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「ナツキ様、皆喜んでましたよ?」
昨日大量に買って来たケーキは全て屋敷の皆に行き渡ったようだ。もちろんハズキとマリナもだ。
「色々な種類があってどれも食べたくなるんだよな。よし、月に1回ケーキの日でも作るか?毎回違う店でケーキを買うとか」
「皆は喜ぶと思いますけど、旦那様は何か言ってこないでしょうか?」
「え?だって『好きにしろ』だろ?だから好きにするんだ。不都合があれば何か言ってくるさ」
どうせシリウスは俺が何をしても気にしないさ~っ!と、俺は昨日買ってもらったミシンでクッションカバーを縫い始める。昔、ナツキが学校の宿題でクッションカバーやらパジャマやらを作る時、ミシンが上手く出来なくて俺が作る羽目になったのだが。これが案外楽しい。しかも、自分の好きな柄で欲しい物が作れるのだ。
この部屋にはソファーはあるがクッションが無かったからな。好きな布で作る事にしたのだ。中身は何処かに余ってるだろう。俺は鼻歌を歌いながら着々とクッションカバーを量産していく。
ご機嫌で作っていると、執事が現れた。
「ナツキ様、ミシンは大丈夫ですか?」
「ええ、問題無く使えてますわ。それで、クッションの中身は余って無いかしら?すっかり中身を忘れていたわ」
「有りますのでお持ち致しますね。おや、もう出来ているのですか?見せて頂いても?」
「素人なので恥ずかしですが・・・」
出来上がったクッションカバーを一つ手渡す。
「売り物の様に綺麗ですね。布の端も処理してありますし。ご立派です」
執事は褒め言葉を残し、一旦部屋から出て行き、数分でクッションの中身を持って戻って来た。
「ありがとう、すぐに使いますわ」
俺はクッションカバーに中身を入れ形を整え、ソファーの上に並べる。
「ああ、ピッタリですねナツキ様っ!」
「ええ、思った以上に会うわね」
出来上がりを見て執事は下がった。
「ナツキ様、相変わらず素晴らしいですね。教会の寄付もクッションカバーをいくつか作ってみたらどうですか?刺繍より量産出来ますし、クッションカバーで部屋のイメージが変わるので気分転換しやすいですよね?」
「そうだな。今回はクッションカバーを教会用に量産して、刺繍は少な目にしてみるか」
メイド情報によると、1ヶ月後に教会主催のバザーがあり、貴族達は寄付と称して何か出品しなければならないようなので、ハズキはせっせと作る事にしたのだ。買った物を寄付でもいいが、やっぱり手作りの方が印象が良さそうだろう。
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「え?だって『好きにしろ』だろ?だから好きにするんだ。不都合があれば何か言ってくるさ」
どうせシリウスは俺が何をしても気にしないさ~っ!と、俺は昨日買ってもらったミシンでクッションカバーを縫い始める。昔、ナツキが学校の宿題でクッションカバーやらパジャマやらを作る時、ミシンが上手く出来なくて俺が作る羽目になったのだが。これが案外楽しい。しかも、自分の好きな柄で欲しい物が作れるのだ。
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ご機嫌で作っていると、執事が現れた。
「ナツキ様、ミシンは大丈夫ですか?」
「ええ、問題無く使えてますわ。それで、クッションの中身は余って無いかしら?すっかり中身を忘れていたわ」
「有りますのでお持ち致しますね。おや、もう出来ているのですか?見せて頂いても?」
「素人なので恥ずかしですが・・・」
出来上がったクッションカバーを一つ手渡す。
「売り物の様に綺麗ですね。布の端も処理してありますし。ご立派です」
執事は褒め言葉を残し、一旦部屋から出て行き、数分でクッションの中身を持って戻って来た。
「ありがとう、すぐに使いますわ」
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「ああ、ピッタリですねナツキ様っ!」
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「ナツキ様、相変わらず素晴らしいですね。教会の寄付もクッションカバーをいくつか作ってみたらどうですか?刺繍より量産出来ますし、クッションカバーで部屋のイメージが変わるので気分転換しやすいですよね?」
「そうだな。今回はクッションカバーを教会用に量産して、刺繍は少な目にしてみるか」
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