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「鷹夜さんっ!」
美希は勢いよく立ち上がったが、怪我をしている脚は素直に立ってはくれなかった。グラリと体が傾く。それを樹さんが支えてくれる。
「おっ。美希危ないな。脚、怪我してるんだから大人しくしてろよ」
「樹さん、すいません」
樹さんに支えられていると、鷹夜さんにペリッと引き離され、鷹夜さんの胸に引き寄せられる。脚が痛く、踏ん張りの効かない美希はほぼ、抱き込まれている状態だ。
「で、樹さんに何で美希が世話になる事に?」
樹さんは新しく紅茶を入れて、鷹夜さんが持ってきたケーキをお皿に乗せ、リビングに運び、美希と鷹夜を座る様に促す。
「ああ、美希が追っかけられてて、俺の車の横で倒れたんだ。で、怪我してたし、頭打ってないけど意識なかったから、とりあえず持ち帰ってみた」
「それはお世話になりました。でも、呼び捨てなのは?」
鷹夜はちょっと樹を睨んでしまう。
「少し、味見したからな。お前、離婚する予定は無いのか?」
「は?無いに決まってる!美希はやりませんよっ」
そう言いながら、左腕で美希を抱く。
睨まれても気にせず、樹はメロンケーキを食べ始める。
「うまいな。なかなか自分では買いに行けないからな」
ご機嫌で自分の分を食べ、鷹夜さんの分にも手を伸ばす。そして、それもペロリと食べてしまう。このままでは、美希の分も食べてしまいそうだ。危機を感じ美希はお皿を手に取り、メロンの果肉を食べる。丸くくり抜いてあるメロンはジューシーでとても甘い。
「うっわ!凄く美味しいっ!こんなに美味しいメロン久々っ」
こないだ食べたメロンも美味しかったなぁ~。スプーンですくって食べたんだよね~
と思い出し、ついでに鷹夜さんに身体を気遣われたお見舞いメロンだった事を思い出し、美希の顔は赤くなってしまう。
「美希、俺にも一口くれ」
と鷹夜さんはスプーンごと美希の手を掴み、メロンケーキを食べる。
「確かに美味いが、俺はそのままのメロンが好きだな。なぁ、美希?」
妖しげな色気を纏った眼で美希を見つめる。
「うっ、私はどっちも好きですよ?」
樹さんの眼が嬉しそうに細められ、鷹夜さんはちょっと不機嫌な顔をする。
だって、両方とも美味しいもんっ!!
美希は勢いよく立ち上がったが、怪我をしている脚は素直に立ってはくれなかった。グラリと体が傾く。それを樹さんが支えてくれる。
「おっ。美希危ないな。脚、怪我してるんだから大人しくしてろよ」
「樹さん、すいません」
樹さんに支えられていると、鷹夜さんにペリッと引き離され、鷹夜さんの胸に引き寄せられる。脚が痛く、踏ん張りの効かない美希はほぼ、抱き込まれている状態だ。
「で、樹さんに何で美希が世話になる事に?」
樹さんは新しく紅茶を入れて、鷹夜さんが持ってきたケーキをお皿に乗せ、リビングに運び、美希と鷹夜を座る様に促す。
「ああ、美希が追っかけられてて、俺の車の横で倒れたんだ。で、怪我してたし、頭打ってないけど意識なかったから、とりあえず持ち帰ってみた」
「それはお世話になりました。でも、呼び捨てなのは?」
鷹夜はちょっと樹を睨んでしまう。
「少し、味見したからな。お前、離婚する予定は無いのか?」
「は?無いに決まってる!美希はやりませんよっ」
そう言いながら、左腕で美希を抱く。
睨まれても気にせず、樹はメロンケーキを食べ始める。
「うまいな。なかなか自分では買いに行けないからな」
ご機嫌で自分の分を食べ、鷹夜さんの分にも手を伸ばす。そして、それもペロリと食べてしまう。このままでは、美希の分も食べてしまいそうだ。危機を感じ美希はお皿を手に取り、メロンの果肉を食べる。丸くくり抜いてあるメロンはジューシーでとても甘い。
「うっわ!凄く美味しいっ!こんなに美味しいメロン久々っ」
こないだ食べたメロンも美味しかったなぁ~。スプーンですくって食べたんだよね~
と思い出し、ついでに鷹夜さんに身体を気遣われたお見舞いメロンだった事を思い出し、美希の顔は赤くなってしまう。
「美希、俺にも一口くれ」
と鷹夜さんはスプーンごと美希の手を掴み、メロンケーキを食べる。
「確かに美味いが、俺はそのままのメロンが好きだな。なぁ、美希?」
妖しげな色気を纏った眼で美希を見つめる。
「うっ、私はどっちも好きですよ?」
樹さんの眼が嬉しそうに細められ、鷹夜さんはちょっと不機嫌な顔をする。
だって、両方とも美味しいもんっ!!
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