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15 一矢必殺
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僕はどうしていいかわからず、スサノオの戦いを見守った。
八岐大蛇も距離を置いて傍観している。
スサノオは高い叫び声とともに、剣を振り下ろした。
時代劇なんかで見る細くて鋭い剣ではなかった。
まっすぐ巨大で銀色に輝くその剣は、ただ長い鉄の塊を研いで刃にしたような無骨な作りではあったけれど、スサノオに握られるとまるで羽のように軽やかに亡霊の脇腹を鋭く引き裂いた。
と、そこまでは良かったが、切られた亡霊は流れ落ちる滝の水のように、何事もなく元の形を取り戻した。
スサノオはもう一度剣を構え、今度は横から突き刺すように剣を振り出した。
が、今度もまた亡霊は意に介す様子はなく、それどころかスサノオの存在すら目に入らない様子で目の前を通り過ぎる他の亡霊を飲み込み続けた。
「ありゃ駄目だ」スサノオは剣を納め、ゆっくりとこちらに戻ってくるとそう言った。
「駄目だって、その、あの……」
「亡霊だからな。剣なんかじゃ倒せねー。化け物にでもなって、完全にこちらの世界に来てくれりゃあ、剣でも倒せるんだがな」
「でもじゃあ、どうするの?」僕は足もとで震えるコトネを見ながら言った。
「こちらに気付かれないように通り過ぎるしかねーんじゃねーか?」
本気? この人? それでいいの? と僕は不安になったのだけど、「と、思ったんだがな、そう言うわけにもいかないみたいだ」とスサノオが言った途端、また亡霊が唸り声をあげた。
亡霊は、明らかにこちらを見ていた。
気のせいなんかじゃない。
けど、自分を切りつけようとするスサノオのことはまったく気にする様子もなかったのに、どうして……。
「おい、コトネが狙われてるぞ」
「えっ?」と、コトネに意識が奪われた瞬間、亡霊は驚くほどの速さで手を伸ばし、気が付いた時にはもうコトネをその手に掴もうとしていた。
「信じろ」
まただ。またあの声が聞こえた。
自分の身体がどう動いたのかすらわからなかった。
ただ、僕の目に映ったのは、自分の腕が亡霊たちと同じ白い靄(もや)に包まれていたこと。そしてその手が素早くコトネを抱えたかと思うと、まるで後ろから引っ張られるように音もなく宙に浮き、軽く十メートルは後ろに飛びのいたこと。
えっ、えっ、なになになに!?
見ると僕の体は全体的に白い靄に覆われていて、なんだか体が軽いわりに力が漲(みなぎ)り、五感が研ぎ澄まされたような不思議な感覚に満ちていた。
何も考えていないのに、僕の右手は勝手に後ろに動き、そこにあるはずもない矢を一本抜き取った。
僕はその先端にある冷たく鋭い鏃(やじり)をすっと舌で舐めた。舌の上に冷たい鉄の味と、これから射貫くであろう化け物の血の味を重ね合わせ、身震いした。
左手に構えた弓に矢を当てると、僕は背筋にギリギリと力を籠め、その矢を引いた。
「おい、和也……」スサノオの声が聞こえたが、僕はまるで亡霊がそうしたかのように、その声を風に流した。
巨大な亡霊は今度はコトネではなく僕を見ていた。
悪意、憎悪、殺気、様々な亡霊の僕に対する敵意が窺えた。
オオオオオオーーーーー!!! と亡霊は咆哮した。
「まだだ」と、またあの声が聞こえた。
「心を静めろ」
僕はその声に従い、まだ矢を放たなかった。
一矢必殺だ。
矢は一本放ってから次の矢を構えるまでに時間がかかる。ゆえに一矢必殺で仕留める必要がある。
その考えが僕の頭のどこから浮かんできたのか知らないが、まるで呪文のように意識が透徹(とうてつ)するのを助けた。
「信じろ」
オオオオオオーーーーー!!! と亡霊は前のめりになり、また口を開けて咆哮を上げた。
「今だ!」そう聞こえた瞬間、僕は矢を放った。
矢は、スーッとまるでそこに空気すら存在しないかのように直線に飛び、亡霊の口の中に消えた。
「やったぞ!」その声とともに僕を覆っていた白い靄は消え、同時に魂が抜き去られるような脱力感とともに僕は意識を失った。
「おうっ、気が付いたか」
僕は眩しさに目が開けられず、よくわからない唸り声を揚げながら目を覚ました。
「もう朝だぞ」スサノオの声だった。
「ここは……」
「もうだいぶ進んだぞ。お前のことは、八岐大蛇が運んでくれた」
「え?」と言って僕は薄く目を開けた。
水が流れる音が聞こえる。目を向けると、幅が三メートルほどの浅い川が流れていた。
「起きろよ。魚が焼けてるぞ」
「え、魚? それより亡霊は。コトネは……」
「朝だぞ」それが全ての答えだとでも言うようにスサノオはそう言って笑った。
「う、うん……」僕はなんとか起き上がり、すかさず渡された焼き魚を寝ぼけた眼でじっと見つめた。スサノオが置いてくれたのか、横に水の入った茶碗があり、僕はその水を飲んだ。もう一度魚に目を向けると、香ばしく焼けた皮と脂の匂いが鼻をくすぐり、僕はキツネ色に焼けた魚の横っ腹をほんのひと噛み口に入れた。と、瞬く間に口の中に溶けた魚の脂が広がり、その美味しさにあっという間に目がさめた。
もうそこからは思い出した空腹に耐えきれず、貪るように魚を食べつくした。
「あっはっは! うまいだろ。たくさん捕ってきた。好きなだけ食え」
そう言えばここ最近、草の浮いたスープのような物ばかり食べていた気がする。
魚は何の味付けもしていなかったけれど、淡白な白身に背中の脂と腹の内蔵の苦味が混じって最高のごちそうだった。僕は三十センチほどあるその魚を続けて三匹平らげた。それでも空腹は治まらず、僕は次々と渡される焼き魚を息をするのも忘れる勢いでかぶりついた。
「あっはっは! よく食うなあ!」と言ってスサノオは楽しげだった。
「それより昨日のあれ、面白いもん見せてもらったが。ありゃなんだ?」七匹目の魚を食べ終わり、やっと少しまともに息ができるようになったところでスサノオは聞いた。
「昨日のあれ?」
「お前さん、亡霊に乗っ取られてたな。けどありゃ、あんなこと、普通にできるもんじゃねえ。いったい和也、お前さん何者だい」
「何者と言われても、僕は……」
「ミライの世界から来たんだったな。けど、それだけじゃないぞ。なんか面白いもん持ってる。ある意味神の領分だ。なんだか興味が出て来たな、おい」
「そんなこと言われても、僕は……」
「まあいいさ。旅は長い。そのうちわかるだろ。それよりもっと魚食え」そう言ってスサノオは笑った。
後から聞いた話だと、僕が昨日亡霊に向かって放った矢は、亡霊の口を抜けるようにして背中を縦に貫き、一撃で仕留めることができたそうだ。まさに靄のように亡霊は霧散し、亡霊たちの行列はまた元通りになったらしい。
「ありゃ、亡霊が身をかがめたまさにあの瞬間に矢を放たなきゃできなかった芸当だ。一矢必殺とはまさにあれのことだな。見ものだったぜ」スサノオはそう言って笑っていた。
一矢必殺。
声の主がいつも心に抱いている言葉だ。
それから僕は気を失い、八岐大蛇の背中に乗せられ、亡霊の行列を辿って明け方まで歩いたそうだ。
「腹が膨れた。俺は眠い……」そう言うが早いかスサノオは木陰で腕枕をして眠ってしまった。
僕は今まで眠っていたのでそれほど眠くはなかったけれど、久しぶりにお腹がはち切れそうなほど魚を食べたので動くこともできず、同じように木陰で横になって空を見上げた。
音もさせず雲が流れていた。
あんなに大きなものが動いているのに音がしないと言うのは不思議だ。
いや、近づけばものすごい轟音なのかも知れない。
ただ、雲は遠すぎるのだ。
空が高すぎるのだ。
美津子、いまどこにいるのだろう。
あの雲まで行けば、美津子を見つけることができるのだろうか。
そんなことを考えながら、僕はやはり目を閉じ、もう一度眠ってしまった。
八岐大蛇も距離を置いて傍観している。
スサノオは高い叫び声とともに、剣を振り下ろした。
時代劇なんかで見る細くて鋭い剣ではなかった。
まっすぐ巨大で銀色に輝くその剣は、ただ長い鉄の塊を研いで刃にしたような無骨な作りではあったけれど、スサノオに握られるとまるで羽のように軽やかに亡霊の脇腹を鋭く引き裂いた。
と、そこまでは良かったが、切られた亡霊は流れ落ちる滝の水のように、何事もなく元の形を取り戻した。
スサノオはもう一度剣を構え、今度は横から突き刺すように剣を振り出した。
が、今度もまた亡霊は意に介す様子はなく、それどころかスサノオの存在すら目に入らない様子で目の前を通り過ぎる他の亡霊を飲み込み続けた。
「ありゃ駄目だ」スサノオは剣を納め、ゆっくりとこちらに戻ってくるとそう言った。
「駄目だって、その、あの……」
「亡霊だからな。剣なんかじゃ倒せねー。化け物にでもなって、完全にこちらの世界に来てくれりゃあ、剣でも倒せるんだがな」
「でもじゃあ、どうするの?」僕は足もとで震えるコトネを見ながら言った。
「こちらに気付かれないように通り過ぎるしかねーんじゃねーか?」
本気? この人? それでいいの? と僕は不安になったのだけど、「と、思ったんだがな、そう言うわけにもいかないみたいだ」とスサノオが言った途端、また亡霊が唸り声をあげた。
亡霊は、明らかにこちらを見ていた。
気のせいなんかじゃない。
けど、自分を切りつけようとするスサノオのことはまったく気にする様子もなかったのに、どうして……。
「おい、コトネが狙われてるぞ」
「えっ?」と、コトネに意識が奪われた瞬間、亡霊は驚くほどの速さで手を伸ばし、気が付いた時にはもうコトネをその手に掴もうとしていた。
「信じろ」
まただ。またあの声が聞こえた。
自分の身体がどう動いたのかすらわからなかった。
ただ、僕の目に映ったのは、自分の腕が亡霊たちと同じ白い靄(もや)に包まれていたこと。そしてその手が素早くコトネを抱えたかと思うと、まるで後ろから引っ張られるように音もなく宙に浮き、軽く十メートルは後ろに飛びのいたこと。
えっ、えっ、なになになに!?
見ると僕の体は全体的に白い靄に覆われていて、なんだか体が軽いわりに力が漲(みなぎ)り、五感が研ぎ澄まされたような不思議な感覚に満ちていた。
何も考えていないのに、僕の右手は勝手に後ろに動き、そこにあるはずもない矢を一本抜き取った。
僕はその先端にある冷たく鋭い鏃(やじり)をすっと舌で舐めた。舌の上に冷たい鉄の味と、これから射貫くであろう化け物の血の味を重ね合わせ、身震いした。
左手に構えた弓に矢を当てると、僕は背筋にギリギリと力を籠め、その矢を引いた。
「おい、和也……」スサノオの声が聞こえたが、僕はまるで亡霊がそうしたかのように、その声を風に流した。
巨大な亡霊は今度はコトネではなく僕を見ていた。
悪意、憎悪、殺気、様々な亡霊の僕に対する敵意が窺えた。
オオオオオオーーーーー!!! と亡霊は咆哮した。
「まだだ」と、またあの声が聞こえた。
「心を静めろ」
僕はその声に従い、まだ矢を放たなかった。
一矢必殺だ。
矢は一本放ってから次の矢を構えるまでに時間がかかる。ゆえに一矢必殺で仕留める必要がある。
その考えが僕の頭のどこから浮かんできたのか知らないが、まるで呪文のように意識が透徹(とうてつ)するのを助けた。
「信じろ」
オオオオオオーーーーー!!! と亡霊は前のめりになり、また口を開けて咆哮を上げた。
「今だ!」そう聞こえた瞬間、僕は矢を放った。
矢は、スーッとまるでそこに空気すら存在しないかのように直線に飛び、亡霊の口の中に消えた。
「やったぞ!」その声とともに僕を覆っていた白い靄は消え、同時に魂が抜き去られるような脱力感とともに僕は意識を失った。
「おうっ、気が付いたか」
僕は眩しさに目が開けられず、よくわからない唸り声を揚げながら目を覚ました。
「もう朝だぞ」スサノオの声だった。
「ここは……」
「もうだいぶ進んだぞ。お前のことは、八岐大蛇が運んでくれた」
「え?」と言って僕は薄く目を開けた。
水が流れる音が聞こえる。目を向けると、幅が三メートルほどの浅い川が流れていた。
「起きろよ。魚が焼けてるぞ」
「え、魚? それより亡霊は。コトネは……」
「朝だぞ」それが全ての答えだとでも言うようにスサノオはそう言って笑った。
「う、うん……」僕はなんとか起き上がり、すかさず渡された焼き魚を寝ぼけた眼でじっと見つめた。スサノオが置いてくれたのか、横に水の入った茶碗があり、僕はその水を飲んだ。もう一度魚に目を向けると、香ばしく焼けた皮と脂の匂いが鼻をくすぐり、僕はキツネ色に焼けた魚の横っ腹をほんのひと噛み口に入れた。と、瞬く間に口の中に溶けた魚の脂が広がり、その美味しさにあっという間に目がさめた。
もうそこからは思い出した空腹に耐えきれず、貪るように魚を食べつくした。
「あっはっは! うまいだろ。たくさん捕ってきた。好きなだけ食え」
そう言えばここ最近、草の浮いたスープのような物ばかり食べていた気がする。
魚は何の味付けもしていなかったけれど、淡白な白身に背中の脂と腹の内蔵の苦味が混じって最高のごちそうだった。僕は三十センチほどあるその魚を続けて三匹平らげた。それでも空腹は治まらず、僕は次々と渡される焼き魚を息をするのも忘れる勢いでかぶりついた。
「あっはっは! よく食うなあ!」と言ってスサノオは楽しげだった。
「それより昨日のあれ、面白いもん見せてもらったが。ありゃなんだ?」七匹目の魚を食べ終わり、やっと少しまともに息ができるようになったところでスサノオは聞いた。
「昨日のあれ?」
「お前さん、亡霊に乗っ取られてたな。けどありゃ、あんなこと、普通にできるもんじゃねえ。いったい和也、お前さん何者だい」
「何者と言われても、僕は……」
「ミライの世界から来たんだったな。けど、それだけじゃないぞ。なんか面白いもん持ってる。ある意味神の領分だ。なんだか興味が出て来たな、おい」
「そんなこと言われても、僕は……」
「まあいいさ。旅は長い。そのうちわかるだろ。それよりもっと魚食え」そう言ってスサノオは笑った。
後から聞いた話だと、僕が昨日亡霊に向かって放った矢は、亡霊の口を抜けるようにして背中を縦に貫き、一撃で仕留めることができたそうだ。まさに靄のように亡霊は霧散し、亡霊たちの行列はまた元通りになったらしい。
「ありゃ、亡霊が身をかがめたまさにあの瞬間に矢を放たなきゃできなかった芸当だ。一矢必殺とはまさにあれのことだな。見ものだったぜ」スサノオはそう言って笑っていた。
一矢必殺。
声の主がいつも心に抱いている言葉だ。
それから僕は気を失い、八岐大蛇の背中に乗せられ、亡霊の行列を辿って明け方まで歩いたそうだ。
「腹が膨れた。俺は眠い……」そう言うが早いかスサノオは木陰で腕枕をして眠ってしまった。
僕は今まで眠っていたのでそれほど眠くはなかったけれど、久しぶりにお腹がはち切れそうなほど魚を食べたので動くこともできず、同じように木陰で横になって空を見上げた。
音もさせず雲が流れていた。
あんなに大きなものが動いているのに音がしないと言うのは不思議だ。
いや、近づけばものすごい轟音なのかも知れない。
ただ、雲は遠すぎるのだ。
空が高すぎるのだ。
美津子、いまどこにいるのだろう。
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