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エピローグ
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あれから、四年が経った。
私はガナンドと結婚し、一人の女の子を授かった。
「ママぁ~。おんぶ~」
名前は、オリーブ。
三歳になって、最近はもう、随分と活発に動くようになった。
「はいはい。よいしょっと」
私はオリーブをおんぶした。
そして、庭に出て、一緒に花を観察する。
「ママ~。お花綺麗だね~!」
「そうだね……」
「でも、ママの方が綺麗~!」
「まぁ……」
三歳児は、お世辞を言えないと思う。
この言葉は……。ありがたく受け止めておこう。
「そうだね。僕も、ママの方が綺麗だと思うよ」
「ガ、ガナンド……。いたの?」
いきなり現れたガナンドが、いたずらっぽく笑った。
「ごめんごめん。驚かせるつもりはなかったんだけど」
「パパ~! おんぶ!」
「はいはい……」
オリーブは、私よりも、ガナンドの方に懐いている。
……正直、嫉妬してしまう。
「……そんな目で見ないでくれよ。ルイーザ」
「だって……」
「あとで、ルイーザもおんぶしてあげるから」
「そういう問題じゃないから!」
「あぁ~! ママが怒った~!」
「怖い怖い! 逃げろ~!」
ガナンドが、走り出した。
「待ちなさい! こら~!」
私はそれを、追いかける。
ガナンドはゆっくりだし、追いつこうと思えば、追いつけるけど……。
私はさらに遅いスピードで、二人を追いかけた。
「ママ遅いよ~? 早く早く~!」
オリーブが、こちらに手招きをする動作が……。どうしても可愛くて。
聖女になってから、運動する機会が少し減ったので、体力には自信が無いけれど。
いつまでも追いかけていたい。そんな気持ちだった。
私は……。とっても幸せだ。
私はガナンドと結婚し、一人の女の子を授かった。
「ママぁ~。おんぶ~」
名前は、オリーブ。
三歳になって、最近はもう、随分と活発に動くようになった。
「はいはい。よいしょっと」
私はオリーブをおんぶした。
そして、庭に出て、一緒に花を観察する。
「ママ~。お花綺麗だね~!」
「そうだね……」
「でも、ママの方が綺麗~!」
「まぁ……」
三歳児は、お世辞を言えないと思う。
この言葉は……。ありがたく受け止めておこう。
「そうだね。僕も、ママの方が綺麗だと思うよ」
「ガ、ガナンド……。いたの?」
いきなり現れたガナンドが、いたずらっぽく笑った。
「ごめんごめん。驚かせるつもりはなかったんだけど」
「パパ~! おんぶ!」
「はいはい……」
オリーブは、私よりも、ガナンドの方に懐いている。
……正直、嫉妬してしまう。
「……そんな目で見ないでくれよ。ルイーザ」
「だって……」
「あとで、ルイーザもおんぶしてあげるから」
「そういう問題じゃないから!」
「あぁ~! ママが怒った~!」
「怖い怖い! 逃げろ~!」
ガナンドが、走り出した。
「待ちなさい! こら~!」
私はそれを、追いかける。
ガナンドはゆっくりだし、追いつこうと思えば、追いつけるけど……。
私はさらに遅いスピードで、二人を追いかけた。
「ママ遅いよ~? 早く早く~!」
オリーブが、こちらに手招きをする動作が……。どうしても可愛くて。
聖女になってから、運動する機会が少し減ったので、体力には自信が無いけれど。
いつまでも追いかけていたい。そんな気持ちだった。
私は……。とっても幸せだ。
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退会済ユーザのコメントです
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