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 翌日午後、レストランのウェイター・ケミュさんと空き家の前で待ち合わせる。時間よりも少し早く着いてしまったが、ケミュさんは先に着いていて、中を掃除していた。

 「ああ、もう着いてしまったんですね。すいません、しばらく掃除に来てなかったので少し埃っぽいですが、どうぞ」

 窓は開けてあるが、少し埃っぽい。しかし、ケミュさんが少し拭き掃除をしていてくれたので、文句は言わない。それに急に昨日お願いしたのだ。

 「思ったよりも1回は広々してますね~、わぁキッチンスペースも広めで使いやすそう」

 店内部分は広いが客席が少な目でゆったりしている。キッチン周りも棚や材料を置くスペースがきちんと整備されている。

 「裏に井戸があるのはこないだ発見したのだけれど、キッチンの水はどうなってるのかしら?」

 ケミュさんにたずねると、

 「昔は井戸水を使ってたんだけど、今は上下水道が完備されてますよ。火は魔石を敷いてありますので、コレをポチッと押せば点きます。火力の調整はココですよ~」

 実際に火を点けてくれた後、水も出る事を見せてくれた。

 「うんうん、素晴らしいわね」

 1階にはお客さん用トイレと自分用トイレが別々にあり、洗面や簡易洗濯機、お風呂もある。2階も見せてもらうと2部屋あり、陽当たりも良さそうだ。

 「2階も良かったわ。後は畑と鶏小屋さえ作ればばっちりよ」

 階段を下りながらデュークに話しかける。

 「鶏小屋は私が作るとしますよ。畑は追い追い整えて下さい」

 「ケミュさん、お兄さんに是非この物件を買いたいので金額を提示して欲しいと伝えて貰えるかしら?」

 「分かりました、昨日手紙を出して希望金額も聞いてるので、返事が来たら伝えます。まだ宿にお泊りですよね?」

 「ええ、行く所がないのでね。返事お待ちしてます」

 ケミュさんとはその場で別れ、宿に向かう。

 「ねえ、デューク。あなたはあの物件どう思う?」

 「いいと思います。が、正直値段次第ですね。店スペースも机とテーブルはそのまま使えそうだし、キッチンスペースにあった食器類もシンプルでどんな料理にも合いそうだった。2階は私は見てませんが・・・。そうですね、相場的には1,000~1,300万ルビー位が妥当なラインです」

 ジェイに当初もらったお金は3,000万ルビーだから大丈夫だけど。

 「ボラれたらイヤよね。どんなに高くてもそうね、1,500万ルビーを上限に考えます。王子が今後支払いをしなくなる可能性もあるし。住んでみたらリフォームしたい所が出るかもしれないしね。どうかしら?」

 「まあ、上限が高い気がしますが。他に今の所いい物件が無いですからね」

 「とりあえず返事が来るまで、明日からも周辺わ見に行きましょう。周辺のお店情報も知りたいし」

 「ええ。ポシャる可能性もありますからね。第2候補も探しておきましょう」

 


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