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 ミケは縁の力を凄く発揮してくれた。

「まさか鶏問題を解決してしまって、鶏小屋までお世話してくれるなんて。びっくりだわ。あっ、もちろんデュークにも感謝しているわ。前もって養鶏場に話しをしてくれてたんだもんね」

 デルモンテさんが帰ったあと、紅茶を飲みながら呟く。

「いえ、俺なんて全然ですよ。それより、ウサギの豊穣の力、侮ってた。野菜の成長が凄くて驚いた。デルモンテさんと裏庭に行ったらワッサワッサ野菜が成長してて」

「そうね、精霊の力は本当にびっくりだわ。ふふっ、明日になったらヒナ達が成鳥になってたりしてね」

「まあ、ソレは無いと思うぞ?」

 2人は戸締りをし、宿屋に帰る事にした。




 翌日、朝から鶏小屋を覗きに行ったセイラはビックリして声が出なかった。何と、ヒナが成鳥になっていたのだ。立ち尽くしているセイラのもとに馬を繋いだデュークがやって来た。

「どうしたんです?立ち尽くして?」

「あれ・・・」

 セイラは鶏小屋を指さした。

「鶏小屋がどうか・・・、はぁ!?」

 デュークも素っ頓狂な声を上げた。

「ヒナって一晩で成鳥するもの?鶏って1日に卵をいくつ産むの!?何で烏骨鶏が増えてるのっ!?」

 セイラは思った事が止めどなく口から出てしまう。

 しかし、セイラは混乱しながらもカゴを取りに行き、戻ってくると3つのカゴに黙々と卵をいれた。そして1つを持って店に入っていく。その後をデュークは2つのカゴを持ってついて行った。

「これがタヌキの力なの!?家畜の健康と繁栄!?」

「うんうん、僕にかかればコレくらい朝飯前さっ!!実際朝食前だった!!ねえ、ミルクちょうだい?」

 タヌキはセイラの前で自慢げに胸を張った後、ミルクを催促した。今日はまだ3体に朝食をあげてなかったし、セイラ達も鶏の卵で朝食を食べようとやってきたのだ。

「セイラ、卵はいくつあるの?」

 椅子に座ったデュークが問いかけてくる。

 タオルの上にセイラは卵を並べてみる。

「え~っと、鶏が60個と多分烏骨鶏の卵が10個かな?こんなに沢山どうしよう?」

「ケミュさんが卵は貴重って言ってたから、宿屋のレストランで使って貰うか?」

 2人は半熟スクランブルと野菜サラダ、ミネストローネで朝食を済ませ、卵を持って宿屋に向かった。

 


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