私の結婚式に私は行きません。弟を身代わりにします。だって私は幸せになりたいんだもん!!

ゆきりん(安室 雪)

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 ライはあの時の男の子なの!?

「ああ、俺はあの時の子と再会するのを心待ちにして1年待った。しかし、1年後会うことは叶わなかった。でも俺はナツキに会いたくて、毎年夏になると必ずあの別荘地に行き、ナツキを待っていた。もう忘れようと思っていた頃に、王宮の茶会で偶然にナツキらしき人を見かけた。声を掛けようにも、周りには令嬢が群がり身動きが取れず、気がついた時にはナツキは既に帰ってしまっていた。後日、調整して婚約を申し込みしようにも、公務が重なり時間が取れず、やっと申し込みに行けると思った矢先、婚約したと知った。」

 ライ、いやライトラー殿下の言葉を聞き、ナツキは呆然とした。

「そんなナツキが、結婚式を逃げ出したった1度の恋をしたいと聞いた。俺はその機会を逃したくは無かった。俺はもう、後悔はしない。俺の初恋を叶えたい。今のナツキも好きだ。」

 そう言いながらライトラー殿下は近寄って来たかと思うと、ナツキの頤を引き寄せ優しいキスをした。

「なっ・・・っ!?」

 突然な事にナツキは固まり、父の焦った声が聞こえる。

「逃がさない、ナツキ。俺と結婚してくれ」

 エメラルドの瞳に見つめられ、ナツキはコクリと頷いた。

 その瞬間、ぎゅっと抱きしめられる。

「ありがとう、ナツキっ!!義父上もよろしく頼むっ」

 唖然と口を開いたままの、間抜けな顔をした父は、その言葉にパタリと倒れてしまった。




 その夜。

「ナツキ、いいのか?何だか、かなり執着されてる気がするが・・・。」

 復活した父との晩餐の席にて、問われる。

「私もライトが好きなの。諦めなきゃと思ったのも事実だけど、結婚してないとわかった今なら堂々と言えるわ。ハズキも嫁いでしまった今、男爵家に残ったのは私だけだもの。ライトと一緒にこの家を継ぐわ!」

「あ、ああ・・。その・・・、ナツキ男爵家を継ぐ覚悟という事だよな。それがだなぁ、こ、今度ライトラー殿下と話してくれ」

「?わかりましたわ。でも、殿下から男爵家って申し訳無いわよね。通常なら公爵家を新たに起こすのに。」

 その後、父は黙ったまま食べ続け、終わったと同時に席を立ってしまった。

 ライトと男爵家を継ぐのに問題があるのかしら?



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