国外追放ですか?畏まりました(はい、喜んでっ!)

ゆきりん(安室 雪)

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 家具屋さん達が帰り、再びデュークとセイラは紅茶を飲み始めた。

「何だか数日で色々あって、目まぐるしかったわね・・・。でも、早くお店を開きたくなって来た。メニューもだいぶ固まってきたし、10日後にオープンでどうかな?」

 デュークに聞いてみる。

「下準備は揃ってきたし、リンダさんが卵や野菜を買ってくれるみたいなので、1日数人のお客さんでも大丈夫だろうね。いきなり沢山のお客さんが来ても困るだろうし」

「そうよね。オープンのお知らせは、ケミュさん・リンダさん・デルモンテさん・ナオさんだけにしようかな?」

「ええ、そこから少しずつお客さんが増えれば良いんじゃないかな?」

 「じゃあそうしてみよ~っと。あ、そろそろケミュさんが卵を取りにくる頃ね?準備しなきゃ」


  その後、卵を取りに来たケミュさんに卵を渡しながら、10日後にオープン予定で考えている事を伝えると、リンダさんにも伝えてくれると笑顔で帰って行った。

 そしてまたすぐにお店の扉が開いたので、ケミュさんが何か忘れ物でもしたのかな?と扉に顔を向けると、あり得ない人がいた。



「久しぶりだな、セイラ。デュークに手紙を送っても埒があかないから直接連れ戻しに来た。大人しく帰ってくるよな?」

 最後に会った時は幸せいっぱいの顔だったジェイ王子は、頬がコケ、眼はギラギラとし、髪はボサボサで、声を聞かなければ本人だとすぐには断定出来ない程だ。

「えっと・・・?私はあなたに国外追放を受けた身ですよ?」

「4の5の言わず、着いてこいっ!!」

 鬼の形相に変わったジェイ王子に腕を捕まれ、強引に引っ張られる。デュークが手を伸ばすが、その手はいつの間にか側にいたジェイ王子の護衛に阻まれ、セイラを守る事は出来なかった。

「デューク、お前は俺に逆らった。クビだ。そして反逆者と見做し拘束する。連れて行けっ!!」

 必死でデュークはセイラに近づこうとするが、数人の護衛に捉えられ外に引きずられて行った。

「大人しく着いて来ないと、デュークはどうなるか保証出来ないぞ?」

 ニヤリとジェイ王子は笑った。

 こんな笑い方や無体な事をする人では無かったはず。まだ、アレから1か月も経っていないのに、何が起こったの?

 デュークに手紙を送ったと言っていたが、セイラは何も聞いていない。どんな内容だったのだろうか?

「分かりました。一緒に行きます。だから、デュークには無体な事はしないで」

  とりあえず、デュークに身の安全をお願いし、ジェイ王子に着いて行く事にした。




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