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「セイラよ、其方は今朝店を開きたいから大聖女にはなれないと言っておったな?しかし、店をやりながら毎日30分程祈りを捧げてはくれないだろうか?それにジェイはセイラを国外追放したが、実際の行政手続きは何もしておらん。セイラはここの国民である事は何も変わっておらぬのだ」
セイラは国外追放された際に、てっきり身分も何もかも抹消されたと思っていたので、国民である事に変わりが無いと言われ、正直嬉しかった。2度と実家に脚を踏み入れる事も出来ず、帰る場所が無いと思っていたのだ。
「どうだろうか?」
国王様は、セイラの目を懇願とも思える眼で見つめ問いかけている。
「1日、1日だけ考えさせて下さい。明日の夕方にはお返事させて頂きます」
「うむ、わかった。しかし、良い返事を期待しておるぞ」
セイラとデュークはタイミングを合わせ、部屋を辞した。
「セイラならすぐに引き受けると思った。何故受けなかったんだ?」
30分程なら店を始めても何とかなりそうだとデュークは考えた。しかし、
「私が午後の10分程とここに来るまでの歩きながらの10分でどれくらい大水晶の輝きと言うか力?が保つのか確認・観察したかったの。本当に毎日30分で足りるのか、足りないのか。それに、大水晶の影響が遠く離れた神殿の水晶にも影響しているのか」
そう、ここ王城には大水晶があるが、国内全域に聖なる力を送るために、各地の神殿には受け皿となる水晶があるのだ。大水晶を通し国内全土で魔獣や災害が出ないように祈っている。もちろん各地の神殿には神官が配置されているので、もし大水晶と同じように光輝いたのであれば、使いの者が急いで王城の神殿に集まって来るだろう。セイラは聖女授業の一環でいくつかの地方の神殿に行った事がある。しかし、大水晶が薄っすらと光っていた時ですら、水晶は全く光ってはいなかった。果たして今はどうなっているのだろうか?
セイラとデュークは神殿に向かい歩き始めた。セイラが神殿で祈ってから約5時間、夕方に祈ってから約2時が経とうとしている。すると、視界の遥か遠くから神殿に向けて走って来る人物がいる。
王城の区画内(隣接する神殿も含む)は乗馬禁止なので、急ぎであれば走るしかないのだ。但し、騎士だけは敵襲・魔獣対策の場合のみ乗馬を許されているが、セイラはまだ見た事が無い。
「来たわね、私達も話しを聞きに行きましょう」
かなりの確率で、水晶の件だと思うのでデュークの腕を引っ張り神殿へと急いだ。
セイラは国外追放された際に、てっきり身分も何もかも抹消されたと思っていたので、国民である事に変わりが無いと言われ、正直嬉しかった。2度と実家に脚を踏み入れる事も出来ず、帰る場所が無いと思っていたのだ。
「どうだろうか?」
国王様は、セイラの目を懇願とも思える眼で見つめ問いかけている。
「1日、1日だけ考えさせて下さい。明日の夕方にはお返事させて頂きます」
「うむ、わかった。しかし、良い返事を期待しておるぞ」
セイラとデュークはタイミングを合わせ、部屋を辞した。
「セイラならすぐに引き受けると思った。何故受けなかったんだ?」
30分程なら店を始めても何とかなりそうだとデュークは考えた。しかし、
「私が午後の10分程とここに来るまでの歩きながらの10分でどれくらい大水晶の輝きと言うか力?が保つのか確認・観察したかったの。本当に毎日30分で足りるのか、足りないのか。それに、大水晶の影響が遠く離れた神殿の水晶にも影響しているのか」
そう、ここ王城には大水晶があるが、国内全域に聖なる力を送るために、各地の神殿には受け皿となる水晶があるのだ。大水晶を通し国内全土で魔獣や災害が出ないように祈っている。もちろん各地の神殿には神官が配置されているので、もし大水晶と同じように光輝いたのであれば、使いの者が急いで王城の神殿に集まって来るだろう。セイラは聖女授業の一環でいくつかの地方の神殿に行った事がある。しかし、大水晶が薄っすらと光っていた時ですら、水晶は全く光ってはいなかった。果たして今はどうなっているのだろうか?
セイラとデュークは神殿に向かい歩き始めた。セイラが神殿で祈ってから約5時間、夕方に祈ってから約2時が経とうとしている。すると、視界の遥か遠くから神殿に向けて走って来る人物がいる。
王城の区画内(隣接する神殿も含む)は乗馬禁止なので、急ぎであれば走るしかないのだ。但し、騎士だけは敵襲・魔獣対策の場合のみ乗馬を許されているが、セイラはまだ見た事が無い。
「来たわね、私達も話しを聞きに行きましょう」
かなりの確率で、水晶の件だと思うのでデュークの腕を引っ張り神殿へと急いだ。
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