田舎娘をバカにした令嬢の末路

冬吹せいら

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卒業パーティ

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卒業式が終わり、これからパーティが始まる。

「それでは……。バッテンデン学園。第百六十三期生……。首席のスピーチを、これより始めていただこうかと思います……。……オーロラ・レンジ―! どうぞ前へ!」
「オーロラ! 頑張って!」
「オーロラーー! 噛んだらダメよ~!!!」

みんなの拍手を受け、私はマイクの前に立った。

「えぇ~っと」

私が話し始めると、一気に会場が静かになった。
さっきまで、楽しい気分だったのに、一気に緊張してしまう。

「えっと、みなさんこんにちは。オーロラ・レンジ―です」

堪え切れず……。
といった様子で、また会場が賑やかになった。

この一年間で、わかったことだけど……。
どうやら私は、ちょっと抜けてるところがあるらしくて。
今も、どうして笑いが起こったのか、全くわからない。

困ったように、学園長に視線を送る。

「……オーロラ。君がオーロラ・レンジ―であることは、一年間共に過ごした、ここにいるみんなは、きっと知っていると思うよ?」

そういうことか……。
だけど、一応こんな、人前に立つんだし、名乗っておかないとって思って。

……さて。
ちゃんとしよう。
せっかく、卒業パーティでのスピーチだなんて、大仕事を承ったのだから。

「ここに立つと……。入学前の、パーティのことを思い出します」

また、笑いが起こった。
おかしいなぁ……。なんで?

「私は、入学試験で、一番になってしまって……。それが原因で、とある生徒に、怒られてしまいました」

みんなの視線が、後ろに集まる。
ナイザー王子が、恥ずかしそうに俯いていた。

あの一件があった後、なんだかんだで、ナイザー王子は、みんなと仲良くやっていたように思う。
完全な被害者だったけど、ディアナを最後まで信じたその姿勢は、女子生徒から、とても評判が良くて……。

……そのディアナの姿は、全然見かけないけど。
今頃、元気でやっているのだろうか。

「だけど、アレがあったから、今私は、ここに立つことができている。そういう風にも思います」

気持ちを引き締める。じゃないけど……。
普通にしていたって、人を不快にさせてしまうことはある。

それを、しっかりと、学ぶことができた、良い機会だった。

だから私は、ディアナには感謝している。

「えっと……。もう、特に話すこと、無いんですけど」
「そうか……。君らしいな」

学園長が、呆れながら笑ってくれた。

会場が大きな拍手に包まれ……。
私は幸せな気分で、スピーチを終えた。

……これで良かったのかな。

みんな笑ってるし、いいんだよね。
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