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クロス村編

再戦!タチバックウルフ!

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「このゆうわくの森にタチバックウルフならうじゃうじゃいるはずですよ!」

 俺はアナについて最初に俺が倒れていた森へとやってきた。確かに昨日その変態ウルフと鉢合わせたのも村へ向かってこの森を歩いてた時だったしなあ。

「にしても、この森って普通の動物はいないのか?」

 あたりを見回してもリスなどの小動物や小鳥などは何一つ見当たらない。見渡す限り鬱蒼とした木々が植わっていて、ところどころにコケやきのこが生えている程度だ。

「確かに見たことないですね……タチバックウルフが食べてしまったんでしょうか……」

「淫魔が動物を食べるのか?」

「さあ……」

 サキュバスとかは男の精力を栄養に変えて生きているイメージがあるが、この世界の淫魔ってやつは普通に肉食性なのか? それはそれである意味平和的な淫魔だが。……平和的な淫魔ってなんだ。

「うーん、会いたい時に出てきてくれませんねえ。嫌な時にはこれでもかと出てくるのに」

 RPGあるあるというか、セーブしようとか思ってる時に限って死角から飛び出てきた若干強いヤツに殺されるよな。ダンジョン内とかだとマジで最悪。

「あ、ここにタチバックウルフの精液がありましたよ!」

「うわあ」

「臭いも濃いですしまだ近くにいるはずです!」

 その辺に精液落っこちてるとか最悪じゃん……。今更だけど嫌だなこの森。なんで精液なんか出していくんだよあのウルフ……まさか、マーキングなのか……??

「あ、いました! タチバックウルフです!!」

 アナが奥の方を指差して叫んだ。確かに三十メートルくらい先にのそのそ歩いているタチバックウルフが見える。「タチ」バックって名前のくせに四足歩行なんだよなこいつ。

「さっきも言いましたけどヒロキ様の装備はほとんど役に立ちませんから今は少し離れていてくださいね」

「お、おう」

 ヒロインに守ってもらう勇者の存在意義って一体……?

 アナは魔法の杖を右手に構えると、タチバックウルフの目の前に飛び出していった。杖を一振りすると見覚えのある火の玉たちがタチバックウルフに向かって次々に飛んでいく。

「がるるっ!!」

 急に火の玉に襲撃されたタチバックウルフは当然キバを剥いてアナに襲い掛かった。鋭い爪がアナのローブを傷付ける。

「ぐっ……まだまだ!!」

 アナは懸命に火の玉を放ち続けるが、昨日同様まるで効いているような感じがしない。まあ昨日倒せたんだしダメージは入ってるんだろうけど……。

「きゃあっ!!」

 度重なるタチバックウルフの攻撃で、またしてもアナの装備が剥がれ落ちていく。最初はローブが消え失せ、今度はスカートが蒸発した。昨日はブラウスからだったのでもしかしたら消える衣服の順番はある程度ランダムなのかもしれない。

 そう、スカートがなくなったので今アナはパンツ丸出し。今日は黒のデザインの凝ったやつかあ。大きいお尻をきゅっと引き締めてる感じですごいえっちだ。なにより今上がブラウスに下がパンツという状況なので露出狂じみてて余計にえっち度が増していた。

 ――その時だった。急にタチバックウルフが立ち上がったのは。

「えっ?」

 アナは避ける暇もなくウルフに後ろを取られ、両腕を掴まれて拘束された。

「しまった……!」

 ――そう、俺らはすっかり忘れていたんだ。このゲームがエロゲーだってことに。

「嫌っ……!」

 ――そして、あのウルフが股間にとんでもないサイズのペ〇スを携えていることに。
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