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ナイザー王子の懸念
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「ディアナ。待ってくれ。一旦ここで、話をしよう」
パーティ会場を出て、しばらくナイザー様と歩いていたが、ちょうど人のいない場所が見つかったので、話し合うことにした。
「すいません。ナイザー様……」
私は、甘えるように、ナイザー様にもたれた。
背中にそっと、手を添えてくれる。
この、包み込むような温もりが、私は大好きだった。
まるで、全て許されるかのような感覚……。
何時間でも、こうしていたいけど。
ちゃんと、話し合いをしないといけない。
「……君は言ったよね。オーロラが、試験官に、金を渡すところを見たって」
「……はい。言いました」
「だけど、学園長は、それを否定していた……」
「ナイザー様。信じてください。学園長もきっと、オーロラに買収されています。あの場には、いませんでした……。私、この目で間違いなく、彼女がお金を渡すところを、見たんです」
「そうか……。うん。僕は君の婚約者だ。何があっても、君を信じるよ」
「ありがとうございます」
ナイザー王子とは、学園を卒業した後に、正式に結婚することが決まっている。
……こんなところで、つまづきたくない。
カルホーン家に生まれた以上、一番の成績で、学園に入学し、そのまま首席として、卒業する必要がある。
これは、決められた運命なのだ。
それを乱すヤツは……。
どんな手を使ってでも、蹴落とす。
「カルホーン家には、歴史に名を残す大賢者が、何人もいる……。君もいずれ、そのうちの一人になるよ」
「ありがとうございます……。その時には、きっと、ナイザー様は、素晴らしい国王になっていることでしょう」
「あはは。そうだといいね」
「そうだといい。ではなく、そうなるのです……。必ず」
私は、ナイザー様の目を見て、はっきりと伝えた。
だけど……。
なぜか、ナイザー様は、悲しい目をしている。
「……どうされたのですか?」
「ディアナ。君は……。僕に、嘘をついていないね?」
「嘘……? とんでもない。つくはずがありません」
「本当かい?」
「本当です。神に誓います」
「……うん」
ナイザー様は、深く頷くと、私の背中を、また優しく撫でてくれた。
まさか……。ナイザー様は、気が付いているのだろうか。
いや、そんなはずはない。
「明日の模擬戦のために、早く体を休めないとね。家まで送るよ」
「ありがとうございます」
ナイザー様と手を繋いで、家まで送ってもらった。
その間、特に会話はなく。
……ナイザー様の手から、確かな緊張が、伝わってくるのがわかった。
絶対に、模擬戦では、勝たなければいけない。
そうでないと、このままでは……。
パーティ会場を出て、しばらくナイザー様と歩いていたが、ちょうど人のいない場所が見つかったので、話し合うことにした。
「すいません。ナイザー様……」
私は、甘えるように、ナイザー様にもたれた。
背中にそっと、手を添えてくれる。
この、包み込むような温もりが、私は大好きだった。
まるで、全て許されるかのような感覚……。
何時間でも、こうしていたいけど。
ちゃんと、話し合いをしないといけない。
「……君は言ったよね。オーロラが、試験官に、金を渡すところを見たって」
「……はい。言いました」
「だけど、学園長は、それを否定していた……」
「ナイザー様。信じてください。学園長もきっと、オーロラに買収されています。あの場には、いませんでした……。私、この目で間違いなく、彼女がお金を渡すところを、見たんです」
「そうか……。うん。僕は君の婚約者だ。何があっても、君を信じるよ」
「ありがとうございます」
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「あはは。そうだといいね」
「そうだといい。ではなく、そうなるのです……。必ず」
私は、ナイザー様の目を見て、はっきりと伝えた。
だけど……。
なぜか、ナイザー様は、悲しい目をしている。
「……どうされたのですか?」
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「嘘……? とんでもない。つくはずがありません」
「本当かい?」
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「……うん」
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まさか……。ナイザー様は、気が付いているのだろうか。
いや、そんなはずはない。
「明日の模擬戦のために、早く体を休めないとね。家まで送るよ」
「ありがとうございます」
ナイザー様と手を繋いで、家まで送ってもらった。
その間、特に会話はなく。
……ナイザー様の手から、確かな緊張が、伝わってくるのがわかった。
絶対に、模擬戦では、勝たなければいけない。
そうでないと、このままでは……。
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