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平原の遺跡編
猛毒ヘビに要注意!
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「はあ、はあ、そろそろ休憩にしないか……」
「何を言ってるんですかヒロキ様。まだ歩き始めたばっかりですよ」
アナはそう言うが朝に出発して日は既に真上で燦燦と照っている。かれこれ五時間近くはこの森の中を歩いているのではないだろうか。
淫魔が出なければただの森。別段代わり映えもなく、ただの森。これならまだ淫魔と戦いながらのほうが張り合いがあるってもんだよ……。
「勇者様! ここに呪いの壺のようなものが!」
「触るな!!」
「もう持ってきちゃいました!」
「なんでだよ!! 早く捨てろそんなもん!!」
おまけにスピカのドジを超えたトラブルメイキング……。ここまでに毒キノコと不発弾となんかよく分からんきめえ虫となぜか赤く光ってる髑髏を持ってきている。なぜそれを持ってこようと思うんだ。とりあえずじっとしててくれ。
「なあ、本当に少しくらい休憩しないか……もう足が棒だぞ……」
「もう、ヒロキ様は体力がないですね。淫魔討伐の時以外だらだらしてたツケですよ」
そんなこと言われても元々ただの平社員だったんだから、体力なんかなくて当たり前だ。こっちの世界に来てから派遣の特訓だってしているし俺としてはかなり運動していたほうだったんだが……。
「仕方がないのでこのあたりでお茶にでもしましょうか……」
「あー-------!!!!!!」
「今度はなんだ!?」
せっかくアナが休憩にしようとしてくれてんだ! 邪魔すんな!! というか今度は何を持ってくるつもりだ……。
「砂漠ですよ! ほら!」
「何?!」
スピカが喜び勇んで駆けていく。その方向に木がなくなって開けているところが遠くではあるが見えていた。
「やっとか……!」
ズタボロだった俺の体もひとまず目的にしていた砂漠について少しだけ軽くなる。何よりこのうっそうとした何もない森とおさらばできるのが何より嬉しい。
「話には聞いていましたが……広いですね」
アナは見渡す限りの砂の大地を見て感嘆の声を上げる。砂漠は地平線まで続いていて終わりが見えない。「広い」だけじゃ言い表せないくらい広い。琵琶湖くらい広い。
「でも砂漠って言っても意外に草は生えてるんだな。砂漠っていうとこう、サボテンとラクダしかいないイメージがあった」
「厳密にはポポル平原と言います。砂だらけとはいえ動物もいっぱい住んでいるんですよ」
なるほど、要はサバンナみたいなもんか。……とするとライオンやなんかがいる可能性があるってことじゃねえか……。
「見てみてー!!」
「今度はなんだ!? まさかライオンか!?」
「違いますよ~」
「な、なんだ」
「ヘビです」
は?
スピカの手には……確かにまぎれもなくヘビが収まっている。そしてそいつは普通に生きている。
「な、何してんだお前はああああ!!」
「シャー-ッッッ!!!」
明らかに敵対心丸出しじゃねえか!! 早く放さないと……!
「プシャー!!!!」
「ひえぇ!」
「スピカ!!」
ヘビはスピカに対して紫色の霧状のものを吹きかける。まさか毒か!?
スピカはそれに面食らってヘビを取り落とす。ゲホゲホと咳き込んでいるが……。
「大丈夫か!? 体がしびれたりしてないか!?」
「え、っと……多分大丈夫です」
スピカは自分の手や足やスカートの中を確認するが特に問題ないようだ。……なんでスカートの中を確認した??
「ヒロキ様! こいつはビャクスネークです! 淫魔です!!」
「淫魔!?」
クロス村の淫魔石の範囲で淫魔が出ることはもうない。つまり他の淫魔石の範囲に入ったってことか……!
「はい、このヘビの毒に侵されると……」
「アナ!! 足元!!」
アナが説明している途中に別の方向からヘビが一匹アナに近づいていた。気付いた時にはもう遅く……。
「プシューー!!!!」
アナも紫の霧を浴びせかけられてしまった……。大事なところを聞くことができなかったが、要は霧を吹きかけられる前に倒しゃいいんだろ!
「よくも二人を!!」
できるだけ足のバネを使って加速し素早くヘビに剣を振り下ろす!!
「ふぎゃっ」
……? 思ってたよりもあっさり倒せたな。もう一匹!!
「ふぎっ」
……こいつら、もしかして弱いか? ゴブリンやスライムのことがあったから用心していたんだが……なんだか拍子抜けだな。
「勇者様ぁ~」
「はあ……今度はなん……」
スピカに話しかけられて「またか」と思って振り向くと……いつの間にかスピカは全裸でそこに突っ立っていた。
「何を言ってるんですかヒロキ様。まだ歩き始めたばっかりですよ」
アナはそう言うが朝に出発して日は既に真上で燦燦と照っている。かれこれ五時間近くはこの森の中を歩いているのではないだろうか。
淫魔が出なければただの森。別段代わり映えもなく、ただの森。これならまだ淫魔と戦いながらのほうが張り合いがあるってもんだよ……。
「勇者様! ここに呪いの壺のようなものが!」
「触るな!!」
「もう持ってきちゃいました!」
「なんでだよ!! 早く捨てろそんなもん!!」
おまけにスピカのドジを超えたトラブルメイキング……。ここまでに毒キノコと不発弾となんかよく分からんきめえ虫となぜか赤く光ってる髑髏を持ってきている。なぜそれを持ってこようと思うんだ。とりあえずじっとしててくれ。
「なあ、本当に少しくらい休憩しないか……もう足が棒だぞ……」
「もう、ヒロキ様は体力がないですね。淫魔討伐の時以外だらだらしてたツケですよ」
そんなこと言われても元々ただの平社員だったんだから、体力なんかなくて当たり前だ。こっちの世界に来てから派遣の特訓だってしているし俺としてはかなり運動していたほうだったんだが……。
「仕方がないのでこのあたりでお茶にでもしましょうか……」
「あー-------!!!!!!」
「今度はなんだ!?」
せっかくアナが休憩にしようとしてくれてんだ! 邪魔すんな!! というか今度は何を持ってくるつもりだ……。
「砂漠ですよ! ほら!」
「何?!」
スピカが喜び勇んで駆けていく。その方向に木がなくなって開けているところが遠くではあるが見えていた。
「やっとか……!」
ズタボロだった俺の体もひとまず目的にしていた砂漠について少しだけ軽くなる。何よりこのうっそうとした何もない森とおさらばできるのが何より嬉しい。
「話には聞いていましたが……広いですね」
アナは見渡す限りの砂の大地を見て感嘆の声を上げる。砂漠は地平線まで続いていて終わりが見えない。「広い」だけじゃ言い表せないくらい広い。琵琶湖くらい広い。
「でも砂漠って言っても意外に草は生えてるんだな。砂漠っていうとこう、サボテンとラクダしかいないイメージがあった」
「厳密にはポポル平原と言います。砂だらけとはいえ動物もいっぱい住んでいるんですよ」
なるほど、要はサバンナみたいなもんか。……とするとライオンやなんかがいる可能性があるってことじゃねえか……。
「見てみてー!!」
「今度はなんだ!? まさかライオンか!?」
「違いますよ~」
「な、なんだ」
「ヘビです」
は?
スピカの手には……確かにまぎれもなくヘビが収まっている。そしてそいつは普通に生きている。
「な、何してんだお前はああああ!!」
「シャー-ッッッ!!!」
明らかに敵対心丸出しじゃねえか!! 早く放さないと……!
「プシャー!!!!」
「ひえぇ!」
「スピカ!!」
ヘビはスピカに対して紫色の霧状のものを吹きかける。まさか毒か!?
スピカはそれに面食らってヘビを取り落とす。ゲホゲホと咳き込んでいるが……。
「大丈夫か!? 体がしびれたりしてないか!?」
「え、っと……多分大丈夫です」
スピカは自分の手や足やスカートの中を確認するが特に問題ないようだ。……なんでスカートの中を確認した??
「ヒロキ様! こいつはビャクスネークです! 淫魔です!!」
「淫魔!?」
クロス村の淫魔石の範囲で淫魔が出ることはもうない。つまり他の淫魔石の範囲に入ったってことか……!
「はい、このヘビの毒に侵されると……」
「アナ!! 足元!!」
アナが説明している途中に別の方向からヘビが一匹アナに近づいていた。気付いた時にはもう遅く……。
「プシューー!!!!」
アナも紫の霧を浴びせかけられてしまった……。大事なところを聞くことができなかったが、要は霧を吹きかけられる前に倒しゃいいんだろ!
「よくも二人を!!」
できるだけ足のバネを使って加速し素早くヘビに剣を振り下ろす!!
「ふぎゃっ」
……? 思ってたよりもあっさり倒せたな。もう一匹!!
「ふぎっ」
……こいつら、もしかして弱いか? ゴブリンやスライムのことがあったから用心していたんだが……なんだか拍子抜けだな。
「勇者様ぁ~」
「はあ……今度はなん……」
スピカに話しかけられて「またか」と思って振り向くと……いつの間にかスピカは全裸でそこに突っ立っていた。
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