上 下
27 / 85

5.秘密を知る人《4》

しおりを挟む


 神社に着くと鉄哉は持ってきた紙を折って裂き、何か書きだした。一枚書いては石を載せ、一枚書いては石を載せる。それを八回繰り返し、半径一メートルほどの円を描いた。何が書いてあるのか石をどけて見てみると、気味の悪い文字と気味の悪い線が気味の悪い感じでぎっしりと絡みあっていた。周囲を流れ、渦を巻き、害あるものを遮断し、必要ないものを外に出す。一枚一枚が微妙に違っていて、それぞれの方角に応じているらしい。同じものを八枚書くより格段に性能も強度も上だろう。
「結界?」
「うん」
「どこで覚えたの、こんなの」
「こうしたらこう出来るってのがわかるんだ。生まれつき。こんなことしたくないけど、他に方法がない。あの女とあんまり長時間接したら俺が死ぬ」
 鉄哉は円の中央に座った。彼の周囲を数秒に一度、透明な膜が燃え上がるようにさっと輝いて揺らめく。わたしの目でさえ可視可能なんだから、やはり玄隈の力というのはたいしたものだ。
 ほどなく神と思われる女の子がお供のグラサン男たちを従えて現れた。口元には笑みを浮かべていたが、鉄哉を見る目は厳しかった。
「あなたが結界を作るまで待ってあげましたよ。彼女のために」
「ありがとうございます。わたしは鞍橋の家筋の生島鉄哉と申します。この者の件で話をしたく、やって参りました」
 鉄哉は両手のひらを上に向け、彼女に深々と頭を下げた。どういう意味かわからないが、自分は何も武器は持っていない、話し合いに来たのだと伝えたいように見える。彼はわたしの知らない方法で、自分の持つ能力をフルに使って彼女と交渉しようとしていた。普段とまったく違う口調と様子に、この場がわたしが考えていた以上に鉄哉にとって過酷なのだということを理解した。
「この者はわたしが使役するべく契約を結びました。どうかこのままこの地を去って下さい」
「使役する気はないように見えますが」
「使役する気はありませんが、わたしの力の下に置いております」
「しかしあと数年でその契約とやらも切れるのでは? あなたの手の届かないところに行くようだけど」
「……」
「私にも正体をつかみ難い何者かが、この子を自分の世界に連れ去ろうとしている。私でさえどこから来ているのか察知出来ないのに、人間のあなたに太刀打ち出来るとは思えませんが」
 改源さんのことを言っている。でもこの神と思われる女の子でさえ、あの人が何者かわからないのだ。どういうことだろう。彼は何者なんだろう。そしてわたしはどこから来たのだろう。
「それにあなたといてもこの子が楽しく生きていけるとは思えません。かわいそうに、言いたいことも言えず自由に手足を伸ばすことも出来ないで。小さな箱に入れられているのと同じね。しかもここにとどまるとしても、あなたが先に死んでしまったらどうするのですか?」
「え?」
「あなたあっての身の安全なら、あなた亡きあとはどうなるのでしょう。他の誰かがこの子の新しい主人になって護ってくれるのですか? その者がこの飛天は害を成すことはないと、他の人間たちにあいかわらず保証してくれるとでも?」
「それは……その……」
 鉄哉は答えに詰まっている。彼にもわからないらしい。わたしにとっても思いもよらない仮定だった。
 一組目の狗と手綱は年の近い女性の親類同士、二組目は男の孫と祖母、三組目は兄と弟だったと聞いている。三組目以外はどういった形で関係を終えたのかわたしは知らない。もし手綱が亡くなった場合他の誰かが新しい手綱になるのか、それとも狗は生きる許可を失って命を絶たれるのか。他に手綱を立てるにしても、わたしの場合ほとんど不可能だろう。鉄哉と同等かそれ以上の力の持ち主など、そう簡単に生まれるものではない。
「鞍橋の少年よ、人の王にもなり得る者よ。あなたは考えもしなかったのね? もしかするとこの子は、あなたの想像を絶するほど長く生きるのかもしれませんよ。あなたが年老いて死んだあと、何百年、もしかするとそれ以上。この子の母親がそうだったように」
 鉄哉が顔を上げ、わたしもはっとして彼女を見た。この人は、わたしが知らないわたしのことを知っている。
「――何とかします。俺が死んだあとも生きていけるように、全力を尽くします。俺のすべてを与えます。必要なものをすべて持たせます」
「しかもあなたは、自分の力をまったく磨いていない。生まれつきのままのように見えますが、力を持たない人間として一生を終えたいと考えているのでは? ならこの子の存在は邪魔でしょう。所有を放棄しなさい」
「しません」
「理由は?」
「ありません。……というか、嫌なんです。違う時間の中で生きるのが」
「それはあなたの身勝手ですね」
「そうだと思います。でも嫌なんです。どうしようもありません。他に言いようがありません」
 もはや鉄哉は彼自身になっていた。神に対抗するにはあまりに幼過ぎ、経験がなさ過ぎたのだ。自分の言葉で懇願するしか方法がなくなっている。
「なら私がこの子をあきらめるとして、かわりにあなたは何をくれますか?」
「このすべてを見通す目を二つともさし上げます」
 鉄哉がためらいもなくそう言ったのでわたしは息をのんだ。神と思われる女の子はため息をついた。
「どうしても連れて行かれるのが嫌なのね。でもそんな目をもらってもねえ。あなたは目ではなくてその奥にある脳で見ているから、頭ごともらわないと――その結界を解いてもらってもいいかしら?」
「やめて下さい!」
 思わず制止すると、彼女がわたしを見た。
「どうしたの?」
「その人を殺さないで」
「どうして? 彼がいることで、あなたも苦しんでいるのに」
「そんなに苦しくありません。その人を死なせないで」
「生きていてほしいの?」
「そうです。だって人間って簡単に死んでしまうんですよ。ほっといてもいつか死にます。今死に急がせないで」
 神と思われる女の子はわたしをじっと見つめている。わたしも彼女を見返し、必死に目で訴えた。どうかこの願いを聞き入れて下さい。
「わかってますよ。人間は頭をもぎ取られたら死んでしまうものね。――では、あなたはこの子を自分の野心や欲望のために使う気はないし、手放す気もないのね?」
「そうです」
「よくわかりました」
 神と思われる女の子は頷き、沈黙が訪れた。男たちも直立不動のまま待機している。――もしかして話が終わったのか? 鉄哉が驚いて中腰になった。
「え……あれ……? これで終わりですか?!」
「そうですよ。これ以上話すことはありません。
 あなたたちの今の様子を知りたかったの。この子の母親に頼まれていたから」
「……わたしの?」
「そう。彼がどういう人間に育つかわからないから、そこが不安だったようよ。もしあなたを苦しめてるようなら連れていく予定だったんだけど、大丈夫そうね」
「どういう人だったんですか? わたし、母のこと全然知らないんです」
 自分を産んだ人を覚えてもなければ、誰かから聞かされたこともない。ただ、もう生きてはいないだろうということは察していた。
「初めて会ったのは二百年ぐらい前だった。あなたのお母さんのことを噂で聞いて、会いに行ったの。人界に下った飛天は昔ならたまにいたんだけど、その頃はもうあなたのお母さんしかいなくて……長く生きる以外の力を持たないようだったから、困ることもあるだろうと思って、力になりたかったの。ちょうどあなたが身に宿ったばかりだった」
 時間の単位がおかしいのは彼女の勘違いというわけではなさそうだ。ケタを二つ間違えているとしても二年は妊娠期間としてちょっと長い。
「子供を授かったことを喜んでいたけど、中にあるのはただの小さな肉の塊だった。死んでいるとは言えないが、生きているのとも違う状態だった。気の毒でそうは言えなかったけど。
 次に会ったのはそれからだいぶたってからだった。今にも生まれそうなくらいお腹が大きくなっていて、とても苦しそうだったわ。五衰が始まっていた」
「五衰……」
「突然育ちだしたと言っていた。ただの肉の塊にどうしてか命が宿り、手足を生じて人形じんけいを成し、六根も備わっていた」
 鉄哉はかすかに眉根を寄せて聞いている。何か不審な点があるようだ。わたしは個人的な関心から聞いた。
「父親は誰なんですか?」
「ごめんなさい、重要と思わなかったから聞かなかったのよ。でもたぶん一人でつくったのではないかしら。感応して子供をつくることも出来るから……不完全だったからなかなか命がともなわなかったのかもしれないし。
 苦しそうなのに、その状態でもう何年もいるというのよ。五衰が極まったら死んでしまうから早く産みなさいと説得したんだけど、今はまだ産めないとしか言わなくてね。
 この国には鞍橋という家があって、そのあるじに娘をつなぎとめる術を施してもらうと言っていた。今の女主には断られたので、あと五年ぐらいして生まれることになっている男の子につかせてもらうと言っていたわ」
「じゃ、わざわざわたしたちをこの状態にしたんですか? 何のために?」
「あなたがすぐに地上を離れるのではないかと不安だったようよ。何か理由があって、あなたをこの世で、人間として生きさせたがっていた。そのために彼の力が必要だった」
「わたしがどこかに連れて行かれるって、さっき言ったでしょう。どうしてそう思うんですか?」
「あなたがあと少しでこの世界からいなくなることは、見たらわかりますよ」
 彼女の口からはっきり言われると、頭に何かぶつけられたようなインパクトがあった。そりゃそうか。人間の鉄哉にわかることが、この人にわからないはずがない。
「しかしそれは死によってではない。誰かの手によるものだということは、土地神に聞いて思いました。もう十年くらい、あなたのもとを訪ねてきている得体の知れない者がいるそうね。とにかく異様な姿をしていると、土地神も恐ろしがっていた。そしてあなたがその者に親しみを感じているようだとも。
 出所の見当がつかないのは、よその世界から来ているからでしょう。私も痕跡をたどったけど、痕跡の意味を理解することが出来なかった。でもあなたのお母さんはそれが誰なのか、あなたにとってどういう意味を持つのか、知っていたのではないかという気がする。人間として生きさせたいというのは希望ではなく、危機感からくるものだったのかもしれない」
 よくわからない話だ。わかるのは、もう彼女にわたしを連れていく気がないらしいということだった。
「……何か、まだここにいなきゃいけないみたい」
「そうなの、ごめんなさい。もしあなたがひどい扱いを受けてなければ、そのままにしてほしいと言われてもいたから……。それに、私と一緒にいるとあなたにあまりいい影響がないのも確かだし。でもこれだけの大きな力を持っているのに欲に歪まないなんて、人間としてはまれなことなのよ」
「いろんなこと心配してたんだな……」
 神様に面と向かって褒められているのに、鉄哉はすっかり自分の世界に入っていた。わたしの母のことを考えているらしい。――たしかにその人は、わたしの行く末をとても心配していたようだ。怪力も神通力も持たず、長く生きる以外これといった力を持たなかった人。一人でわたしをつくり、何百年もおなかに抱え、五衰とかいう何かに苦しめられながら生まれてくる娘の幸福を願っていた人。
「一つ教えていただきたいのですが」
 鉄哉が神と思われる女の子に質問した。
「彼女が母親のお腹にいたとき、魂魄のありように何かおかしな点があったのではないですか?」
「あなたなら過去に遡って見ることも出来るでしょう」
「わからないんです。もう自分の一部になってしまってるので」
「ああ、厄介ね……そうね、たしかに胎児が不自然には見えました。何となく体と魂が一致していないような……。体に自然と芽生えた命というより、何か別の魂が入りこんでるように見えたわ。そのときはあまり気にとめなかったけど」
降生こうせいではないということですか?」
 鉄哉は驚いていた。
「降生ではありません。それだけはさすがにわかるわ。今は魂が体をしっかり支配しているようだけど。あなたが考えているように、それがいずれ地上を離れることと関係しているのかもしれない」
「わかりました。教えていただきありがとうございます」
 鉄哉が左手を結界の外に出した。神に近い女の子が近付いて触れると、彼の腕から何かが引き出された。肘から先の手の形そのままに、黒とも青ともつかないものがたぐり出されて彼女の手に握り込まれていった。小さく固められたそれをかたわらの男に渡す。……今のは何だろう。何かしてはならないことをしてしまったのではないか。冷たい動悸に耐えているわたしをよそに、鉄哉は何ごともなかったように左手を元の位置に戻した。
「もう私が介入する必要はないみたい。あなたが思ったより護られていてよかった。またいつか来るわね、彼をもっと頼りにしても大丈夫よ」
 神と思われる女の子は今度は歩いて去るのではなく、男たちと一緒に液体に溶けこむように歪み、拡散して消えていった。わたしの目にはもう見えないが、鉄哉には見えるらしく何かをしばらく目で追っていた。
 あたりに静寂が戻った。頭上の緑の隙間から、半分だけの月が見えている。公園のまわりには民家があって明かりもついていたが、この騒ぎが聞こえていなかったように何の反応もなかった。網戸だけの窓からかすかにテレビの音声が聞こえてくる。
「ああ、疲れた……」
 鉄哉が膝をついてへたりこみ、地面にうつ伏せた。しかし後片付けはしなくてはならないようで、這いずりながらも石をどけてすべてのふだを回収した。
「さっきの何? 何したの?」
「何が?」
「あんたの腕から何か出てた」
「ああ、あれか……情報の対価だよ。当然の話だ。普通だよ」
「あんなよくわかんない話が?」
「俺にはもうどうやっても見えないからな。これですんだんだから安いもんだ」
「コウセイって何?」
「え、何って?」
「さっきコウセイって言ってた。どういう意味?」
 鉄哉は体を起こした。
「降生っていうのは上位世界から来た人間のことだよ。俺はてっきりエミちゃんはそれかと思ってた。特殊な能力を残したまま生まれてくることが多いから……生まれ変わるたび薄れていくけど。
 さっきの人はあえて言うなら神だけど、結局はこの下位世界に生まれて属しているから、上位世界のことはわからないんだ。土地神もそう。だから情報を得たり現象を見たりしても、ある程度以上になるとそれの意味するところがわからない。自分より下の世界のことは把握し干渉出来ても、上の世界のことは理解出来ないもんだから。上の世界のことが本当にわかるんなら、とっくにそっちに行ってるだろう。俺も上位世界のことはどうなってんのかさっぱりわからない。ただ、あるってことは知ってる」
「ねえ、そういう知識ってどこで得るの? 本とか? 朱眉もそういうこと知ってる?」
「俺ほどは知らないだろうな。俺はいつのまにかそういうことがわかるようになってるみたいなんだ。年取ったら取った分だけ、必要なものが自然と備わってくる」
 正直、ちょっと引いた。そういうことにいっさい関わりを持たないというスタンスのわりに、いつのまにか不気味な知識をたくわえている。目を離した隙に超絶真面目な彼氏が異常にアイドルについて詳しくなっていたら、こんな気分になるのかもしれない。
「さっき俺が死ぬかもってなったとき、すぐ止めてたな」
 鉄哉が勝ち誇ったように言った。
「……止めるでしょ、普通。『どうぞひと思いにやっちゃって下さい』って言ったほうがよかった?」
「またまたそんな。ああいうときに本音って出るもんだから。でも生まれて初めてよかったと思ったよ、自分が手綱で」
「どうしてよ」
「だってもし手綱じゃなかったら『あんた関係ないでしょ。家に帰ってマンガでも読んでな』とか言われて終わりだったよ。フフフ。いや、よかった。ハハハ」
「……何がおかしいの」
「だって目に浮かぶから、その突き放す様子が。言いそう、絶対」
 鉄哉はずっと笑っている。さわって何ともないなら、踏んづけて黙らせてやりたかった。
 しかし口でやりこめることもしなかったのは、さっき見たものが気になったからだ。鉄哉はあの人に何を渡したのだろう。彼は神に『さわって』しまったのだろうか。帰り道にそれとなく観察したが、歩きながら鉄哉の左手は普通に振られている。家に着いて「じゃ、また明日」といつものようにハンドルを握って自転車に乗っていったので、左手が使えなくなったわけではなさそうだ。でもついさっき、確実に自分の何かを切り売りした。
 彼はわたしのためならすべてを投げ出すこともいとわない。今日初めてそう思い知った。それは手綱としてわたしを縛る以上の力で、わたしの心を得体の知れない不安で縛った。――いつかはいなくなるのに。わたしは何も返せないのに。いつか取り返しがつかないほど深く傷つけるに違いないのに。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

十年目の離婚

杉本凪咲
恋愛
結婚十年目。 夫は離婚を切り出しました。 愛人と、その子供と、一緒に暮らしたいからと。

選ばれたのは美人の親友

杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。

夫を愛することはやめました。

杉本凪咲
恋愛
私はただ夫に好かれたかった。毎日多くの時間をかけて丹念に化粧を施し、豊富な教養も身につけた。しかし夫は私を愛することはなく、別の女性へと愛を向けた。夫と彼女の不倫現場を目撃した時、私は強いショックを受けて、自分が隣国の王女であった時の記憶が蘇る。それを知った夫は手のひらを返したように愛を囁くが、もう既に彼への愛は尽きていた。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

【完結】愛に裏切られた私と、愛を諦めなかった元夫

紫崎 藍華
恋愛
政略結婚だったにも関わらず、スティーヴンはイルマに浮気し、妻のミシェルを捨てた。 スティーヴンは政略結婚の重要性を理解できていなかった。 そのような男の愛が許されるはずないのだが、彼は愛を貫いた。 捨てられたミシェルも貴族という立場に翻弄されつつも、一つの答えを見出した。

別に構いませんよ、離縁するので。

杉本凪咲
恋愛
父親から告げられたのは「出ていけ」という冷たい言葉。 他の家族もそれに賛同しているようで、どうやら私は捨てられてしまうらしい。 まあいいですけどね。私はこっそりと笑顔を浮かべた。

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

形だけの正妃

杉本凪咲
恋愛
第二王子の正妃に選ばれた伯爵令嬢ローズ。 しかし数日後、側妃として王宮にやってきたオレンダに、王子は夢中になってしまう。 ローズは形だけの正妃となるが……

処理中です...