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別れ
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ミシェルとの話が終わってほろ酔い気分でユリアの部屋にむかった。さっきの社交辞令を本気にして拗ねているユリアのためにシェフにアイスクリームを用意してもらった。
「ユリア入るよ?」
返事はないがドアをあける。ユリアはソファーに腰かけ本を読んでいた。
「アイスクリーム食べるか?」
「もう歯を磨いたのでいりません」
「…そうか」
食べ物で機嫌をとるほうが浅はかだったと諦め溶けてしまう前に自分で食べ始めた。
「ユリア…さっきのは」
「解っておりますよ。ですが面白くないのでこうして本を読み心を沈めております」
「沈めなくてもぶつけてくれたらいいのに」
「?」
「おいで」
腕を広げるとむむっと眉を寄せながらも本をおき体をあずけてきた。
「…ミシェル様のことお好きになるのですか?」
「まさか。ユリアだけだと誓っているではないか」
ユリアのいい香りがする。いつもより石鹸の香りが強いのは風呂に入ってからそう時間がたってないからだろう。
「でも…ミシェルの胸に顔を埋めたと聞きましたよ」
「…そう、なのか?悪いが覚えていない」
ユリアはしばらく黙り上をむいた。ちょうどキスをしやすい角度だったので求めるとふいと横を向き拒否された。
これは中々怒っているな…と考えつつ嬉しさがこみあげてきたが、笑うとえらいことだと必死に耐え、ユリアが体を離したがったので自由にしてやった。
「アイスクリーム食べたい…」
「すぐに持ってこよう」
片付けの最中のジムに再びアイスクリームを頼むと
「ずいぶん振り回されていますね」
と笑われた。
「美味しいか?」
「はい!」
ユリアに笑顔が戻ったのでキスしようとしたが、やはりノーをつきつけられた。
「ユリアは頑固なんだな」
まぁ性交はあと4日禁止されているのであまり触れないのが吉かもしれないと、自制する。
「今日はここで寝ていいか?」
「はい!もう移りませんよ」
どうも脳と心が繋がっていないようで真逆のことを口走ってしまう。
また歯を磨いたユリアはコロンとベットに横になった。
「ユリア…今日はなぜベールをつけていないんだ?驚いたよ」
「…ミシェル様がつけなくていいとおっしゃりました」
「それは俺もいつも言ってるが……?」
「それが……ミシェル様が私のお顔を嫌う人はやきもを妬かれているのだと仰りました。
私の肌色を珍しく思う人もいましたが、綺麗だといってくれる人もいました。
お家に送ってあげるからおいでと言ってくれる人や、お菓子があるよと招いてくれる知らない人も多かったように感じます。
デーヴィット様?急に起き上がってどうしました?」
「いや少し動揺して……続けてくれ」
「???はい…。私のお顔は確かに目立ちますね……。私はいつからベールをつけていましか?」
「…いや、俺はよく知らないが……幼い頃からだったと聞いた」
「うーん… ?カトレア姉さんなら知っていますかね?誰かにつけるように進められた気がするのですが…」
ユリアの心の呪いが少しずつ解けていく気配がする。
「誰だろうな。こんな可愛いユリアの顔を隠せと言ったのは…」
あと少しで消えそうな頬のアザを撫でる。
「……やはりデーヴィット様の前ではベールをつけます」
「……」
「遠くまで見えると酔ってしまいますし、やはりベールがあるほうが視覚的に丁度いいのです。
あれ??それで私は小さい頃怪我が多かったのですかね???遠近感が掴みずらかったですから」
「ユリアの可愛い顔を独り占めしたいやつがいたんだろうな」
「……デーヴィット様は全く真面目にきいてくれませんね……もう!!」
ユリアは拗ねながらこちらを見るとひんやりとした手で頬をスリスリとなでる。
「…デーヴィット様の頬の怪我ももう少しで治りますね。よかったです」
「……」
「デーヴィット様?今日はあまりお返事をしてくれませんね??」
ユリアに煽られながらぐっと耐え、ユリアのおしゃべりに耳を傾けた。
翌日からユリアはまたベールをつけ過ごしていたが、前ほど外して欲しいとは思わなくなった。
風魔導師の働きによりすでに解雇されていたアルフレドというフリーベル家のシェフを探しだした。
初めはミシェルのアレルギーに対する裏付けをとるための接触だった。熱心に情報を提供してくれ、詳しいレシピノートも譲ってくれた。
屋敷に届いたレシピノートをみて、シェフはレシピに込められた愛情を読み取った。
後日まだ調査中だった風魔導師とたまたま会い、ミシェルがアレルギーのショックで倒れたと聞くと血相を変えてフリーベル領を飛び出していったそうだ。
魔力も資金もない男が遠い土地からたどり着くのは大変だったろう。
ミシェルはまだ知らないが二人の間に立ちはだかる身分というものは、もうほとんど存在を保ていない。
長年秘めた想い人からの熱い告白をうけ、アルフレドは覚悟を決めた顔をした。
「デーヴィット様ありがとうございます。馬車を貸して頂き、本当にお世話になりました」
ミシェルはフリーベル領がほとんど瘴気にのまれていることを知らされ、流石に落ち込んでいた。
「北部の暮らしはどうだった?」
「とんだ田舎ですが三年に一度くらいは訪れたくなるかもしれませんね」
「ははは。ならばその時は寄ってくれ。ユリアと共に歓迎する。
あぁそうだ。今朝エミリー様からアルフレド宛の手紙が届いたんだ。忘れては大変だ、ミシェルに預けてもいいか?」
「ええ。もちろん。それにしてもエミリー姉さんがアルフレドに何のお話かしら?」
貴族から平民に身を落とすのは不安も大きいだろう。愛を選んでアルフレドと共にいると言っても、没落貴族だと指をさすものも必ずでてくる。
「ミシェル!!」
遅れて屋敷からでてくるアルフレドに目をやるミシェルが、穏やかな眼差しを送ってくれるユリアの姿と重なった。
「アルフレド!落ち着きない!嫌な予感がするわ!!」
ミシェルのために旅の保存食をたんまり作り、それを両手に抱えたアルフレドが予想通り何もないところでつまずいた。
「「!!!!????」」
もぎゅりとユリアの豊かな胸に、手と顔を埋め、転倒を免れたアルフレド。
俺とミシェルだけは世界がスローモーションに見えたに違いない。
「「アルフレド!!!!」」
二人に責められた男はパニックになり
「柔らかかったです!!!」
と宣言しミシェルに「バカバカバカ」と腕を叩かれ更に責められた。
「ミシェル様おあいこですね」
ユリアのほうはケロッとしてにっこりと微笑んだ。
「ユリア様のやきもちしつこ!!!」
最後の最後でミシェルとよく気が合う。慌ただしい出発だったがミシェルは見えなくなるまで手をふり、アルフレドはペコペコ頭を下げ続けた。
「やっと静かになったな」
「寂しくなりました…」
媚薬事件から7日目のことだった。
「ユリア入るよ?」
返事はないがドアをあける。ユリアはソファーに腰かけ本を読んでいた。
「アイスクリーム食べるか?」
「もう歯を磨いたのでいりません」
「…そうか」
食べ物で機嫌をとるほうが浅はかだったと諦め溶けてしまう前に自分で食べ始めた。
「ユリア…さっきのは」
「解っておりますよ。ですが面白くないのでこうして本を読み心を沈めております」
「沈めなくてもぶつけてくれたらいいのに」
「?」
「おいで」
腕を広げるとむむっと眉を寄せながらも本をおき体をあずけてきた。
「…ミシェル様のことお好きになるのですか?」
「まさか。ユリアだけだと誓っているではないか」
ユリアのいい香りがする。いつもより石鹸の香りが強いのは風呂に入ってからそう時間がたってないからだろう。
「でも…ミシェルの胸に顔を埋めたと聞きましたよ」
「…そう、なのか?悪いが覚えていない」
ユリアはしばらく黙り上をむいた。ちょうどキスをしやすい角度だったので求めるとふいと横を向き拒否された。
これは中々怒っているな…と考えつつ嬉しさがこみあげてきたが、笑うとえらいことだと必死に耐え、ユリアが体を離したがったので自由にしてやった。
「アイスクリーム食べたい…」
「すぐに持ってこよう」
片付けの最中のジムに再びアイスクリームを頼むと
「ずいぶん振り回されていますね」
と笑われた。
「美味しいか?」
「はい!」
ユリアに笑顔が戻ったのでキスしようとしたが、やはりノーをつきつけられた。
「ユリアは頑固なんだな」
まぁ性交はあと4日禁止されているのであまり触れないのが吉かもしれないと、自制する。
「今日はここで寝ていいか?」
「はい!もう移りませんよ」
どうも脳と心が繋がっていないようで真逆のことを口走ってしまう。
また歯を磨いたユリアはコロンとベットに横になった。
「ユリア…今日はなぜベールをつけていないんだ?驚いたよ」
「…ミシェル様がつけなくていいとおっしゃりました」
「それは俺もいつも言ってるが……?」
「それが……ミシェル様が私のお顔を嫌う人はやきもを妬かれているのだと仰りました。
私の肌色を珍しく思う人もいましたが、綺麗だといってくれる人もいました。
お家に送ってあげるからおいでと言ってくれる人や、お菓子があるよと招いてくれる知らない人も多かったように感じます。
デーヴィット様?急に起き上がってどうしました?」
「いや少し動揺して……続けてくれ」
「???はい…。私のお顔は確かに目立ちますね……。私はいつからベールをつけていましか?」
「…いや、俺はよく知らないが……幼い頃からだったと聞いた」
「うーん… ?カトレア姉さんなら知っていますかね?誰かにつけるように進められた気がするのですが…」
ユリアの心の呪いが少しずつ解けていく気配がする。
「誰だろうな。こんな可愛いユリアの顔を隠せと言ったのは…」
あと少しで消えそうな頬のアザを撫でる。
「……やはりデーヴィット様の前ではベールをつけます」
「……」
「遠くまで見えると酔ってしまいますし、やはりベールがあるほうが視覚的に丁度いいのです。
あれ??それで私は小さい頃怪我が多かったのですかね???遠近感が掴みずらかったですから」
「ユリアの可愛い顔を独り占めしたいやつがいたんだろうな」
「……デーヴィット様は全く真面目にきいてくれませんね……もう!!」
ユリアは拗ねながらこちらを見るとひんやりとした手で頬をスリスリとなでる。
「…デーヴィット様の頬の怪我ももう少しで治りますね。よかったです」
「……」
「デーヴィット様?今日はあまりお返事をしてくれませんね??」
ユリアに煽られながらぐっと耐え、ユリアのおしゃべりに耳を傾けた。
翌日からユリアはまたベールをつけ過ごしていたが、前ほど外して欲しいとは思わなくなった。
風魔導師の働きによりすでに解雇されていたアルフレドというフリーベル家のシェフを探しだした。
初めはミシェルのアレルギーに対する裏付けをとるための接触だった。熱心に情報を提供してくれ、詳しいレシピノートも譲ってくれた。
屋敷に届いたレシピノートをみて、シェフはレシピに込められた愛情を読み取った。
後日まだ調査中だった風魔導師とたまたま会い、ミシェルがアレルギーのショックで倒れたと聞くと血相を変えてフリーベル領を飛び出していったそうだ。
魔力も資金もない男が遠い土地からたどり着くのは大変だったろう。
ミシェルはまだ知らないが二人の間に立ちはだかる身分というものは、もうほとんど存在を保ていない。
長年秘めた想い人からの熱い告白をうけ、アルフレドは覚悟を決めた顔をした。
「デーヴィット様ありがとうございます。馬車を貸して頂き、本当にお世話になりました」
ミシェルはフリーベル領がほとんど瘴気にのまれていることを知らされ、流石に落ち込んでいた。
「北部の暮らしはどうだった?」
「とんだ田舎ですが三年に一度くらいは訪れたくなるかもしれませんね」
「ははは。ならばその時は寄ってくれ。ユリアと共に歓迎する。
あぁそうだ。今朝エミリー様からアルフレド宛の手紙が届いたんだ。忘れては大変だ、ミシェルに預けてもいいか?」
「ええ。もちろん。それにしてもエミリー姉さんがアルフレドに何のお話かしら?」
貴族から平民に身を落とすのは不安も大きいだろう。愛を選んでアルフレドと共にいると言っても、没落貴族だと指をさすものも必ずでてくる。
「ミシェル!!」
遅れて屋敷からでてくるアルフレドに目をやるミシェルが、穏やかな眼差しを送ってくれるユリアの姿と重なった。
「アルフレド!落ち着きない!嫌な予感がするわ!!」
ミシェルのために旅の保存食をたんまり作り、それを両手に抱えたアルフレドが予想通り何もないところでつまずいた。
「「!!!!????」」
もぎゅりとユリアの豊かな胸に、手と顔を埋め、転倒を免れたアルフレド。
俺とミシェルだけは世界がスローモーションに見えたに違いない。
「「アルフレド!!!!」」
二人に責められた男はパニックになり
「柔らかかったです!!!」
と宣言しミシェルに「バカバカバカ」と腕を叩かれ更に責められた。
「ミシェル様おあいこですね」
ユリアのほうはケロッとしてにっこりと微笑んだ。
「ユリア様のやきもちしつこ!!!」
最後の最後でミシェルとよく気が合う。慌ただしい出発だったがミシェルは見えなくなるまで手をふり、アルフレドはペコペコ頭を下げ続けた。
「やっと静かになったな」
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媚薬事件から7日目のことだった。
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