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 快晴の剣術大会当日、ハズキはマリナと共に大会が行われるコロシアムへと馬車で向かう。会場近くになると応援に駆けつけた貴族の馬車、一般の見物客で溢れ返っている。ハズキ達の馬車は関係者入り口へと向かった。こちらは少し人が少ないが、それでも多くの人が馬車から降りていた。

 「家族には決まった席が用意されていますので」

 セバスチャンの誘導に従い、ハズキとマリナは通路を進んで行き、観客席に着く。

 「総当たり方式です。最初は沢山の試合が一気に行われますが、準々決勝からは1組ずつになります。ちなみに去年はシリウス様が優勝なさってます」

 「そう。シリウス様の騎士団長の職は飾りでは無いと言う事ね?では準優勝はアルフレッドなのかしら?」

 「左様でございます」

 ふ~ん、まあ怪我しないように適度に頑張れば?優勝候補って事は夕方くらいまでは帰れないって事かな?面倒だなぁ。

 「もし退屈であれば、選手の控え室とは別に家族用の休憩室もあります。そちらでお茶もできますので」

 「そうね。退屈になったら行こうかしら?」

 そうこうしているうちに開会式が始まった。

 総当たりは一気に20組以上の試合が行われ、誰がどこにいるかもわからない。試合のアナウンスで誰が勝ったとか言っているが、数が多くかなりうるさく感じる。

 「ねえ、セバスチャン。来年からは午後から来ようかしら?」

 多分ナツキなら退屈で仕方ない筈だ。ハズキも今現在、苦痛である。

 「かしこまりました、覚えておきます」

 午前の部が終わり、騎士達は応援に来ている家族と共にお弁当を食べる者も多いようだ。
まあ、シリウスは来ないだろうと3人は昼食を食べる。休憩時間は下の試合が行われている場所に一般人も降りられるようなので、ハズキ達も降りてみる事にした。

 小さな子供はお土産売り場で売っている、おもちゃの刀を振り回してたり、立ち入り禁止のスペースでは騎士が剣を振っていたりする。同じ男としては羨ましい。ハズキも武闘派ではあるが、騎士に勝てるとは思ってはいない。所々に模造剣が置いてあり、ハズキは試しに持ってみる。本物の剣とほぼ同等の重さだ。

 「重いわね」

 そう言って剣を戻す。3人がそろそろ応援席に戻ろうと思った時にそれは起こった。騎士が振っていた剣が他の騎士の剣に当たり、飛ばされて来たのだ。しかも方向はこっち!?ハズキはすかさず近くの模造剣を手に取り、飛んで来た剣を叩き落とした。

 周りには小さい子供達もいて危ないっつ~のっ!!気をつけろよっ!!

 ふんっ!!

 と、模造剣を元の場所に置く。

 あ、あれ?辺りは何故が静まっている。

 「ナツキ様、相変わらずの腕前でした。さすが弟と一緒に剣を習っていただけはありますね。けれど、人目を引き過ぎです」

 マリナがお小言をこぼした。

 「あ、あれ?あははっ・・・」

 俺は逃げるようにその場を立ち去る事にした。その姿をシリウスは遠くから見ていた。

 

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