あなたが剣神になれたのは私のおかげなのに、全く気付いてないんですね。

ある日、ベネット・アプリカーナは、アンバネラの王子であり、婚約者のミゲル・ゼファーノに呼び出され、婚約破棄を言い渡される。

困惑するベネット。その理由は、ただ単に、ミゲルがベネットに飽きたから……というだけだった。

自分を遠くの国から連れ出しておいて、今更その言い分はないだろう。そう反抗したベネットだったが、抗議虚しく、国外追放が決まってしまう。

ミゲルの二人の妹、フレイアとレオノンは、聖女と賢者。彼女たちにも散々文句を言われ続け、不満が溜まっていたベネットは、さっさと荷物をまとめ、国を出た。

……しかし、ゼファーノ家は、とあることに、全く気が付いていなかった。

ミゲルが剣神、フレイアが聖女、レオノンが賢者になれた理由は……。
ベネットの固有スキル『精霊の加護』があったからなのだ。

ベネットがいなくなり、崩壊するゼファーノ家、そして国。

一方ベネットは、自分の国に戻り、かつての友人たちと再会。

やがて、アンバネラにモンスターの大群が押し寄せ……。
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