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無事に(?)国外追放になった私はまとめておいた荷物を持って裏門に向かった。ボロ過ぎない馬車が1台停まっている。近づくと御者が声をかけてくる。薄い金髪を後ろで一括りに結んでいる。優しいブルーの瞳だ。
「セイラ様ですね。お急ぎ下さいませ。中に王子からの手紙があります」
中に乗り込むと座面にトランクケースと手紙があった。トランクケースを開けると中にはお金がある。金額も間違いない。それと銀行のカードはセイラ名義になっている。
そして契約書も間違いなく、手紙にはしばらくは隣国の宿に泊まり、今後の生活方法をゆっくり考えて欲しいと書いてあった。手紙を読んでいる間に馬車は既に走り出している。多分、隣国に向かっているのだろう。
あ~ぁ、お父様とお母様には手紙で王子からの提案は書いて送っておいたけど、怒るだろうな~。しばらくして落ちついたら、また手紙送ればいいか。
3時間程馬車は走り、途中の街で停まった。
「セイラ様、1度休憩しましょう」
御者に連れられ、カフェに入った。さっきまでいた王都よりもこじんまりとした街だが、お洒落なカフェだった。
「さて、セイラ様。私はデュークと申します。第1騎士団に所属しておりますが、今日からしばらくはセイラ様の補佐をさせて頂きます。1人立ち出来るまでのサポートになりますが、よろしくお願いします」
「えっ、サポート!?そんな事までしてくれるの?」
「基本、ジェイ様は面倒見の良い方なんです」
「はぁ。では、お願いします」
運ばれてきた紅茶とケーキを堪能しながら今後の話しをする。
「一応、隣国の宿屋を1ヶ月予約してあります。なので、セイラ様のやりたい事や仕事についてゆっくり考えましょう。お手伝いします。あ、このケーキ美味しいですね」
2人はパウンドケーキを注文したのだ。ドライフルーツやナッツが沢山入っていて食べ応えがある。気に入ったかも。
デュークは会計時に、パウンドケーキや焼き菓子を沢山買っていた。
「日持ちしますからね、明日からのおやつにしましょう」
そう言ってからセイラを馬車に乗せ、再び隣国に向け出発した。
「セイラ様ですね。お急ぎ下さいませ。中に王子からの手紙があります」
中に乗り込むと座面にトランクケースと手紙があった。トランクケースを開けると中にはお金がある。金額も間違いない。それと銀行のカードはセイラ名義になっている。
そして契約書も間違いなく、手紙にはしばらくは隣国の宿に泊まり、今後の生活方法をゆっくり考えて欲しいと書いてあった。手紙を読んでいる間に馬車は既に走り出している。多分、隣国に向かっているのだろう。
あ~ぁ、お父様とお母様には手紙で王子からの提案は書いて送っておいたけど、怒るだろうな~。しばらくして落ちついたら、また手紙送ればいいか。
3時間程馬車は走り、途中の街で停まった。
「セイラ様、1度休憩しましょう」
御者に連れられ、カフェに入った。さっきまでいた王都よりもこじんまりとした街だが、お洒落なカフェだった。
「さて、セイラ様。私はデュークと申します。第1騎士団に所属しておりますが、今日からしばらくはセイラ様の補佐をさせて頂きます。1人立ち出来るまでのサポートになりますが、よろしくお願いします」
「えっ、サポート!?そんな事までしてくれるの?」
「基本、ジェイ様は面倒見の良い方なんです」
「はぁ。では、お願いします」
運ばれてきた紅茶とケーキを堪能しながら今後の話しをする。
「一応、隣国の宿屋を1ヶ月予約してあります。なので、セイラ様のやりたい事や仕事についてゆっくり考えましょう。お手伝いします。あ、このケーキ美味しいですね」
2人はパウンドケーキを注文したのだ。ドライフルーツやナッツが沢山入っていて食べ応えがある。気に入ったかも。
デュークは会計時に、パウンドケーキや焼き菓子を沢山買っていた。
「日持ちしますからね、明日からのおやつにしましょう」
そう言ってからセイラを馬車に乗せ、再び隣国に向け出発した。
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