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平原の遺跡編

第二の淫魔石を撃破する!

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「いやはや、うぬの性器は素晴らしかった! あっぱれじゃ!」

「そんな褒められ方されても嬉しくね~……」

 ポルルトは目が覚めるなり上機嫌だった。パーティメンバー総出の陵辱好意がお眼鏡にかなってよかったよまったく。

「もしよかったらまた妾のところへ来るがよい! 最大限もてなすからの! ここへ来る近道は後で教える」

 まったく、見た目のお姉さん感に反してよく喋るヤツ……もとい神様だ。まあアストロデューテも同じようなもんだったか。

「それはいいんだが……」

「分かっておる。淫魔石じゃろう? そんな気を急ぐともよいというに……」

 話の腰を折られて口を尖らせてながらもポルルトはその場でふわりと浮き上がり「こっちじゃ」と何もない壁の方へ案内した。

「こっちと言われても……」

「この遺跡にはな、色々と仕掛けがあるのじゃよ、こういう風に」

 ポルルトが壁の煉瓦の一部を押し込むと、ゴゴゴという音と砂埃とともに壁の真ん中にパックリと通路ができ始めた。そしてその奥に怪しく光る淫魔石も見える。

「あれか!」

「見えてはいるがさっきもゆうた通り透明な結界が張られておってここから先は入れぬ。ひしゃくを貸してやるからそれで聖水を掛けるのじゃ」

 ポルルトがそう言った時にはロボットが聖水の入った盃とひしゃくを手にすぐ横まで来ていた。このロボットかなり役に立つ。

 ポルルトが言った通りひしゃくで聖水をひとすくいし、何もあるようには見えない通路の方へとばら撒いた。すると透明な何かに当たって聖水は空中で弾ける。

 と、その辺りにぼやーっとシャボン玉のような膜が見え始め、グネグネと歪な形になったかと思うとそのままパリンっと割れて消えてしまった。これで結界はなくなったはずだ。

「これで二つ目だ」

 刀を前に突き出し、通路の奥にある紫色の結晶に向けて軽く振った。今回も淫魔石はすぐにひび割れ、そして粉々に砕け散ってカケラすらも残らず消えてしまった。

 これで二個目の淫魔石。ゲームで言えばステージ2クリアというわけだ。

「うぬはもうそのまま次の淫魔石の元へ行ってしまうのであろう?」

「それはもちろん。それが勇者の務めだからな」

 当たり前のように俺が返すと、ポルルトは急にもじもじし出した。なんだなんだ、俺に告白でもするつもりか。

「本当に、時々でいいから遊びに来るんじゃぞ……また何百年も一人でいるのは寂しいのじゃ……」

 ポルルトは涙ぐみながらそんなお願いをしてくる。まあ確かに何百年も一人でいるのは流石に同情してやろう……。

「分かったよ。世界を救ったあとに、な」

「ほんとか!? 約束じゃぞ!?」

 今度は目を輝かせて。本当に精神はロリだなこいつ。

「そういえばさっき近道を教えるとか言ってたな。出る時もそこが早いんだろ」

「そうなるのう。この淫魔石のあった通路を進んでいけばその近道じゃ。目印に巨大な岩が置いてあるし、メイランの町から西にまっすぐ進めば辿り着くからとても分かりやすいのじゃよ!」

「……つまり出てまっすぐ東へ進めばメイランの町ってことか」

「そうじゃよ。歩いても半日足らずで着くであろう。だから絶対また来るんじゃぞ。待っておるからの!!」

「分かった分かった……とりあえず今日のところは失礼するよ」

 お見送りもそこそこに、俺たちは狭い「近道」の通路へと入り込んだ。トラップとかもなく、ただただ進むだけのようだ。

 まだ見ぬ次の淫魔石を目標にしながら、一行は先へ先へと進んでいくのであった。
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