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 雑貨屋さんの隣にはカフェがある。

 デュークへのお礼も兼ねてご馳走する事にし、店に入りケーキと紅茶を頼む。メニューに書いてある絵がとても美味しそうだし、セイラはパウンドケーキが好きなのだ。

 出てきたパウンドケーキは、ハッキリ言って不味い・・・。セイラは卵の白身をたっぷり使い泡立てる、黄身の部分ももちろん後から加えるので卵たっぷり・バターもたっぷりのフワフワで贅沢な味なのだ。しかし、コレは固く・小麦が固まっている。

「セイラのパウンドケーキに慣れてしまうとちょっと辛いな。いや、パウンドケーキと言えばコレが普通で、こちらに来る時に寄ったカフェや、セイラの作るモノの方が珍しいのだが」

 確かに。

 こちらに来る途中に寄ったカフェはまだ王都寄りだから贅沢に作ってあった。クルミもふんだんで・・・。そして、紅茶も美味しくない。何だろ?お湯の温度かな?かなり渋みが出てしまってもったいない。

 うん、帰ったらもう一度パウンドケーキと、昨日のプリンも食べよう。




 夕方には家具が届くので、残念なお茶をした後はすぐに帰る事にした。本日2度目のパウンドケーキを食べながら家具屋さんの配達を待つ事にした。やはりフワフワなパウンドケーキは美味しい。日にちが経つとしっとりして来るのだが、まかり間違っても昼間の硬いパウンドケーキにはならない。
 
「そう言えば、デューク。あんまり美味しくないパウンドケーキを食べている時、ちょっとお店から出て行ったよね?何か用事だったの?」

 基本、外に出る時は必ず目の届く範囲にいてくれるので、珍しいと思ったのだ。

「あ、いや、その・・・」

 デュークが珍しく口ごもると、お店の扉が開いた。まだオープンしていないので、やって来るとすればケミュさん・リンダさん・家具の配達の人くらいだ。しかし、現れたのは

「雑貨屋さん?どうしたんですか?」

 お昼間に訪れた雑貨屋さんの店員さんだ。

「こんにちわ~、贈り物で~す」

 綺麗にラッピングされた箱を手渡される。

「デューク様からセイラ様宛です。壊れ物なので、お気をつけ下さいっ。またお待ちしてまぁす♪」

 明るく店員さんは帰って行こうとし、テーブルのケーキをチラ見して、

「わっ、美味しそうですね」

 と目がランランしている。

 ついでに引き寄せられてる。

「もし時間があるようでしたら、味見して感想を聞かせてもらえませんか?まだ、オープン時の参考にしたいと思うんです」

「時間ならいっぱいあります!!パウンドケーキ大好きっ!!」




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