47 / 50
46
しおりを挟む
お店のオープンから2週間程、リンダさんの宿にお世話になった両親(主にママ)は、お肌がツルツルになったとご機嫌だった。
それと、デュークがラインハルト伯爵家の次男で第一騎士団からセイラ専属の大聖女護衛騎士になった話をすると大喜びで結婚式は後でもいいから、入籍だけでもしちゃいなさいとゴリ押ししてきた。しかし、相手の家の事もあるので、何とかママを宥め、後日ラインハルト伯爵家に挨拶してから決める事になった。
その3ヶ月後。
穏やかな晴天の日、アナトリアにて結婚式をし、披露パーティーを開いた。昔からのお友達や繋がりのある貴族の皆さんがお祝いに訪れてくれて盛大なパーティーになったのだが、パーティーは一回だけでは終わらないのだ。
披露パーティーの翌日にはアナトリアを出発し、ザルツに戻る。
「おめでとうっ、セイラさん・デュークさんっ!」
自宅兼お店に到着すると、デジャヴを覚える光景だった。ザルツでお世話になっている方達が集合しているのだ。そして、ガーデン席とは別にいくつかの席や沢山のお料理が準備されている。
ケミュさんからシャンパングラスを渡される前
「勝手に準備したわよ?セイラさん・デュークさん、ご結婚おめでとう!!」
リンダの掛け声に、
「「「おめでとうっ!!」」」
集まった皆さんがお祝いの言葉と共にシャンパングラスを掲げた。
「「皆さん、ありがとうございます」」
デュークと声が重なり、思わず見つめあってしまう。
「あ~、イチャイチャは後にして、とりあえずお料理食べて。材料はいくつか拝借したわよ」
リンダさんとケミュさんは手際よく、集まった皆さんにお料理を配り、セイラとデュークにも手渡してくれる。
「リンダさん、ありがとうございます。うふっ、キッシュ食べてみたかったんです。美味しいですね」
女性陣はお料理を頂いた後、デザートやスィーツに移り、男性陣はいつの間にかワインの樽を開けていて、程よく酔いしれていった。
そしてまた3ヶ月。
セイラのお店には多くのお客さんが集まってくる。
勿論皆の目当ては・・・。
「チーズオムレツ2つ!!」
「チーズオムレツ大盛り3つとパウンドケーキ3つ頼むなっ!!」
フワフワチーズとパウンドケーキなのだ。
しかも客層は若い女性から騎士まで幅広い。
う~ん、若い女性は分かるけど何故騎士?
心の声が聞こえたのか、デュークが
「力が湧いて来るらしいぞ?動きも良くなった気がするし、怪我の治りも早いって噂だ。『大聖女のオムレツ』は」
苦笑いで教えてくれる。
そう、フワフワのオムレツのはずが、何故か『大聖女』と枕言葉が付いてしまったのだ。なので、アナトリアの騎士だけではなく、ザルツの騎士達も常連さんになりつつある。
騎士道、仲良くなり同盟を結ぶ話も出ているらしい。
それと、デュークがラインハルト伯爵家の次男で第一騎士団からセイラ専属の大聖女護衛騎士になった話をすると大喜びで結婚式は後でもいいから、入籍だけでもしちゃいなさいとゴリ押ししてきた。しかし、相手の家の事もあるので、何とかママを宥め、後日ラインハルト伯爵家に挨拶してから決める事になった。
その3ヶ月後。
穏やかな晴天の日、アナトリアにて結婚式をし、披露パーティーを開いた。昔からのお友達や繋がりのある貴族の皆さんがお祝いに訪れてくれて盛大なパーティーになったのだが、パーティーは一回だけでは終わらないのだ。
披露パーティーの翌日にはアナトリアを出発し、ザルツに戻る。
「おめでとうっ、セイラさん・デュークさんっ!」
自宅兼お店に到着すると、デジャヴを覚える光景だった。ザルツでお世話になっている方達が集合しているのだ。そして、ガーデン席とは別にいくつかの席や沢山のお料理が準備されている。
ケミュさんからシャンパングラスを渡される前
「勝手に準備したわよ?セイラさん・デュークさん、ご結婚おめでとう!!」
リンダの掛け声に、
「「「おめでとうっ!!」」」
集まった皆さんがお祝いの言葉と共にシャンパングラスを掲げた。
「「皆さん、ありがとうございます」」
デュークと声が重なり、思わず見つめあってしまう。
「あ~、イチャイチャは後にして、とりあえずお料理食べて。材料はいくつか拝借したわよ」
リンダさんとケミュさんは手際よく、集まった皆さんにお料理を配り、セイラとデュークにも手渡してくれる。
「リンダさん、ありがとうございます。うふっ、キッシュ食べてみたかったんです。美味しいですね」
女性陣はお料理を頂いた後、デザートやスィーツに移り、男性陣はいつの間にかワインの樽を開けていて、程よく酔いしれていった。
そしてまた3ヶ月。
セイラのお店には多くのお客さんが集まってくる。
勿論皆の目当ては・・・。
「チーズオムレツ2つ!!」
「チーズオムレツ大盛り3つとパウンドケーキ3つ頼むなっ!!」
フワフワチーズとパウンドケーキなのだ。
しかも客層は若い女性から騎士まで幅広い。
う~ん、若い女性は分かるけど何故騎士?
心の声が聞こえたのか、デュークが
「力が湧いて来るらしいぞ?動きも良くなった気がするし、怪我の治りも早いって噂だ。『大聖女のオムレツ』は」
苦笑いで教えてくれる。
そう、フワフワのオムレツのはずが、何故か『大聖女』と枕言葉が付いてしまったのだ。なので、アナトリアの騎士だけではなく、ザルツの騎士達も常連さんになりつつある。
騎士道、仲良くなり同盟を結ぶ話も出ているらしい。
21
お気に入りに追加
1,427
あなたにおすすめの小説
根暗令嬢の華麗なる転身
しろねこ。
恋愛
「来なきゃよかったな」
ミューズは茶会が嫌いだった。
茶会デビューを果たしたものの、人から不細工と言われたショックから笑顔になれず、しまいには根暗令嬢と陰で呼ばれるようになった。
公爵家の次女に産まれ、キレイな母と実直な父、優しい姉に囲まれ幸せに暮らしていた。
何不自由なく、暮らしていた。
家族からも愛されて育った。
それを壊したのは悪意ある言葉。
「あんな不細工な令嬢見たことない」
それなのに今回の茶会だけは断れなかった。
父から絶対に参加してほしいという言われた茶会は特別で、第一王子と第二王子が来るものだ。
婚約者選びのものとして。
国王直々の声掛けに娘思いの父も断れず…
応援して頂けると嬉しいです(*´ω`*)
ハピエン大好き、完全自己満、ご都合主義の作者による作品です。
同名主人公にてアナザーワールド的に別な作品も書いています。
立場や環境が違えども、幸せになって欲しいという思いで作品を書いています。
一部リンクしてるところもあり、他作品を見て頂ければよりキャラへの理解が深まって楽しいかと思います。
描写的なものに不安があるため、お気をつけ下さい。
ゆるりとお楽しみください。
こちら小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿させてもらっています。
婚約破棄と追放を宣告されてしまいましたが、そのお陰で私は幸せまっしぐらです。一方、婚約者とその幼馴染みは……
水上
恋愛
侯爵令嬢である私、シャロン・ライテルは、婚約者である第二王子のローレンス・シェイファーに婚約破棄を言い渡された。
それは、彼の幼馴染みであるグレース・キャレラの陰謀で、私が犯してもいない罪を着せられたせいだ。
そして、いくら無実を主張しても、ローレンスは私の事を信じてくれなかった。
さらに私は、婚約破棄だけでなく、追放まで宣告されてしまう。
高らかに笑うグレースや信じてくれないローレンスを見て、私の体は震えていた。
しかし、以外なことにその件がきっかけで、私は幸せまっしぐらになるのだった。
一方、私を陥れたグレースとローレンスは……。
【完結】虐げられていた侯爵令嬢が幸せになるお話
彩伊
恋愛
歴史ある侯爵家のアルラーナ家、生まれてくる子供は皆決まって金髪碧眼。
しかし彼女は燃えるような紅眼の持ち主だったために、アルラーナ家の人間とは認められず、疎まれた。
彼女は敷地内の端にある寂れた塔に幽閉され、意地悪な義母そして義妹が幸せに暮らしているのをみているだけ。
............そんな彼女の生活を一変させたのは、王家からの”あるパーティー”への招待状。
招待状の主は義妹が恋い焦がれているこの国の”第3皇子”だった。
送り先を間違えたのだと、彼女はその招待状を義妹に渡してしまうが、実際に第3皇子が彼女を迎えにきて.........。
そして、このパーティーで彼女の紅眼には大きな秘密があることが明らかにされる。
『これは虐げられていた侯爵令嬢が”愛”を知り、幸せになるまでのお話。』
一日一話
14話完結
そんなに聖女になりたいなら、譲ってあげますよ。私は疲れたので、やめさせてもらいます。
木山楽斗
恋愛
聖女であるシャルリナ・ラーファンは、その激務に嫌気が差していた。
朝早く起きて、日中必死に働いして、夜遅くに眠る。そんな大変な生活に、彼女は耐えられくなっていたのだ。
そんな彼女の元に、フェルムーナ・エルキアードという令嬢が訪ねて来た。彼女は、聖女になりたくて仕方ないらしい。
「そんなに聖女になりたいなら、譲ってあげると言っているんです」
「なっ……正気ですか?」
「正気ですよ」
最初は懐疑的だったフェルムーナを何とか説得して、シャルリナは無事に聖女をやめることができた。
こうして、自由の身になったシャルリナは、穏やかな生活を謳歌するのだった。
※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。
※下記の関連作品を読むと、より楽しめると思います。
追放された令嬢は英雄となって帰還する
影茸
恋愛
代々聖女を輩出して来た家系、リースブルク家。
だがその1人娘であるラストは聖女と認められるだけの才能が無く、彼女は冤罪を被せられ、婚約者である王子にも婚約破棄されて国を追放されることになる。
ーーー そしてその時彼女はその国で唯一自分を助けようとしてくれた青年に恋をした。
そしてそれから数年後、最強と呼ばれる魔女に弟子入りして英雄と呼ばれるようになったラストは、恋心を胸に国へと帰還する……
※この作品は最初のプロローグだけを現段階だけで短編として投稿する予定です!
妹に婚約者を奪われ、聖女の座まで譲れと言ってきたので潔く譲る事にしました。〜あなたに聖女が務まるといいですね?〜
雪島 由
恋愛
聖女として国を守ってきたマリア。
だが、突然妹ミアとともに現れた婚約者である第一王子に婚約を破棄され、ミアに聖女の座まで譲れと言われてしまう。
国を頑張って守ってきたことが馬鹿馬鹿しくなったマリアは潔くミアに聖女の座を譲って国を離れることを決意した。
「あ、そういえばミアの魔力量じゃ国を守護するの難しそうだけど……まぁなんとかするよね、きっと」
*この作品はなろうでも連載しています。
婚約破棄をされて魔導図書館の運営からも外されたのに今さら私が協力すると思っているんですか?絶対に協力なんてしませんよ!
しまうま弁当
恋愛
ユーゲルス公爵家の跡取りベルタスとの婚約していたメルティだったが、婚約者のベルタスから突然の婚約破棄を突き付けられたのだった。しかもベルタスと一緒に現れた同級生のミーシャに正妻の座に加えて魔導司書の座まで奪われてしまう。罵声を浴びせられ罪まで擦り付けられたメルティは婚約破棄を受け入れ公爵家を去る事にしたのでした。メルティがいなくなって大喜びしていたベルタスとミーシャであったが魔導図書館の設立をしなければならなくなり、それに伴いどんどん歯車が狂っていく。ベルタスとミーシャはメルティがいなくなったツケをドンドン支払わなければならなくなるのでした。
【完結】捨てられた聖女は王子の愛鳥を無自覚な聖なる力で助けました〜ごはんを貰ったら聖なる力が覚醒。私を捨てた方は聖女の仕組みを知らないようで
よどら文鳥
恋愛
ルリナは物心からついたころから公爵邸の庭、主にゴミ捨て場で生活させられていた。
ルリナを産んだと同時に公爵夫人は息絶えてしまったため、公爵は別の女と再婚した。
再婚相手との間に産まれたシャインを公爵令嬢の長女にしたかったがため、公爵はルリナのことが邪魔で追放させたかったのだ。
そのために姑息な手段を使ってルリナをハメていた。
だが、ルリナには聖女としての力が眠っている可能性があった。
その可能性のためにかろうじて生かしていたが、十四歳になっても聖女の力を確認できず。
ついに公爵家から追放させる最終段階に入った。
それは交流会でルリナが大恥をかいて貴族界からもルリナは貴族として人としてダメ人間だと思わせること。
公爵の思惑通りに進んだかのように見えたが、ルリナは交流会の途中で庭にある森の中へ逃げてから自体が変わる。
気絶していた白文鳥を発見。
ルリナが白文鳥を心配していたところにニルワーム第三王子がやってきて……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる