わたしとあなたの世界は重なることがない

怪力を持ち空を飛べる「飛天」と呼ばれる生き物であるエミは、人間として学校に通い友人もいる中学生。彼女がこの世で退治されることなく生きるため、幼いとき契約を結んだ同い年の少年・鉄哉とは兄妹同然に暮らしてきた。
しかし異能の持ち主である鉄哉がかつてした「エミは十七歳でこの世から消える」という予言、そして人間ではないことへのエミ自身の諦めと苛立ち、異世界からエミのもとに通ってくる謎の男『改源』の存在などから、二人の仲は次第にうまくいかなくなっていく。
やがて二人は成長して十七歳になり、エミは「その日」を迎えるのだが――。

同じ世界に生きるはずのなかった男女の、二十七年の物語。

(第3回創元ファンタジイ新人賞最終候補作)
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