国外追放ですか?畏まりました(はい、喜んでっ!)

ゆきりん(安室 雪)

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 セイラの答えに、

「オムレツ、オムレツ・・・。我が国はオムレツに負けると言うのか・・・。いや、しかし、オムレツは美味い・・・」

 国王様はブツブツと呟き始めたが、デュークが騎士に伴われやって来ると、

「2人には申し訳無いことをした。数日、城で休んでいってくれて構わぬ。オムレツには負けたが、魔獣にはまだ完敗しておらぬっ」

 そう言って、寝室に入って行ってしまったので、ありがたく休ませて貰う事にした、一晩中馬の上で過ごし、一睡もしていないのだ。騎士に連れられ、来賓用の部屋に案内される途中で侍女が案内を代わる。

「セイラ様はこちらの部屋を。お連れの方は隣の部屋になります」

 デュークの部屋は手で示された。

 セイラは室内まで案内され、細々と世話を焼こうとしてくれるが、早く1人になり休みたかったので、世話は不要だと言い部屋から出て行ってもらった。

 侍女は不服そうにしながらも、着替え用の服の位置などを伝えてくれた後、部屋から出た。

 ふうっ、と溜息を吐き、セイラはシャワーを浴びる事にした。

 昨日、温泉に入れなかったし馬の上は砂埃がモロにかかるのだ。シャワーを浴びると浴槽に湯が張ってあるのに気がついた。

「あら!?薔薇のいい香りがするわ。オイルが垂らしてあるのかしら?」

 折角なので、お湯に浸かる事にした。最近は温泉ばかりに入っていたので、薔薇のお風呂に浸かるのは新鮮だった。

「ふふっ、いい香りだわ」

 ご機嫌でお風呂から上がったセイラは素早く髪を乾かし、ベッドに潜り込んだ。

 そして、夢を見た。



 禍々しい空気感に当たりを見渡すと、荒れ果てた農地・痩せ細った家畜達。

『助けて・助けて・・・」

 と何処からともなく声が聞こえる。

『苦しい・苦しいよ、聖女様・・・』



 パッと目を覚ますと、豪華な天蓋付きのベッドから身を起こし、汗だくだった。

 あれは・・・、大地の悲鳴?

 こんな事、初めてだわ。大地が限界を訴えてくるなんて・・・。



 再び寝付く事は出来そうにない。

 時間はそろそろお昼位だろうか?イヤな汗をかいたので、もう一度シャワーを浴び、着替え用のドレスを借りた。身支度を整えるとタイミングよく、侍女が昼食をどうするか聞きにきた。昨夕食べたきりなので、食べる返事をすると別室に案内してくれるようだ。

 隣室のデュークにも声をかけ、2人で廊下を歩く。そして、侍女に気になった事を聞く事にした。

「この国の民は、きちんと生活出来ているのかしら?」

 すると、侍女の足はピタリと止まった。






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