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カーフ・インダスト

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「なにかしらね……。臨時集会って」
「きっと、あの三人の件よ!」
「いやぁ……。ユーラの復讐って話も聞くよ?」
「怖いなぁ……。関わらなくて良かったぁ」

魔法で校内放送を操作し、生徒全員を第一ホールに向かわせた。

サリックの変顔を見て……。どんな反応をするかしら。
ちょっと、その反応を見てみたかったけど。

私はその間に、やるべきことがある。

学園長――カーフ・インダスト。

スイーナと一緒に、ユーラを虐めていた張本人。
バッテンガルムの王族とも繋がっていて、ユーラ以外にも、学園長の仕業で、酷い目に遭っている子がいるとか……。

学園長室へ、ノックせずに押し入った。

「だ、誰ですか!」

若い学園長だ。
白銀の髪、碧い瞳……。

バッテンガルムの、名家の出身であることを示す、赤いブローチを付けている。

「カーフ・インダスト。学園長……。そうですね?」
「……全て察しました。あなたが、この事件の犯人ですね?」
「事件、犯人……。その言葉を、そっくりそのまま、あなたの生き様にも適用したいくらいです」
「何を……」
「王族の指示を受け、スイーナと共に、ユーラを虐めた……。時には暴力まで振るって、彼女を……」
「このようなことをして、タダでは済みませんよ? すでに、王国には連絡を」
「できていないでしょう?」
「……」

カーフが、舌打ちをした。
私の魔法で、今の学園は、外部と連絡が取れないようにしてある。

「カーフ。もし今、ユーラに全てを謝罪するのであれば、この学園への復讐は、これを持って終了とさせていただきます」
「謝罪……? バカなことをおっしゃる。私が何をしたというのですか」
「……皆、そう言いますね。ただ少し、頭を下げることが、どうしてできないのでしょう」

若さでしょうか。
学園長の器とは、到底思えません。

……こんな学園、存在価値なんて、ありませんから。

私は魔法で……。
全ての生徒が、第一ホールに移動したことを確認しました。

そして、学園長と共に、転移魔法で、校舎の外へ移動。

「なっ……。あなた、どういうつもりなの?」
「その目に焼き付けてください。――学園が、崩壊するところを」
「なにを……」

学園に、向けて、杖をかざした。
三つある校舎……。

――全部、壊す。

「い、いやあぁああ!!!?」

カーフが、頭を抱えている。
目の前の光景が、信じられないのだろう。

さっきまで、立派にそびえ立っていた、三つの校舎。
一瞬にして、ただの瓦礫と化した。

「なんてことするのよぉ!!!!」

カーフが、私に掴みかかってくる。

「この、この校舎は! 我がインダスト家が、何代も前から、大切に守り抜いてきた……。伝統ある校舎なのです! 今すぐ戻しなさい! 早く!」
「……ふふっ」
「……何がおかしいのです!」
「これは、学園に対する制裁」
「は……?」
「これから、カーフ・インダスト。あなたへの制裁を加えます」

私は、掴みかかってきているカーフを、地面に投げ捨てた。

「さぁて……。どう料理してあげましょうかね」

カーフの目に涙が浮かんだ。
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