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商談する節約令嬢。
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「お、おおおお……」
村人たちから歓声が上がる。大量に育った作物たちが、元気な顔を見せてくれていたのだ。
早速、士気の上がった村人たちと、あっという間に作物を回収。村人の分を残して、もう一度種を蒔く班と、私と一緒に大国へ売りに行く班とで別れた。
大国、イーシャーカン。水源豊かな土地で、資源が豊富なので、争いが怒らない平和な国。ただ、作物の方はというと、輸入に頼っているみたい。
「やぁやぁ。まさかテスカトル家のご令嬢が、こんな小国へおいでくださるとは……。話は伺っておりますぞ。国王と喧嘩中なのだとか」
「えぇ!だからこうして、自分一人でも行動できることを証明しているの!」
「勇敢なお方だ……。我が息子にも見習ってもらいたいものじゃのう」
イーシャーカンの国王はとても穏やかだ。うちのパパとは大違い!確かに国の大きさでは、こっちが上だけど、国王の質は比べ物にならないほど負けてるわね!
「それで、作物を売ってくださるというのは、本当ですかな?」
「もちろん。トンマーに、モロコシ―ト、ナーシュ、コロブリー……」
「すごいですのう……。是非購入させてくだされ」
すぐに商談がまとまった。だいたい全部で十万ラクターくらい。村人に伝えたら驚くでしょうけど……。これはまだまだ、始まりにすぎないのよね!
村に戻り、畑にクレアンと一緒に白魔法をかけた。そして、ポリッシャー班の様子を見に行くと……。
「す、すごいじゃないみんな!もうスキルを取得したの!?」
どうやら相乗効果が大きかったらしく、全員がすでにポリッシャーのスキルを得ていた。
クレアンと一緒に、また別の大国へ。このあたりの森を管理している国だ。
「こんにちは。私が森を任されております。聖女のアンバルルです」
「ほぇ~。聖女様が森を?」
「はい。この森にはたくさんの生き物が生息しておりまして……。祈りが必用なのです」
なるほど。そういうことか。
「あの……。だとすると、質の悪い木は、すぐに廃棄に?」
「そうなのです。心が痛みますが、念入りに祈りを込めて、まとめて捨てるようにしています」
「……ということは、その木がたくさん、溜めてあるってこと!?」
「そ、そうですけど……」
アンバルルに案内された、大きな倉庫に……。溢れんばかりの木材が!
「素晴らしい!これ、いくらで売ってくださるの!?」
「う、売る?いえ、このようなものを持って行ってくださるのなら、代金など頂きません」
「本当!?」
こうして、大量の資材が無料で手に入ってしまった……。
村人たちから歓声が上がる。大量に育った作物たちが、元気な顔を見せてくれていたのだ。
早速、士気の上がった村人たちと、あっという間に作物を回収。村人の分を残して、もう一度種を蒔く班と、私と一緒に大国へ売りに行く班とで別れた。
大国、イーシャーカン。水源豊かな土地で、資源が豊富なので、争いが怒らない平和な国。ただ、作物の方はというと、輸入に頼っているみたい。
「やぁやぁ。まさかテスカトル家のご令嬢が、こんな小国へおいでくださるとは……。話は伺っておりますぞ。国王と喧嘩中なのだとか」
「えぇ!だからこうして、自分一人でも行動できることを証明しているの!」
「勇敢なお方だ……。我が息子にも見習ってもらいたいものじゃのう」
イーシャーカンの国王はとても穏やかだ。うちのパパとは大違い!確かに国の大きさでは、こっちが上だけど、国王の質は比べ物にならないほど負けてるわね!
「それで、作物を売ってくださるというのは、本当ですかな?」
「もちろん。トンマーに、モロコシ―ト、ナーシュ、コロブリー……」
「すごいですのう……。是非購入させてくだされ」
すぐに商談がまとまった。だいたい全部で十万ラクターくらい。村人に伝えたら驚くでしょうけど……。これはまだまだ、始まりにすぎないのよね!
村に戻り、畑にクレアンと一緒に白魔法をかけた。そして、ポリッシャー班の様子を見に行くと……。
「す、すごいじゃないみんな!もうスキルを取得したの!?」
どうやら相乗効果が大きかったらしく、全員がすでにポリッシャーのスキルを得ていた。
クレアンと一緒に、また別の大国へ。このあたりの森を管理している国だ。
「こんにちは。私が森を任されております。聖女のアンバルルです」
「ほぇ~。聖女様が森を?」
「はい。この森にはたくさんの生き物が生息しておりまして……。祈りが必用なのです」
なるほど。そういうことか。
「あの……。だとすると、質の悪い木は、すぐに廃棄に?」
「そうなのです。心が痛みますが、念入りに祈りを込めて、まとめて捨てるようにしています」
「……ということは、その木がたくさん、溜めてあるってこと!?」
「そ、そうですけど……」
アンバルルに案内された、大きな倉庫に……。溢れんばかりの木材が!
「素晴らしい!これ、いくらで売ってくださるの!?」
「う、売る?いえ、このようなものを持って行ってくださるのなら、代金など頂きません」
「本当!?」
こうして、大量の資材が無料で手に入ってしまった……。
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