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「ええと・・・、またですか・・・?」
デュークはソファーの上でタオルに包まれてる三毛猫を指差して、頬を引き攣らせている。
「ええ。またです」
流石に3度目なので、手際良く乾かしながらデュークにミルクをお願いした。コクリと頷き、部屋に常備し始めたミルクをコップに注ぎ持ってきてくれる。
セイラは手のひらを三毛猫に向け、淡い光で包み込む。数秒で目を覚ました三毛猫に、デュークはミルク入りのコップを手渡す。すると見慣れた格好で『ゴキュッ・ゴキュッ』と喉を鳴らしながら一気飲みする。デュークがお代わりのミルクを渡すと、ソレも飲み干してから辺りをキョロキョロと見渡し、パタリと寝落ちしてしまった。
「えっ!?大丈夫なのっ!?ミケっ!?」
必死で呼びかけてもミケは反応せず爆睡しているようだ。その様子を見ていたデュークは『ぶふっ』と吹き出してから、
「ネコという名前は付けれませんが、『ミケ』なら問題ないのか?」
ウサギとタヌキに話しかけている。
「我は『ネコ』はイヤだが、ソレが良ければ何でもいいじゃろ?要は本人次第じゃ。起きたら聞いてみるが良い」
ウサギとタヌキは、ふわふわと宙を移動し、寝ぐらに用意されたふかふかの布を敷いた籠に入る。彼らも休む様だ。
「ふぁ~、今日はもう休みましょう。ミケの事はまた明日にでも考えましょう」
「そうですね。では、おやすみなさいセイラ」
デュークはセイラに微笑みながら声をかけ、自室に向かっていく。
「おやすみなさい、デューク」
この部屋で共同生活を開始してから、セイラは毎晩この挨拶をするのだが、こそばゆいかった当初よりも自然に言葉を交わせる様になった。
そして最近では、デュークの笑顔を見ると、セイラはドキドキするのだ。
「何か変なものでも食べたのかな?それとも、温泉効果で血流が良くなってきたのかなぁ?勉強しなくて良くなったから、ストレスもないし?うんうん、そうだよね~」
とブツブツ呟きながらセイラはフワフワのベッドに潜り込み、数秒後には夢の彼方に誘われて行ったのだ。
デュークはソファーの上でタオルに包まれてる三毛猫を指差して、頬を引き攣らせている。
「ええ。またです」
流石に3度目なので、手際良く乾かしながらデュークにミルクをお願いした。コクリと頷き、部屋に常備し始めたミルクをコップに注ぎ持ってきてくれる。
セイラは手のひらを三毛猫に向け、淡い光で包み込む。数秒で目を覚ました三毛猫に、デュークはミルク入りのコップを手渡す。すると見慣れた格好で『ゴキュッ・ゴキュッ』と喉を鳴らしながら一気飲みする。デュークがお代わりのミルクを渡すと、ソレも飲み干してから辺りをキョロキョロと見渡し、パタリと寝落ちしてしまった。
「えっ!?大丈夫なのっ!?ミケっ!?」
必死で呼びかけてもミケは反応せず爆睡しているようだ。その様子を見ていたデュークは『ぶふっ』と吹き出してから、
「ネコという名前は付けれませんが、『ミケ』なら問題ないのか?」
ウサギとタヌキに話しかけている。
「我は『ネコ』はイヤだが、ソレが良ければ何でもいいじゃろ?要は本人次第じゃ。起きたら聞いてみるが良い」
ウサギとタヌキは、ふわふわと宙を移動し、寝ぐらに用意されたふかふかの布を敷いた籠に入る。彼らも休む様だ。
「ふぁ~、今日はもう休みましょう。ミケの事はまた明日にでも考えましょう」
「そうですね。では、おやすみなさいセイラ」
デュークはセイラに微笑みながら声をかけ、自室に向かっていく。
「おやすみなさい、デューク」
この部屋で共同生活を開始してから、セイラは毎晩この挨拶をするのだが、こそばゆいかった当初よりも自然に言葉を交わせる様になった。
そして最近では、デュークの笑顔を見ると、セイラはドキドキするのだ。
「何か変なものでも食べたのかな?それとも、温泉効果で血流が良くなってきたのかなぁ?勉強しなくて良くなったから、ストレスもないし?うんうん、そうだよね~」
とブツブツ呟きながらセイラはフワフワのベッドに潜り込み、数秒後には夢の彼方に誘われて行ったのだ。
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