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神官長様が説明し始めると、場は静かになり声が響き渡る。所々で神官達の『えっ?』とか、『は?』とか言う呟きは一切無視で神官長様は要点を纏めて話し終わった。
水晶が光り出した要因がセイラの祈りにある事や、遠隔でのセイラの祈りで大丈夫な事←祈りの手についても。王国内に突如生えた食糧について、神官達は最終的には、顎が外れそうな位口を開いていた。
そして、神殿内にいるセイラの姿を見ながら1人の神官が、
「では、セイラ様の祈りがあれば魔獣に怯えなくとも以前の様な生活が戻るのですねっ!?」
と言えば、
「ああっ、希望の光だっ!!」
「良かった!!」
「助かった!!」
などの安堵した発言が続いた後に、
「それで、神官長様。セイラ様は聖女候補生の中で次期大聖女と言われてましたよね?王太子との婚約もしていらっしゃる。まさかとは思いますが、ここ最近はセイラ様が祈っていなかったと言う事ですか?」
鋭い視線が突き刺さる。
「あ~、疲れたわっ!!」
神殿から王宮への道すがら、セイラはデュークに愚痴を溢してしまう。
「お疲れ、セイラ」
頭の上にデュークの手のひらが乗り、優しく頭を撫でられる。顔は満面の笑みだ。
「あの神官の質問のお陰で、元王太子・ジェイとミシェルの愚行、並びにセイラは被害者と言う事が皆に知れ渡るだろうな。地方にある水晶も今迄無いくらいに光ってるらしいし・・・。もう隣国に帰らないか?セイラ?」
「そうね。私の祈りがどれほど持つのか確認したかったのだけれど、王国の端にある水晶まで光っているのなら、私の少しの祈りでも効果はある事がわかったわ。それこそ、隙間時間で朝夕に祈れば大丈夫だと思う。予定を早めて明日にでも国王様にお返事をして帰りましょう!!復興を見たい気もするけど、残して来た精霊達にも早く会いたいし、温泉にも浸かりたいわっ!!」
思わず拳を握りしめて力説してしまう。
「ああ、それに俺は早くセイラのオムレツが食べたいな」
「ふふっ、デュークにはお世話になったからいくらでも作るわよ?でも・・・、騎士団にはホントに戻らなくてもいいの?」
成り行きでデュークは騎士団を辞めさせられたままなのだ。ジェイ元王太子の発言なら撤回出来るんじゃないのかな?
「さっき、邪魔されて言えなかったけど。俺はセイラどずっと一緒に居たいと思ってる。俺は聖女候補生の頃からずっとセイラが好きだったんだ。それが今はもう離れたく無いと思う程の気持ちになってしまった。セイラ、この先もずっと俺と一緒に居てくれないか?愛してる」
デュークは言葉を紡ぎながら、いつのまにか片膝をつき、右手を差し伸べプロポーズをしている。
「えっ、あ、あの・・・」
突然の事に頭が真っ白になるが、デュークから目を逸らす事が出来ない。
「セイラ、愛してる」
再びデュークは告げてくる。
「デューク、私も・・・」
立ち上がったデュークにギュッと抱きしめられ、
「ありがとう、セイラ」
耳元で甘く囁かれ、顔が熱くなり・心臓が破裂しそうにドキドキ高なっていく。
ソコが王宮の道すがらだと言う事を忘れていて2人の世界に入っていたが、周りからの冷やかしで我に返るセイラとデュークだった。
水晶が光り出した要因がセイラの祈りにある事や、遠隔でのセイラの祈りで大丈夫な事←祈りの手についても。王国内に突如生えた食糧について、神官達は最終的には、顎が外れそうな位口を開いていた。
そして、神殿内にいるセイラの姿を見ながら1人の神官が、
「では、セイラ様の祈りがあれば魔獣に怯えなくとも以前の様な生活が戻るのですねっ!?」
と言えば、
「ああっ、希望の光だっ!!」
「良かった!!」
「助かった!!」
などの安堵した発言が続いた後に、
「それで、神官長様。セイラ様は聖女候補生の中で次期大聖女と言われてましたよね?王太子との婚約もしていらっしゃる。まさかとは思いますが、ここ最近はセイラ様が祈っていなかったと言う事ですか?」
鋭い視線が突き刺さる。
「あ~、疲れたわっ!!」
神殿から王宮への道すがら、セイラはデュークに愚痴を溢してしまう。
「お疲れ、セイラ」
頭の上にデュークの手のひらが乗り、優しく頭を撫でられる。顔は満面の笑みだ。
「あの神官の質問のお陰で、元王太子・ジェイとミシェルの愚行、並びにセイラは被害者と言う事が皆に知れ渡るだろうな。地方にある水晶も今迄無いくらいに光ってるらしいし・・・。もう隣国に帰らないか?セイラ?」
「そうね。私の祈りがどれほど持つのか確認したかったのだけれど、王国の端にある水晶まで光っているのなら、私の少しの祈りでも効果はある事がわかったわ。それこそ、隙間時間で朝夕に祈れば大丈夫だと思う。予定を早めて明日にでも国王様にお返事をして帰りましょう!!復興を見たい気もするけど、残して来た精霊達にも早く会いたいし、温泉にも浸かりたいわっ!!」
思わず拳を握りしめて力説してしまう。
「ああ、それに俺は早くセイラのオムレツが食べたいな」
「ふふっ、デュークにはお世話になったからいくらでも作るわよ?でも・・・、騎士団にはホントに戻らなくてもいいの?」
成り行きでデュークは騎士団を辞めさせられたままなのだ。ジェイ元王太子の発言なら撤回出来るんじゃないのかな?
「さっき、邪魔されて言えなかったけど。俺はセイラどずっと一緒に居たいと思ってる。俺は聖女候補生の頃からずっとセイラが好きだったんだ。それが今はもう離れたく無いと思う程の気持ちになってしまった。セイラ、この先もずっと俺と一緒に居てくれないか?愛してる」
デュークは言葉を紡ぎながら、いつのまにか片膝をつき、右手を差し伸べプロポーズをしている。
「えっ、あ、あの・・・」
突然の事に頭が真っ白になるが、デュークから目を逸らす事が出来ない。
「セイラ、愛してる」
再びデュークは告げてくる。
「デューク、私も・・・」
立ち上がったデュークにギュッと抱きしめられ、
「ありがとう、セイラ」
耳元で甘く囁かれ、顔が熱くなり・心臓が破裂しそうにドキドキ高なっていく。
ソコが王宮の道すがらだと言う事を忘れていて2人の世界に入っていたが、周りからの冷やかしで我に返るセイラとデュークだった。
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