?」
「空き家……ううん、私が住んでたの。私があまり外に出ないからみんなは空き家だと思ってたみたいだけど」
住んでた……? 人が住んでる家を空き家と勘違いするかね……いやでもまあここで嘘つく必要もないし実際この子は住んでいたんだろうけど……。
「そしたら、ある日急に奥の部屋に淫魔石が現れて。なんとかしようとしたんだけど部屋の鍵が開かなくなって、しばらくしたら家の中から淫魔が溢れ出てくるようになっちゃって……」
「なるほど、屋敷の奥の部屋にあるんだな」
「うん。玄関を入って、目の前の狭い廊下を抜けた先の部屋にある。もともとはおじいちゃんの書斎だったんだけど」
有力な情報が手に入ったぞ。これで迷うことなく淫魔石破壊を目指すことができる。
「情報サンキューな! おかげで討伐が楽になりそうだ」
「それで、なんだけど……私も勇者様と一緒に戦わせてくれない?」
「え……別にダメじゃないけど……キミが??」
女の子は見た感じクララと同じくらいの歳の華奢な子で、胸くらいまである長い黒髪を綺麗に切り揃え、少し丈の長い黒パーカーを着ている。かなり普通の子だ。
「私ね、淫魔がどこにいるか分かるの」
「えっ」
「分かるというより感じる? 生まれつきの能力なのか分からないけど、分かるの。だから外にいても別に大丈夫だし、多分勇者様の役にも立つと思う」
それは確かに便利な能力だな……というかこの世界には勇者に与えられる能力以外にもパッシブスキル的なのが存在するのか。それもまた研究のしがいがありそうだ。
「いや、俺はいいんだけど、キミはそれでいいのか? 仲間になるってことはつまり……」
と俺が言い終わる前に、女の子はパーカーの前のチャックをすーっと下まで下ろした。その下には……成長途中の小さな膨らみ二つと先端に朱い蕾が一つずつ、そして下にはムダ毛一つないつるんとした丘がぼんやりとした灯りに浮かび上がっていた。
「準備はできてる」
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すごく面白くて、次々と「次の話」ってクリックしてました。
エロ話のインプットは出来るけど、アウトプットは自分出来ていないので勉強になります。
今後とも宜しくお願いします。
芍薬甘草湯と申します。
ご感想ありがとうございます!!
励みになります!!
更新は不定期ですが書ける限り書き続けたいと思うので今後ともよろしくお願いします!!
エロゲファンタジーは好きだけど、少しでもNTR要素があるとメンタルにダメージが…
個人的な趣味が入ってるのでそこは申し訳ないです…!!
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