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神の祠
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「ん?ランバーも一緒なのか」
「すいません。どうしても付いてきたいみたいで……」
「ばうん!」
「いいさ。そんなに難しい仕事じゃないからな」
サマさんに連れられて、近くの森を訪れている。
「ここはこの時期、結構ウィンパーが取れるんだよ。貴重な食糧だ」
「ウィンパー……ですか?」
「おっ、良い表情だ。ウィンパーを食べるのか?って顔してるな」
「す、すいません」
「あはは!良いんだよ!食べる人が少ないからこそ、いつでもこうして、取りにこられるんだからな」
ウィンパーは、硬い殻に覆われた、不思議な植物で、木の根元に生えていることが多い。その殻を加工して、色々なものに使うことはあるけれど、中身にはドロドロの液体が入っていて、酷い匂いがするのだ。
だから、基本的には、魔法で構造を組み替えた品種が、工場で大量に育てられている。中身のドロドロが無い品種だ。
「もったいないよなぁ。めちゃくちゃ美味いのに」
「そうなんですね……」
サマさんと一緒に、ウィンパーを回収していく。籠が一杯になったところで、
「せっかくここまで来たし、森の神に挨拶していくか」
サマさんがそう言った。私の籠の三倍くらいの大きさの物を背負っているのに、余裕そうだ。
「森の神、ですか?」
「あぁ。あたしたちはそう呼んでるけど、本当は何の神かはわからん。とにかく偉い人だ」
「そうなんですね……」
サマさんの案内で、森の奥へ。
するとそこには、小さな祠があった。
「おーい神様!可愛い女の子と、かっこいい犬を連れてきたぞ!」
サマさんはそう言いながら、祠にウィンパーを一つ置いた。神は喜ぶのだろうか……。
「シーナも、なんかあげたらどうだ?」
「えっと……」
私はポケットの中を漁ってみた。ランバーの餌は……。さすがに無礼だろうし、他には、特に何も……。と、思っていたら、手が何かに触れた。それを取り出す。
「……あっ」
ボスティさんからもらった、英雄のブローチ……。
「おっ。なんだそれ」
「とても偉い方の持っていた、ブローチらしいです」
「へぇ~すごいな!神様も喜ぶんじゃないか?」
……持っていても、仕方ないか。
わざわざ大国に行って、換金してもらうのも面倒だ。
それよりも、これから長いことお世話になるであろう。この森の神に授けた方が良い。
私はブローチを、祠に置いた。
――その瞬間。
「う、うわぁ!なんだ!?」
ブローチが、光輝き始めたのだ!
そして、その光がそのまま、私を包み込み……。
『汝、聖女の力を持つ者なり』
どこからか、そんな声が聞こえた。
「すいません。どうしても付いてきたいみたいで……」
「ばうん!」
「いいさ。そんなに難しい仕事じゃないからな」
サマさんに連れられて、近くの森を訪れている。
「ここはこの時期、結構ウィンパーが取れるんだよ。貴重な食糧だ」
「ウィンパー……ですか?」
「おっ、良い表情だ。ウィンパーを食べるのか?って顔してるな」
「す、すいません」
「あはは!良いんだよ!食べる人が少ないからこそ、いつでもこうして、取りにこられるんだからな」
ウィンパーは、硬い殻に覆われた、不思議な植物で、木の根元に生えていることが多い。その殻を加工して、色々なものに使うことはあるけれど、中身にはドロドロの液体が入っていて、酷い匂いがするのだ。
だから、基本的には、魔法で構造を組み替えた品種が、工場で大量に育てられている。中身のドロドロが無い品種だ。
「もったいないよなぁ。めちゃくちゃ美味いのに」
「そうなんですね……」
サマさんと一緒に、ウィンパーを回収していく。籠が一杯になったところで、
「せっかくここまで来たし、森の神に挨拶していくか」
サマさんがそう言った。私の籠の三倍くらいの大きさの物を背負っているのに、余裕そうだ。
「森の神、ですか?」
「あぁ。あたしたちはそう呼んでるけど、本当は何の神かはわからん。とにかく偉い人だ」
「そうなんですね……」
サマさんの案内で、森の奥へ。
するとそこには、小さな祠があった。
「おーい神様!可愛い女の子と、かっこいい犬を連れてきたぞ!」
サマさんはそう言いながら、祠にウィンパーを一つ置いた。神は喜ぶのだろうか……。
「シーナも、なんかあげたらどうだ?」
「えっと……」
私はポケットの中を漁ってみた。ランバーの餌は……。さすがに無礼だろうし、他には、特に何も……。と、思っていたら、手が何かに触れた。それを取り出す。
「……あっ」
ボスティさんからもらった、英雄のブローチ……。
「おっ。なんだそれ」
「とても偉い方の持っていた、ブローチらしいです」
「へぇ~すごいな!神様も喜ぶんじゃないか?」
……持っていても、仕方ないか。
わざわざ大国に行って、換金してもらうのも面倒だ。
それよりも、これから長いことお世話になるであろう。この森の神に授けた方が良い。
私はブローチを、祠に置いた。
――その瞬間。
「う、うわぁ!なんだ!?」
ブローチが、光輝き始めたのだ!
そして、その光がそのまま、私を包み込み……。
『汝、聖女の力を持つ者なり』
どこからか、そんな声が聞こえた。
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