8 / 8
ハッピーエンド
しおりを挟む
「ただいまより!アカモミ国の王女、アリア―ラと、イーシャーカンの王子、セイントの婚約式を始めます!!!」
大勢の人が集まってくれた。
パパもクレアンも、大声で泣いてくれている。
アカモミ国は、世界最大の輸出国として認められるまでに成長した。
民の生活態度が大変理想的だとされて、その生活の知恵などは、すぐに大国にも広まっていき、世界全体が平和になっていった。
『節約』
それはかつて、スキルと勘違いされることもあったくらい、馴染みの無い行動だった。
けれど私が……。村人を通じて、そして、隣国を通じて……。世界に届けることで、今や世界の常識となったのだ。
「アリア―ラ様、行きましょう」
「そうですね」
セイント様に手を引かれ、長い長い道を、大勢の民に見守られながら、歩いて行く。
本当に幸せな気持ちだ。大好きな人と一緒にいられることを、これだけ多くの人に祝福してもらえる。
「婚約式、遅くなってしまって、申し訳ございません」
私が言うと、セイント様は首を横に振った。
「アカモミ国が、世界に認められるまでは、そちらに尽力したい。その気持ちは、僕も同じでしたから。むしろ、こうして全てを成し遂げてから、この式を迎えられたからこそ、これだけ多くの人の祝福を受けることができたのですよ」
「セイント様……」
今すぐここで、セイント様の胸に飛び込みたい気持ちだったけど、さすがにやめておいた。後で部屋に戻ってから、いくらでもイチャイチャすればいい。
節約を続けてきたことで、ここまでやってこれた。
私のしてきたことは、間違いじゃなかった。
それを示す、最高の式にしよう。
そう思いながら、幸せな道を歩いた。
大勢の人が集まってくれた。
パパもクレアンも、大声で泣いてくれている。
アカモミ国は、世界最大の輸出国として認められるまでに成長した。
民の生活態度が大変理想的だとされて、その生活の知恵などは、すぐに大国にも広まっていき、世界全体が平和になっていった。
『節約』
それはかつて、スキルと勘違いされることもあったくらい、馴染みの無い行動だった。
けれど私が……。村人を通じて、そして、隣国を通じて……。世界に届けることで、今や世界の常識となったのだ。
「アリア―ラ様、行きましょう」
「そうですね」
セイント様に手を引かれ、長い長い道を、大勢の民に見守られながら、歩いて行く。
本当に幸せな気持ちだ。大好きな人と一緒にいられることを、これだけ多くの人に祝福してもらえる。
「婚約式、遅くなってしまって、申し訳ございません」
私が言うと、セイント様は首を横に振った。
「アカモミ国が、世界に認められるまでは、そちらに尽力したい。その気持ちは、僕も同じでしたから。むしろ、こうして全てを成し遂げてから、この式を迎えられたからこそ、これだけ多くの人の祝福を受けることができたのですよ」
「セイント様……」
今すぐここで、セイント様の胸に飛び込みたい気持ちだったけど、さすがにやめておいた。後で部屋に戻ってから、いくらでもイチャイチャすればいい。
節約を続けてきたことで、ここまでやってこれた。
私のしてきたことは、間違いじゃなかった。
それを示す、最高の式にしよう。
そう思いながら、幸せな道を歩いた。
1
お気に入りに追加
74
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
変な転入生が現れましたので色々ご指摘さしあげたら、悪役令嬢呼ばわりされましたわ
奏音 美都
恋愛
上流階級の貴族子息や令嬢が通うロイヤル学院に、庶民階級からの特待生が転入してきましたの。
スチュワートやロナルド、アリアにジョセフィーンといった名前が並ぶ中……ハルコだなんて、おかしな
幼馴染みが皇帝になった件
日下奈緒
恋愛
アンヌは幼馴染みのヴィクトルとアリスティドと今も仲良しだ。だがある日、現皇帝が亡くなり跡を継いだのは気の知れたヴィクトルだった。逆ハー×シンデレラストーリー。
少し上の家柄の婚約者に散々見下され浮気までされて婚約破棄となりましたが、その後良き出会いに恵まれました!
四季
恋愛
ラスティナは少し上の家柄の青年オフィティと婚約していた。
しかし彼はいつからかラスティナを見下すようになる。
そして運命の日、ラスティナはオフィティが他の女ととても親しくしているところを目撃してしまい……。
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
王宮医務室にお休みはありません。~休日出勤に疲れていたら、結婚前提のお付き合いを希望していたらしい騎士さまとデートをすることになりました。~
石河 翠
恋愛
王宮の医務室に勤める主人公。彼女は、連続する遅番と休日出勤に疲れはてていた。そんなある日、彼女はひそかに片思いをしていた騎士ウィリアムから夕食に誘われる。
食事に向かう途中、彼女は憧れていたお菓子「マリトッツォ」をウィリアムと美味しく食べるのだった。
そして休日出勤の当日。なぜか、彼女は怒り心頭の男になぐりこまれる。なんと、彼女に仕事を押しつけている先輩は、父親には自分が仕事を押しつけられていると話していたらしい。
しかし、そんな先輩にも実は誰にも相談できない事情があったのだ。ピンチに陥る彼女を救ったのは、やはりウィリアム。ふたりの距離は急速に近づいて……。
何事にも真面目で一生懸命な主人公と、誠実な騎士との恋物語。
扉絵は管澤捻さまに描いていただきました。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
婚約者が王子に加担してザマァ婚約破棄したので父親の騎士団長様に責任をとって結婚してもらうことにしました
山田ジギタリス
恋愛
女騎士マリーゴールドには幼馴染で姉弟のように育った婚約者のマックスが居た。
でも、彼は王子の婚約破棄劇の当事者の一人となってしまい、婚約は解消されてしまう。
そこで息子のやらかしは親の責任と婚約者の父親で騎士団長のアレックスに妻にしてくれと頼む。
長いこと男やもめで女っ気のなかったアレックスはぐいぐい来るマリーゴールドに推されっぱなしだけど、先輩騎士でもあるマリーゴールドの母親は一筋縄でいかなくて。
脳筋イノシシ娘の猪突猛進劇です、
「ザマァされるはずのヒロインに転生してしまった」
「なりすましヒロインの娘」
と同じ世界です。
このお話は小説家になろうにも投稿しています
嫌われ王妃の一生 ~ 将来の王を導こうとしたが、王太子優秀すぎません? 〜
悠月 星花
恋愛
嫌われ王妃の一生 ~ 後妻として王妃になりましたが、王太子を亡き者にして処刑になるのはごめんです。将来の王を導こうと決心しましたが、王太子優秀すぎませんか? 〜
嫁いだ先の小国の王妃となった私リリアーナ。
陛下と夫を呼ぶが、私には見向きもせず、「処刑せよ」と無慈悲な王の声。
無視をされ続けた心は、逆らう気力もなく項垂れ、首が飛んでいく。
夢を見ていたのか、自身の部屋で姉に起こされ目を覚ます。
怖い夢をみたと姉に甘えてはいたが、現実には先の小国へ嫁ぐことは決まっており……
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
ご感想ありがとうございます!
追放者サイドですか!検討します!